つぶやき
寝坊(神夢)
2020/12/01 08:15夢つぶやき
「ごめんなさい、宗一郎さん…勘弁してください」
「ダメだよ。オレのワガママも聞いてもらわなきゃ、割に合わないでしょ」
ーーー10分前ーーー
さ、寒い…。
布団の中で私は丸まって自分を抱きしめるかのようにして、両腕を上下にさする。
季節は12月に入りすっかり冬、朝の冷え込みも厳しくなってきた。今日は土曜日、「明日は休みだ!」と昨晩は夜更かしをしてしまい、案の定いつもよりも遅い目覚めとなってしまったのだが…
いざ起きようと思っても顔にかかるヒヤリと冷たい空気を感じて、ぬくぬくと暖かい布団の中から私は出られないでいた。
「まだ寝てるの?」
ガチャ…とドアが開き、入ってきたのは同棲中の彼氏である宗一郎くんだ。
寝坊した私はなんだかバツが悪くなり、思わず寝たフリをした。
…………気配を感じる。
目をつぶった私は自分の顔の前に気配を感じていた。寝ている私を見たら宗一郎くんはすぐに出て行くと思ったのに、部屋からいなくなる気配はなく、、、むしろ私の近くにいる気配をビンビンに感じる。
そんな気配に私は耐えられなくなり、そぉっと目を開けたーーーー
と、そこには布団に腕を乗せ、私をじぃっと見つめる宗一郎くんの顔が目の前にあった。
「あ、やっと目あけた」
「……もしかして気付いてた?寝たフリだって」
宗一郎くんは「当たり前」と言って私の頭をフワリと優しく撫でた。
「今日はまだ布団の中にいたいです…」
布団を鼻まで引っ張りながら私はおずおずと小さく言った。そんな私の言葉を聞いた宗一郎くんは半分呆れたように布団を軽くつかむ。
「いいよ、ワガママきいてあげる」
「やった!!」
「そのかわり、オレのワガママもきいてね」
ーーーーーというのが10分前の出来事。
それから宗一郎くんは布団に置いた自分の腕の上に顔を乗せ、ずっと私を見つめ続けている。めちゃくちゃ至近距離で。
「言ったでしょ?オレのワガママも聞いてもらうって」
「……だ、だってこんなワガママずるくない?」
「ん?オレのワガママがずるいって?」
私はブンブンと首を縦にふる。
まさかの宗一郎くんの『ワガママ』が『私を見つめ続ける』事……だなんて。
私は両手で布団をつかみ、それを顔までかぶった。するとその布団ははがされ、布団をつかんでいた私の手は宗一郎くんの大きな手に包まれる。
そして宗一郎くんはニッコリと笑って言った。
「ダメ、見えないよ」
……そろそろ起きます。
「ダメだよ。オレのワガママも聞いてもらわなきゃ、割に合わないでしょ」
ーーー10分前ーーー
さ、寒い…。
布団の中で私は丸まって自分を抱きしめるかのようにして、両腕を上下にさする。
季節は12月に入りすっかり冬、朝の冷え込みも厳しくなってきた。今日は土曜日、「明日は休みだ!」と昨晩は夜更かしをしてしまい、案の定いつもよりも遅い目覚めとなってしまったのだが…
いざ起きようと思っても顔にかかるヒヤリと冷たい空気を感じて、ぬくぬくと暖かい布団の中から私は出られないでいた。
「まだ寝てるの?」
ガチャ…とドアが開き、入ってきたのは同棲中の彼氏である宗一郎くんだ。
寝坊した私はなんだかバツが悪くなり、思わず寝たフリをした。
…………気配を感じる。
目をつぶった私は自分の顔の前に気配を感じていた。寝ている私を見たら宗一郎くんはすぐに出て行くと思ったのに、部屋からいなくなる気配はなく、、、むしろ私の近くにいる気配をビンビンに感じる。
そんな気配に私は耐えられなくなり、そぉっと目を開けたーーーー
と、そこには布団に腕を乗せ、私をじぃっと見つめる宗一郎くんの顔が目の前にあった。
「あ、やっと目あけた」
「……もしかして気付いてた?寝たフリだって」
宗一郎くんは「当たり前」と言って私の頭をフワリと優しく撫でた。
「今日はまだ布団の中にいたいです…」
布団を鼻まで引っ張りながら私はおずおずと小さく言った。そんな私の言葉を聞いた宗一郎くんは半分呆れたように布団を軽くつかむ。
「いいよ、ワガママきいてあげる」
「やった!!」
「そのかわり、オレのワガママもきいてね」
ーーーーーというのが10分前の出来事。
それから宗一郎くんは布団に置いた自分の腕の上に顔を乗せ、ずっと私を見つめ続けている。めちゃくちゃ至近距離で。
「言ったでしょ?オレのワガママも聞いてもらうって」
「……だ、だってこんなワガママずるくない?」
「ん?オレのワガママがずるいって?」
私はブンブンと首を縦にふる。
まさかの宗一郎くんの『ワガママ』が『私を見つめ続ける』事……だなんて。
私は両手で布団をつかみ、それを顔までかぶった。するとその布団ははがされ、布団をつかんでいた私の手は宗一郎くんの大きな手に包まれる。
そして宗一郎くんはニッコリと笑って言った。
「ダメ、見えないよ」
……そろそろ起きます。