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つぶやき

距離(リョータ夢)

2020/11/26 16:15
夢つぶやき
⚠️コロナを話題にしてます⚠️
オッケーな方だけどうぞ!!!
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今のこのご時世、すっかり人との距離を保たなければいけなくなってしまった。
コロナという目に見えない悪魔によって。

「うちの会社もやるんだね」

最近よく見かけるようになった飛沫防止の透明なシート、コンビニやスーパーなどで1度は見たことがあるだろう。
それがついにうちのオフィスにも導入されることになった。目の前には透明なシート、透明とはいえ目の前の景色は少し霞んで見える。

「あ、いま背ちっちゃいって思ったデショ?!」

机の上に登って、天井から吊るした紐にシートをつけている同僚のリョータが私に不貞腐れながら言った。

「……思ってない、よ?」

私はリョータから目を背けながら言う。
わざとらしく吹けもしない口笛を吹く素振りを見せながら。

「ひっでぇなぁぁ…」

リョータはトンっと身軽に机から降りた。
そして私の向かいの席である自分のデスクに座り、目の前のシートをガン見する。そして、机に顔を突っ伏して言った。

「やだなぁこれ」

「仕方ないじゃない」

私は目の前のシート越しのリョータのパーマ頭に向かって言う。するとリョータは顔をあげ、不満げに口を開いた。

「だってめちゃくちゃ距離感じちゃうじゃん!!」

「……私との?」

リョータはブンブンと首をたてにふる。
そんなに勢いよくふったら頭クラクラしちゃうよ?と心配になるぐらいに。

「おい、宮城…今は仕事中だ」

「げっ、三井サン…」

ワシっとリョータの頭をつかみ、自分の方へと無理やり向かせたのは先輩職員の三井さんだった。
リョータと三井さんは高校の頃バスケ部の先輩後輩だったらしく、今はこの職場でもバスケ部として2人は活躍している。

「てか三井サン、アンタが設置してよ。無駄に背だけはでけぇんだから」

「お前のその態度のデカさはいつまでたっても変わんねぇな」

「2人とも仕事もシテクダサイ」

「「……はい」」




ーー数時間後ーー


私は大好きな人の腕の中にいた。
身動きが取れないほどの強い力の中で。

「ソーシャルディスタンス解除ー!!!!」

そう言いながら私をキツく抱きしめるのはリョータ。家に帰るなりギュッと強く私を抱きしめる。私たちが一緒に暮らしているアパートの玄関で。

「せめて中に入ろうよ」

「ダメダメ、すぐにチャージしないと中には入れません」

呆れる私にリョータは更に力を込めて、それでも優しく私を抱きしめる。私は呆れつつ…と言っても内心では幸せを感じながらリョータの背中に手をまわし、抱きしめ返す。

「すっげぇ好き」

「知ってる」

そう言って私たちは唇を重ね合わせる。
物理的な距離をゼロにして。


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