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つぶやき

くちびる(洋平夢)

2020/11/05 17:55
夢つぶやき
いつも優しくて、私を甘やかしてくれる。そんなあなたが大好き。

「あげる」

ひょいと指でつまみ、私は目の前に座っている洋平にソレを渡した。

「またかよ」

困ったように笑う洋平は私からソレを受け取り、パクリと口の中へと放り込む。
ソレ……というのはさくらんぼの事だ。
私が注文したクリームソーダに付いてきたもので、ここのお店のクリームソーダは昔ながらの仕様で缶詰のさくらんぼが乗っていた。

「なんか缶詰のヤツってどうも苦手でさ」

あはは、と私は笑いながらスプーンでバニラアイスをすくい、口に持っていった。口の中には程よい甘さが広がり、自然に顔が緩む。
そして洋平は食べたさくらんぼのヘタを自分が頼んだコーヒーの受け皿に置いた。それを見た私はピン、と思いつく。

「洋平得意だよね?コレ」

私はそのヘタを手に取り、プラプラと洋平の目の前で揺らす。

「ん?あぁ、舌で輪っか作るやつか?」

「そうそう!よし、今日は私が素晴らしい輪っかを作ってあげよう」

そう言って私はヘタを口の中に入れ、モゴモゴと舌を動かしながら輪っかを作ろうとする。
何度か「んべ」と舌を出して洋平に見せるが、洋平は顔を横に振るばかりだ。
……手応えが全く感じられない。

すると洋平が言った。

「これはなかなかの我慢大会だな」

私は未だに口をモゴモゴさせながら「なにが?」と首をかしげる。

「いや、大好きな彼女の口元ばっか見て、しかも舌とか出されてるオレの身にもなってくれよ」

腕をのばしポンポンと私の頭の上に手を乗せ、洋平は片眉を下げながら笑う。そして

「チューしてぇな」

と顔を覗き込みながら言う。

「?!ダメだって!!!」

「ははは!わかってるよ」



それから私たちは食材の買い物を終え、2人が一緒に住んでいる家に帰るため愛車へと乗り込んだ。
ドアを閉め、シートベルトに手をかけようとしたその時だったーーーーー
私の後頭部は大きな手に包まれ、グイッと運転席へと引き寄せられる。
そしてそのまま洋平に唇をうばわれた。
その口付けは熱を増し、口内には洋平の舌が侵入し、2人の舌は絡み合う。

「んっ…ふ……」

吐息が漏れてしまうほどの激しい口付けの後、おでこを付けたまま洋平はニヤリと笑う。

「我慢したんだから、帰ったら覚悟しろよ?」


追記
この話は、仲良くさせてもらってるフォロワーさんが描いていたイラストを見せていただいて、思いついたものです。ありがとうございます♡

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