つぶやき
禁煙(洋平夢)
2020/10/25 17:21夢つぶやき
バンッ!
勢いよく開かれたドアにオレはもちろん視線をうつした、オレが今いる屋上のトビラに。
「やっぱりここにいた!」
息を切らしながら手すりに寄りかかっているオレの元へと駆け寄ってきたのは、オレの愛しの彼女だ。
今は授業中で、滅多に授業をサボったりしないコイツがなぜわざわざオレを探していたのだろうか。が、そんな疑問はすぐに解決した。
「これあげる!」
オレの手のひらにコロン、と2つ小さな丸いモノが落とされた。そして目の前のコイツはニコニコと可愛い顔で笑いながら小さな箱をオレに見せている。その箱にはぶどうの絵が描かれていて、幼い頃に見た記憶がある。
「風船ガムだよ、禁煙するって言ったじゃん」
確かに言ったな。
なぜなら前に言われたからだ。
”チューする時タバコくさいのやだ”
……そんな事言われたらやめるよな。
まぁ、いい機会だと思った。それで風船ガムって訳か。
安易な考えにオレは愛しさが湧き上がり、顔がほころぶ。
「サンキュ」
そう言ってオレはガムを口のなかに放り込んだ。2人並んで屋上の手すりに腕を乗せる。
すると「見て見て」そう言いながら肩を人差し指でトントンと叩かれたので、横を見てみると…
プゥ、と風船を作っている顔が見えた。
しかし、その風船は小さくパン、と音を立てすぐに割れてしぼんでいった。
「ははっ、下手かよ」
「なにさ、洋平は上手に作れるの?」
「まぁ見とけって」
オレはそう言うと、プゥ、と風船を作る。
自分で言うのもなんだが、なかなか大物が出来たもんだ。
「マジ?!すごいじゃん!」
そこから2人でガキみてぇに、どっちが大きな風船を作れるかとはしゃいだ。
「……こーゆー風船ガムってさ、すぐ味なくなるよね」
「あぁ、もう美味くねぇな」
差し出されたティッシュにオレは口からガムを出し、包んだ。そして隣のコイツも同じ事をしたのを見届けたオレはそっとキスをした。
一瞬触れるだけのキスをしたあと、少しだけ目を見つめた。そして後頭部を手で包み込んで抱き寄せ、再び唇を重ねる。
今度はお互いの唇の感触を確かめ合うような深いキスを。
……オレの禁煙方法はこれが1番かもな。
なんて思いながらーーー。
勢いよく開かれたドアにオレはもちろん視線をうつした、オレが今いる屋上のトビラに。
「やっぱりここにいた!」
息を切らしながら手すりに寄りかかっているオレの元へと駆け寄ってきたのは、オレの愛しの彼女だ。
今は授業中で、滅多に授業をサボったりしないコイツがなぜわざわざオレを探していたのだろうか。が、そんな疑問はすぐに解決した。
「これあげる!」
オレの手のひらにコロン、と2つ小さな丸いモノが落とされた。そして目の前のコイツはニコニコと可愛い顔で笑いながら小さな箱をオレに見せている。その箱にはぶどうの絵が描かれていて、幼い頃に見た記憶がある。
「風船ガムだよ、禁煙するって言ったじゃん」
確かに言ったな。
なぜなら前に言われたからだ。
”チューする時タバコくさいのやだ”
……そんな事言われたらやめるよな。
まぁ、いい機会だと思った。それで風船ガムって訳か。
安易な考えにオレは愛しさが湧き上がり、顔がほころぶ。
「サンキュ」
そう言ってオレはガムを口のなかに放り込んだ。2人並んで屋上の手すりに腕を乗せる。
すると「見て見て」そう言いながら肩を人差し指でトントンと叩かれたので、横を見てみると…
プゥ、と風船を作っている顔が見えた。
しかし、その風船は小さくパン、と音を立てすぐに割れてしぼんでいった。
「ははっ、下手かよ」
「なにさ、洋平は上手に作れるの?」
「まぁ見とけって」
オレはそう言うと、プゥ、と風船を作る。
自分で言うのもなんだが、なかなか大物が出来たもんだ。
「マジ?!すごいじゃん!」
そこから2人でガキみてぇに、どっちが大きな風船を作れるかとはしゃいだ。
「……こーゆー風船ガムってさ、すぐ味なくなるよね」
「あぁ、もう美味くねぇな」
差し出されたティッシュにオレは口からガムを出し、包んだ。そして隣のコイツも同じ事をしたのを見届けたオレはそっとキスをした。
一瞬触れるだけのキスをしたあと、少しだけ目を見つめた。そして後頭部を手で包み込んで抱き寄せ、再び唇を重ねる。
今度はお互いの唇の感触を確かめ合うような深いキスを。
……オレの禁煙方法はこれが1番かもな。
なんて思いながらーーー。