つぶやき
口笛(洋平夢)
2020/10/21 16:00夢つぶやき
洋平と付き合い初めて3ヶ月。
最初はちょっと怖かった桜木軍団も、今や私の友達も含めてみんなで遊ぶような間柄になった。
今日だって学校帰りにみんなでカラオケに行ってきたのだ。
「今日はよかったの?花道の練習見に行かなくて」
「ん?あぁ、別にいーだろ。それよりも…なんかわりぃな」
2人で並んで歩く帰り道。
洋平は申し訳なさそうに私に言ってきた。
「ん?なにが?」
「せっかくバイト休みになったのに、アイツらまで付いてきちまって」
洋平は2人きりで遊べなかったことを悪かったと謝ってきた。今日は洋平のバイトが休みだったので、2人で学校帰りにデートでもしようかと話していたのだが、それを聞きつけた桜木軍団たちが「オレらも連れてけ!」と付いてきたのだ。
ーーというよりも、私の女友達とも一緒に遊びたい、というのが彼らの魂胆だった。
「あはは、全然いいよ!超楽しかったし」
私が笑って言うと、洋平は立ち止まってそっと私の唇にキスをした。優しくて暖かなキスを。
そして洋平は口笛を吹きながら、私の手をキュッと握り再び歩き出した。
「洋平ってさ、よく口笛吹くよね」
「ん?そうか?」
「うん、カラオケは歌わないのにね」
「誰かさんと一緒にいるからじゃね?」
洋平は私の顔を見ながらニカッと笑う。そして、言葉を付け足した。
「機嫌いいって事だろ」
私といるからーー、恥ずかしげもなくサラリと言う洋平に、私は嬉しくて、恥ずかしくて、どうしていいかわからず何も言えない。
そして私は可愛くないことを言ってしまう。
「そーでもなくない?だって初めて屋上で会った時も吹いてたよ?」
やっと出た言葉がこんな否定的な言葉で、私は本当に自分が可愛げのない女だと自覚する。素直に「ありがとう」と言えばいいものを……。
「だから、機嫌良かったんだろ。偶然誰かさんに会えて」
「……え?」
「オレはその頃から好きだったからな」
「えぇっ?!?!」
同じ学年だけど、クラスが違う私たちの出会いは屋上だった。同じ日、同じ時間、同じ場所で授業をサボった私たちは出会い、そこから徐々に距離を縮めたのだ。
水戸洋平という人物の存在は知っていたけど、私には絶対関わらないような人だと思っていた。
それは洋平だって同じだと思っていたのに。
「ははっ、そんなに驚くことかよ」
「だっ、だって!いつから?いつから私の事知ってたの?」
「まぁまぁ、んな事より、ちょっとだけど楽しもうぜ?2人だけのデート」
洋平は握っている手を自分の唇に持っていき、私の手の甲にチュッと音を立てキスをする。
そして再び口笛を吹き始めた。
「……こ、降参です」
「ははは、なんの勝負なんだ」
私は一生彼に叶わない。
ずっとずっと彼の口笛を聴くことが出来ますように、そう願って暗くなった夜道を2人で歩く。
最初はちょっと怖かった桜木軍団も、今や私の友達も含めてみんなで遊ぶような間柄になった。
今日だって学校帰りにみんなでカラオケに行ってきたのだ。
「今日はよかったの?花道の練習見に行かなくて」
「ん?あぁ、別にいーだろ。それよりも…なんかわりぃな」
2人で並んで歩く帰り道。
洋平は申し訳なさそうに私に言ってきた。
「ん?なにが?」
「せっかくバイト休みになったのに、アイツらまで付いてきちまって」
洋平は2人きりで遊べなかったことを悪かったと謝ってきた。今日は洋平のバイトが休みだったので、2人で学校帰りにデートでもしようかと話していたのだが、それを聞きつけた桜木軍団たちが「オレらも連れてけ!」と付いてきたのだ。
ーーというよりも、私の女友達とも一緒に遊びたい、というのが彼らの魂胆だった。
「あはは、全然いいよ!超楽しかったし」
私が笑って言うと、洋平は立ち止まってそっと私の唇にキスをした。優しくて暖かなキスを。
そして洋平は口笛を吹きながら、私の手をキュッと握り再び歩き出した。
「洋平ってさ、よく口笛吹くよね」
「ん?そうか?」
「うん、カラオケは歌わないのにね」
「誰かさんと一緒にいるからじゃね?」
洋平は私の顔を見ながらニカッと笑う。そして、言葉を付け足した。
「機嫌いいって事だろ」
私といるからーー、恥ずかしげもなくサラリと言う洋平に、私は嬉しくて、恥ずかしくて、どうしていいかわからず何も言えない。
そして私は可愛くないことを言ってしまう。
「そーでもなくない?だって初めて屋上で会った時も吹いてたよ?」
やっと出た言葉がこんな否定的な言葉で、私は本当に自分が可愛げのない女だと自覚する。素直に「ありがとう」と言えばいいものを……。
「だから、機嫌良かったんだろ。偶然誰かさんに会えて」
「……え?」
「オレはその頃から好きだったからな」
「えぇっ?!?!」
同じ学年だけど、クラスが違う私たちの出会いは屋上だった。同じ日、同じ時間、同じ場所で授業をサボった私たちは出会い、そこから徐々に距離を縮めたのだ。
水戸洋平という人物の存在は知っていたけど、私には絶対関わらないような人だと思っていた。
それは洋平だって同じだと思っていたのに。
「ははっ、そんなに驚くことかよ」
「だっ、だって!いつから?いつから私の事知ってたの?」
「まぁまぁ、んな事より、ちょっとだけど楽しもうぜ?2人だけのデート」
洋平は握っている手を自分の唇に持っていき、私の手の甲にチュッと音を立てキスをする。
そして再び口笛を吹き始めた。
「……こ、降参です」
「ははは、なんの勝負なんだ」
私は一生彼に叶わない。
ずっとずっと彼の口笛を聴くことが出来ますように、そう願って暗くなった夜道を2人で歩く。