つぶやき
中毒
2020/10/15 08:58夢つぶやき
10月15日。
今日は【たすけあいの日】らしい。ボランティア等には積極的に参加しましょう、と呼びかける日。
……あまりピンとこないや、と私はパソコンの画面から目を離し、机の上に置いてあるマグカップに手を伸ばす。
ほろ苦い匂いに心地良さを感じながら、カップに唇をつけ中に入っているぬるくなったコーヒーを口の中へと流し込む。
「……この口紅ダメかな」
カップについた赤い色の口紅の跡を指でぬぐいながら私は独り言を言う。
その時コンコンとノックの音が部屋に響いた。
「はい」
と返事をするとドアがあき、入ってきたのは1人の男子生徒。
「また飲んどる」
真っ先に私が手にしているマグカップを指さして少し怪訝そうな顔をするのは、3年生の南烈。
「……ねぇ知ってる?保健室って具合が悪い子が来るとこなんだよ?」
「せやから来とるんやないか」
「嘘つきは嫌いです。はい、戻りなさい」
私は椅子から立ち上がり、彼の肩をつかみくるりと後ろをむかせ、背中をポン、と軽く叩いた。
「カフェイン中毒になるで」
彼はそう言って再度こちらを向き、私の右手首を掴んだ。そしてそのままキスをした。
私は抵抗もせずに、その口付けを受け入れる。
「オレな、今日誕生日やねん」
いきなりの発言に私は少しだけ驚いた。
まさか彼が自分からこんな事を言う子だったなんて……。
「だから誕生日プレゼントに欲しいんやけど、先生っていうプレゼント」
「……南くんが私と同い年になったら考えてあげてもいいよ」
「永遠に来ないやんけ、そんな日」
そう、絶対にそんな日が来ることはない。
私が彼のものになって、彼が私のものになる日なんて永遠に来ちゃいけないのだから。
「ほんま中毒やわ……」
彼はそう言って私の頬に手をよせ、ゆっくりと顔を近づける。
「この口紅落ちやすいから、付いちゃうよ」
「かまへん」
そして私たちの唇は再び重なり合うーーー。
今日は【たすけあいの日】らしい。ボランティア等には積極的に参加しましょう、と呼びかける日。
……あまりピンとこないや、と私はパソコンの画面から目を離し、机の上に置いてあるマグカップに手を伸ばす。
ほろ苦い匂いに心地良さを感じながら、カップに唇をつけ中に入っているぬるくなったコーヒーを口の中へと流し込む。
「……この口紅ダメかな」
カップについた赤い色の口紅の跡を指でぬぐいながら私は独り言を言う。
その時コンコンとノックの音が部屋に響いた。
「はい」
と返事をするとドアがあき、入ってきたのは1人の男子生徒。
「また飲んどる」
真っ先に私が手にしているマグカップを指さして少し怪訝そうな顔をするのは、3年生の南烈。
「……ねぇ知ってる?保健室って具合が悪い子が来るとこなんだよ?」
「せやから来とるんやないか」
「嘘つきは嫌いです。はい、戻りなさい」
私は椅子から立ち上がり、彼の肩をつかみくるりと後ろをむかせ、背中をポン、と軽く叩いた。
「カフェイン中毒になるで」
彼はそう言って再度こちらを向き、私の右手首を掴んだ。そしてそのままキスをした。
私は抵抗もせずに、その口付けを受け入れる。
「オレな、今日誕生日やねん」
いきなりの発言に私は少しだけ驚いた。
まさか彼が自分からこんな事を言う子だったなんて……。
「だから誕生日プレゼントに欲しいんやけど、先生っていうプレゼント」
「……南くんが私と同い年になったら考えてあげてもいいよ」
「永遠に来ないやんけ、そんな日」
そう、絶対にそんな日が来ることはない。
私が彼のものになって、彼が私のものになる日なんて永遠に来ちゃいけないのだから。
「ほんま中毒やわ……」
彼はそう言って私の頬に手をよせ、ゆっくりと顔を近づける。
「この口紅落ちやすいから、付いちゃうよ」
「かまへん」
そして私たちの唇は再び重なり合うーーー。