つぶやき

可愛い

2020/09/19 11:00
夢つぶやき
じっと水槽からこちらを見ている小さな可愛らしい魚と私は目があった。ーと、それは私だけではなく、カレシの実理もこの子に目を奪われたらしい。

「なんやコイツ、お前みたいやな」

実理は指をさして、笑いながら言う。

「やだ実理ったら、私こんなに可愛い?」

私は少し恥ずかしがりながら実理の腕に絡まり、顔を覗き込んだ。

「おう、可愛いで。アホみたいに口開けてるとこなんてそっくりやん」

あ……アホ……??
私はバシン!と強めに実理の肩を叩く。

「ったぁ…お前ちったぁ手加減せぇよ」
「実理が酷い事言うからじゃん」

久々のデートなのに実理はこんな感じでムードもへったくれもありゃしない。まぁ、もともと甘い言葉とかは言わないんだけどさ。……私は久々に実理に会えて嬉しいのにな。どんだけ寂しかったかは悔しいから言わないけど。

「なぁ」
「ん?」
「……今日は帰らんでもええんやろ?」

水槽から目線を離さず、実理は言った。私の手をキュッと握りながら。……どうやら寂しかったのは私だけじゃなかったみたい。
可愛いとこあるじゃない、うちの彼氏も。
追記
リクエスト作品です。
リクエストありがとうございました♡

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