つぶやき

ペース

2020/09/10 07:32
夢つぶやき
我ながら上手にできたと思う。見栄えはお店で出てきても遜色ないぐらいに。
もう今日から得意料理は『オムライス』と答えよう。そう思いながら、「どうぞ」と得意げに彼氏である楓の前に出すと彼は「いただきます」と言って食べ進める。
黙々と食べてくれているので、不味くはないと思うんだけど……

「美味しいとかないの?」
「うまい」
「………」

確かに楓は口数が多い方ではないけれど、この私との温度差もわかって欲しいところではあるよね。そう思いながら、少しだけガッカリしている無言の私の頭にポンと楓は手を乗せた。

「また食いてぇ」

その柔らかな笑みは私だけに見せるものだと思うと、私の顔は自然にほころんだ。
そして楓は口をもぐもぐさせながら、更に私の顔がゆるむことを言った。

「明日、一緒に住む家見に行くぞ」

明日?!……ホントに急すぎるのに、この楓のペースに巻き込まれるのは嫌いじゃない、私はそう思ってしまうのだった。
追記
リクエスト作品です。
リクエストありがとうございます♡

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