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つぶやき

来るまでに

2020/09/06 09:07
夢つぶやき
私の彼氏はあと数ヶ月でここからいなくなる。
遠い遠い所へ旅立つーーー。

「栄治ってホントにバスケしか出来ないんだね」
「うっせーよ!!」

人気があり品薄になっていたゲーム機をようやく手に入れることができ、彼氏の栄治と私の部屋で対決をしたのだが、彼は引くほど下手くそだった。

「バスケできりゃ十分じゃねぇか」

不貞腐れる栄治に私は

「…凄すぎんのよ、そっちは」

とポツリと言った。栄治には聞こえないぐらいの声で。凄すぎてアメリカに行くだなんて、こちとら複雑な乙女心なんだよ!
……流石にこれは口に出しては言えないけどさ。

「……お前がアメリカに来るまでにもっと上手くなってやる!」

栄治はテレビ画面を見ながら、続けて言う。

「だから、早く来いよ。オレが上達しちまう前に」

心なしか栄治は、コントローラーを握る手にギュッと力を込めた気がした。私はそんな栄治に抱きつく。

「……大丈夫だよ。きっと栄治は何年経っても上手くならないよ」
「は?!んな事ねぇよ」

栄治は私を抱きしめ返す。
そして私たちは少しだけ見つめあった後、そっと触れるだけのキスをした。

追記
リクエスト作品です。
リクエストありがとうございます♡

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