つぶやき

守るため

2020/07/29 13:24
夢つぶやき

「さすが牧くんだね、勝てるわけない」
「ははっ、でもまぁまぁいい線までいったんじゃないか?」

ゲームセンターにある、バスケのシューティングゲームで恋人の牧くんと勝負をしたが、もちろん完敗。
強豪海南高校のキャプテンと勝負なんて、負け試合は最初から決まっていたようなものだ。

「てゆーか、数分間なのにけっこう腕が疲れちゃったよ」

私は腕をブラブラと揺らしながら牧くんに笑いながら言った。

「この程度で疲れるとは、鍛えた方がいいんじゃないか?」
「いや、大丈夫です」

こんなにストイックな人に鍛えられるなんて恐ろしすぎる。私は食い気味にお断りをした。

「こんなにたくましいもんね、牧くんの腕は」

私は牧くんの二の腕をぎゅっぎゅっと握る。
自分で触っておいてなんだが、そのたくましい腕にドキリとした。

「誰かさんを守るための腕でもあるからな」

「えっ…」

「……オレらしくなかったな」

牧くんは自分でそう言いながら少し困ったように笑った。そしてその顔は少し赤みが増しているようにも見えた。

ぜひともずっと私のことを守ってね。

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