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つぶやき

おまじない

2020/07/24 01:24
夢つぶやき
‪「あっ!!」

飛行機雲を見つけた私は空に向かって腕をのばし、写真でも撮るかのように、指でLの字を作りその雲を囲う。そして心の中で3回願いを込める。

(神くんと付き合えますように)と。

『飛行機雲を見つけたら、それを手で囲って願い事を3回言う』コレは今、学校中で流行っているおまじないだった。
願い事を終え、一息つくと「飛行機雲だ」と声が‪聞こえてきて、私は慌てて後ろを向く。
そこにはさっき私が『付き合えますように』と願いを込めた人物が立っていた。

「神くん!」

「もしかして流行りのやつやったの?」

「ひ、秘密!」

私は慌てすぎて、思わずバレバレの言い方をしてしまった。神くんはそんな私に対して、くすくすと笑っている。

「オレもしようかな」

「え、意外!神くんおまじないとか興味無さそう」

神くんも私と同じように空に腕を伸ばし、指でLの字を作り雲を囲った。‬

「うん、ホントは興味無いよ。でも…オレにもどうしても叶えたい願いぐらいはあるからね」

「あ、全国制覇、とか?」

私が問いかけると神くんは首を横に振った。

「今、オレの目の前にいる女の子と付き合えますように」

神くんは空に長く線を引く飛行機雲を見つめながら言う。3回連続で。

「オレだってフツーの男子高生だからね」

空に向けてた手を下げ、神くんは私を見てニコリと笑った。そして更に言葉を続けた。

「でもやっぱりおまじないなんて信じないから、自力で手に入れるよ」

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