今日は花火大会。
オレはクラスメイト数人でそれを見に来ていた。

「沢北！アメリカ行く前に、日本の風物詩目に焼き付けときなよ？」

オレの隣に座ってそう言うのはオレの1年生の時からの片想いの相手。オレはあと数日で日本をたつ…だからその前に言うんだ、オレの気持ちを…!!

「花火より…」よし言うぞ…
「お前を見ていたい」

その瞬間大きな花火が打ち上がり、その音でオレの声はかき消された。

「え？なに？なんか言った？聞こえなかった」

「…なんでもねぇよ」

オレが不貞腐れてそっぽを向くと、オレの肩にコテン…と頭を乗せ、コイツは言った。

「嘘、ちゃんと聞こえたよ」