放課後
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学校は好き。
勉強はあまり得意ではないし、好きでもないけれど…
友達に会えるのはやっぱり楽しいし、何よりもアイツに会えるのが嬉しい。
私の片想いの相手はクラスメイトの藤真健司。
強豪バスケ部のキャプテン兼監督という、素人にはよくわからない肩書きを持っている。
そして顔面偏差値がエベレスト並に高い。
最初はその綺麗な顔に私の心は奪われた。
そんなミーハーな気持ち。
1年生の時はただ見てるだけ、たまぁにバスケの試合を見に行ったりもしていた。けれど、もちろんクラスが違う彼とは話すこともなく1年が過ぎる。
そして2年生になって奇跡が起きる。
まさかの同じクラスになったのだ、藤真健司と。
2.3年はクラスが同じ、私は心の中で飛び跳ねて喜んだ。
そして奇跡はそれだけではない、偶然席が隣になった私と藤真は気付けばよく話すようになり、2人きりではないが、休みの日に遊んだりもするような仲になった。
それは3年生になった今でもそのままだ。
1年生の頃に「手の届かない天上人」なんて思っていたのが嘘のように。
私の気持ちは増すばかりだった。
仲良くなりすぎて、もう友達としてしか見れない!なんて事はまったく無く。
親しくなればなるほど、藤真の事を知れば知るほど、私は彼に惹かれていた。
だから今、放課後の教室で2人きりでいるというこの状況に私の心臓は今にも口から飛び出そうだ。
「さーて、最後の締め仕事するかぁ」
藤真はそう言って手を組み、グッと腕を天井に伸ばした後、私の席の前の椅子をこちらに向けて座った。
今日私は日直だった。
そのお相手は藤真健司。
日直の最後の仕事と言えばもちろん今日一日の出来事を書き綴る日誌だ。
「おっ、お前美味そうなもん食ってんじゃん」
藤真はそう言って私の机の上に置いてあるハッピーターンというお菓子を奪い、ガサガサと袋から取り出し食べ始めた。
「これ食い始めたら止まらないよな」
ハッピーターンは俵型のしょっぱいお煎餅に甘ーい粉がかかっていて、まさに食べ始めると止まらないお菓子だ。
「あ、藤真知ってる?」
「なんだよ」
「ハッピーターンにハートの形あるの」
「知らねぇ~、てか、どうでもいい~」
藤真は笑いながら私が書いている日誌を眺め始めた。私の書いた文字をじっと見られるとなんだか恥ずかしくなってしまう…。
ーと、その日誌の上にポロポロとハッピーターンの粉が落ちた。
「ちょっと!藤真!粉落ちてる!」
私は怒りながら手でその粉をはらう。
「あ、わりぃ」
「でもこの粉が美味しいんだよねぇ」
「つかよ、これって粉ってよりも粉がついた唇が1番うまいんだよな」
藤真がバカなことを言い出したので、思わず私は吹き出して声を出し笑った。
「あはは!なにバカなこと言って」
私の唇は藤真の唇によって塞がれた。
甘い甘い、唇に。
「な?!美味いだろ?」
藤真は舌をペロリと出しながら言う。
そして何事もなかったかのように話す。
「ほら、オレ部活行きてぇんだから、早く日誌終わらせるぞ」
「~~~っ!」
私は声にならない声を出し、椅子から立ち上がった。
「お、なんだよ。もう1回するか?」
藤真はニヤリと笑い、自身も椅子から立ち上がり私の目の前へと歩を進める。
窓際の席の私の背中はいつの間にか窓のサッシにピタリとついている。
藤真はそのサッシに両手をついた。
私を囲うように…というより、逃げられないようにするかのようだ。
そして再び私にキスをする。
逃げられない私はソレを受け入れることしかできない。
いくつものキスを私の唇に落としたあとようやく藤真は私から離れた。
「なっ、何回すんのよ!」
私は藤真に大きな声で怒る。
きっと顔は真っ赤だろう。
すると藤真はいつもとは違う、真剣な表情で言った。
「何回でもしてやるよ」
そしてもう1つ言葉を付け足した。
「イヤじゃねぇだろ?」
……何もかもわかってるんだ、この男は。
私が惚れていることも、イヤがってなんていない事も。
だって、ホラ……
また彼は私にキスの嵐を降らせてくる。
「イヤだよ…」
私は藤真の腕の中でポツリと言った。
「……ちゃんと藤真の気持ち聞かないと、もうさせない」
「は?お前いま何回したと思ってんだよ」
そんなデリカシーのない藤真の発言に私はコイツの胸をドン!っとグーで叩いた。
「ってぇ!……上等じゃねぇか」
藤真はそう言って私の顔を両手で包み込む。
「オレはまなみが好きだよ」
破壊力抜群の顔と言葉で私は今にも倒れそうだ。
「お前も聞かせろよ……じゃねぇと、もうしねーよ?」
ニヤリと悪い顔で笑みを浮かべる藤真に私は硬直してしまう。
「わ、私も……藤真が……」
い、言えない。
「好き」の2文字を言うのがこんなに難しいなんてーーー。
私は藤真の腰あたりのシャツをギュッと握ったまま下を向き黙ってしまう。
それでも私は言いたい。
ちゃんと自分の気持ちを言葉にしたい。
決心した私は上を見上げ、藤真の顔を見つめる。
「私も、藤真の事が…す」
『き』の言葉は言えなかった。
なぜなら先程何度も重なった藤真の唇が再び邪魔をしたからだ。
「知ってる」
そう言いながら私たちは再びキスを交わす。
まだ終わっていない、書きかけの日誌を開いたままでーー。
勉強はあまり得意ではないし、好きでもないけれど…
友達に会えるのはやっぱり楽しいし、何よりもアイツに会えるのが嬉しい。
私の片想いの相手はクラスメイトの藤真健司。
強豪バスケ部のキャプテン兼監督という、素人にはよくわからない肩書きを持っている。
そして顔面偏差値がエベレスト並に高い。
最初はその綺麗な顔に私の心は奪われた。
そんなミーハーな気持ち。
1年生の時はただ見てるだけ、たまぁにバスケの試合を見に行ったりもしていた。けれど、もちろんクラスが違う彼とは話すこともなく1年が過ぎる。
そして2年生になって奇跡が起きる。
まさかの同じクラスになったのだ、藤真健司と。
2.3年はクラスが同じ、私は心の中で飛び跳ねて喜んだ。
そして奇跡はそれだけではない、偶然席が隣になった私と藤真は気付けばよく話すようになり、2人きりではないが、休みの日に遊んだりもするような仲になった。
それは3年生になった今でもそのままだ。
1年生の頃に「手の届かない天上人」なんて思っていたのが嘘のように。
私の気持ちは増すばかりだった。
仲良くなりすぎて、もう友達としてしか見れない!なんて事はまったく無く。
親しくなればなるほど、藤真の事を知れば知るほど、私は彼に惹かれていた。
だから今、放課後の教室で2人きりでいるというこの状況に私の心臓は今にも口から飛び出そうだ。
「さーて、最後の締め仕事するかぁ」
藤真はそう言って手を組み、グッと腕を天井に伸ばした後、私の席の前の椅子をこちらに向けて座った。
今日私は日直だった。
そのお相手は藤真健司。
日直の最後の仕事と言えばもちろん今日一日の出来事を書き綴る日誌だ。
「おっ、お前美味そうなもん食ってんじゃん」
藤真はそう言って私の机の上に置いてあるハッピーターンというお菓子を奪い、ガサガサと袋から取り出し食べ始めた。
「これ食い始めたら止まらないよな」
ハッピーターンは俵型のしょっぱいお煎餅に甘ーい粉がかかっていて、まさに食べ始めると止まらないお菓子だ。
「あ、藤真知ってる?」
「なんだよ」
「ハッピーターンにハートの形あるの」
「知らねぇ~、てか、どうでもいい~」
藤真は笑いながら私が書いている日誌を眺め始めた。私の書いた文字をじっと見られるとなんだか恥ずかしくなってしまう…。
ーと、その日誌の上にポロポロとハッピーターンの粉が落ちた。
「ちょっと!藤真!粉落ちてる!」
私は怒りながら手でその粉をはらう。
「あ、わりぃ」
「でもこの粉が美味しいんだよねぇ」
「つかよ、これって粉ってよりも粉がついた唇が1番うまいんだよな」
藤真がバカなことを言い出したので、思わず私は吹き出して声を出し笑った。
「あはは!なにバカなこと言って」
私の唇は藤真の唇によって塞がれた。
甘い甘い、唇に。
「な?!美味いだろ?」
藤真は舌をペロリと出しながら言う。
そして何事もなかったかのように話す。
「ほら、オレ部活行きてぇんだから、早く日誌終わらせるぞ」
「~~~っ!」
私は声にならない声を出し、椅子から立ち上がった。
「お、なんだよ。もう1回するか?」
藤真はニヤリと笑い、自身も椅子から立ち上がり私の目の前へと歩を進める。
窓際の席の私の背中はいつの間にか窓のサッシにピタリとついている。
藤真はそのサッシに両手をついた。
私を囲うように…というより、逃げられないようにするかのようだ。
そして再び私にキスをする。
逃げられない私はソレを受け入れることしかできない。
いくつものキスを私の唇に落としたあとようやく藤真は私から離れた。
「なっ、何回すんのよ!」
私は藤真に大きな声で怒る。
きっと顔は真っ赤だろう。
すると藤真はいつもとは違う、真剣な表情で言った。
「何回でもしてやるよ」
そしてもう1つ言葉を付け足した。
「イヤじゃねぇだろ?」
……何もかもわかってるんだ、この男は。
私が惚れていることも、イヤがってなんていない事も。
だって、ホラ……
また彼は私にキスの嵐を降らせてくる。
「イヤだよ…」
私は藤真の腕の中でポツリと言った。
「……ちゃんと藤真の気持ち聞かないと、もうさせない」
「は?お前いま何回したと思ってんだよ」
そんなデリカシーのない藤真の発言に私はコイツの胸をドン!っとグーで叩いた。
「ってぇ!……上等じゃねぇか」
藤真はそう言って私の顔を両手で包み込む。
「オレはまなみが好きだよ」
破壊力抜群の顔と言葉で私は今にも倒れそうだ。
「お前も聞かせろよ……じゃねぇと、もうしねーよ?」
ニヤリと悪い顔で笑みを浮かべる藤真に私は硬直してしまう。
「わ、私も……藤真が……」
い、言えない。
「好き」の2文字を言うのがこんなに難しいなんてーーー。
私は藤真の腰あたりのシャツをギュッと握ったまま下を向き黙ってしまう。
それでも私は言いたい。
ちゃんと自分の気持ちを言葉にしたい。
決心した私は上を見上げ、藤真の顔を見つめる。
「私も、藤真の事が…す」
『き』の言葉は言えなかった。
なぜなら先程何度も重なった藤真の唇が再び邪魔をしたからだ。
「知ってる」
そう言いながら私たちは再びキスを交わす。
まだ終わっていない、書きかけの日誌を開いたままでーー。
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