端緒
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(あ…洋平だ。電話してる。)
同期入社の洋平とは課が違いフロアも別なのだが、たまたま自販機に飲み物を買いに来たまなみは洋平がいるフロアの前を通り、その姿を見つけた。
ーと、その時バチっと電話中の洋平と目が合った。
すると洋平は目を細め、そっとまなみに微笑んだ。
そんな洋平にまなみの心臓は一気にドキドキと大きな音をたてる。
(なに?!なにこれ??!!)
洋平とは同期という事もあり、名前で呼び合う仲だ。
もちろん社内で会ったら話だってするし、その時はもちろん目を合わせる事も何度もある。
一緒に飲みに行ったりもする。
今更目が合ったぐらいで何をそんなにドキドキしているんだとまなみは驚きと動揺を隠せない。
ガコン!
音を立て自販機から飲み物が出てくる。
少しだけ屈んで自販機から飲み物を取り出そうとすると後ろからにゅっと腕が伸びてきて、出てきていた缶コーヒーを奪われた。
「ごちそーさん」
奪った犯人は洋平だった。
「……っ!」
まなみは思わず目をそらす。
今自分がどんな顔をしているのかわからず、洋平の目を見る事ができないからだ。
「あれ?怒んねーの?」
「か、返してよ!」
いつもの洋平の態度に少しだけ心が落ち着きを取り戻す。
そんなまなみをよそ目に洋平はごくごくと缶コーヒーを飲み干した。
「嘘でしょ…奢ってよ!」
まなみは驚きと呆れが混ざったように言った。
「なら倍返しするぜ、仕事終わったら飯ね」
洋平はニヤリと笑い、まなみの肩を軽くポンと叩きその場を去った。
が、ピタリと止まり、まなみの元へと戻ってきた。
「他のやつは誘わなくていーからな」
そして再びまなみの元から離れ、まなみはポツンと1人残される。
もちろん何も言えずに。
だが、一つだけ思ったことがある。
「洋平甘いコーヒー苦手じゃなかったっけ…あれ激甘だけど…」
自分のデスクに戻った洋平に同僚が声をかけた。
「なんかあった?顔ニヤケてんぞ」
そんな事を言われ、洋平はクックックと笑いながら言った。
「いや、甘ぇなぁと思って」
「なにが?」
「いや…コーヒーとか、色々」
不思議そうな顔をする同僚にそれ以上の事は言わず、洋平はしばらく笑うのだった。
人が恋に落ちる時のきっかけなんてほんの些細なことーー。
同期入社の洋平とは課が違いフロアも別なのだが、たまたま自販機に飲み物を買いに来たまなみは洋平がいるフロアの前を通り、その姿を見つけた。
ーと、その時バチっと電話中の洋平と目が合った。
すると洋平は目を細め、そっとまなみに微笑んだ。
そんな洋平にまなみの心臓は一気にドキドキと大きな音をたてる。
(なに?!なにこれ??!!)
洋平とは同期という事もあり、名前で呼び合う仲だ。
もちろん社内で会ったら話だってするし、その時はもちろん目を合わせる事も何度もある。
一緒に飲みに行ったりもする。
今更目が合ったぐらいで何をそんなにドキドキしているんだとまなみは驚きと動揺を隠せない。
ガコン!
音を立て自販機から飲み物が出てくる。
少しだけ屈んで自販機から飲み物を取り出そうとすると後ろからにゅっと腕が伸びてきて、出てきていた缶コーヒーを奪われた。
「ごちそーさん」
奪った犯人は洋平だった。
「……っ!」
まなみは思わず目をそらす。
今自分がどんな顔をしているのかわからず、洋平の目を見る事ができないからだ。
「あれ?怒んねーの?」
「か、返してよ!」
いつもの洋平の態度に少しだけ心が落ち着きを取り戻す。
そんなまなみをよそ目に洋平はごくごくと缶コーヒーを飲み干した。
「嘘でしょ…奢ってよ!」
まなみは驚きと呆れが混ざったように言った。
「なら倍返しするぜ、仕事終わったら飯ね」
洋平はニヤリと笑い、まなみの肩を軽くポンと叩きその場を去った。
が、ピタリと止まり、まなみの元へと戻ってきた。
「他のやつは誘わなくていーからな」
そして再びまなみの元から離れ、まなみはポツンと1人残される。
もちろん何も言えずに。
だが、一つだけ思ったことがある。
「洋平甘いコーヒー苦手じゃなかったっけ…あれ激甘だけど…」
自分のデスクに戻った洋平に同僚が声をかけた。
「なんかあった?顔ニヤケてんぞ」
そんな事を言われ、洋平はクックックと笑いながら言った。
「いや、甘ぇなぁと思って」
「なにが?」
「いや…コーヒーとか、色々」
不思議そうな顔をする同僚にそれ以上の事は言わず、洋平はしばらく笑うのだった。
人が恋に落ちる時のきっかけなんてほんの些細なことーー。
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