溺愛
空欄の場合は「まなみ」になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「くそっ!取れねぇじゃねぇか!」
必死でロッカーに貼ってあるプリクラを剥がそうとしている俺の後ろで、クスクスと笑い声が聞こえる。
振り返らなくたってわかる。
一人しかいねぇ。
「おい、まなみ」
「なんですか?」
「お前爪長ぇだろ?剥がせよ」
「……そんなに嫌なんですか?」
俺の隣に並び、しょんぼりとするまなみに少し心が傷んだ。
けど譲れねぇ!!!
「…嫌なんだよ、他の奴らにお前のこんな顔見せるの」
……くそ!!!
だから言いたくなかったんだよ!!!
こんな事言ったらまたコイツはチョーシこくに決まってんだよ。
わかってるから言いたくなかったんだ。
俺はそぉっとまなみの顔を見る。
するとでかい目を更にでかくし、真っ赤な顔で俺を見ているまなみ。
ーーーは?!
なんだよその反応。
いつもみたいにニヤニヤして俺をからかうんじゃねぇのかよ。
「そ、そんなに私の事好きなんですか?」
俺から視線をそらし、気まずそうに言うまなみ。
気付いたら俺はまなみにキスをしていた。
するとまなみは俺のロッカーへと近寄り、カリカリと貼られているプリクラを剥がし始めた。
「お、おい」
「開けた時に、見えなければいいんですよね?」
まなみは器用にプリクラを剥がし、ロッカーの奥へと貼り直そうとした。
ーが、1度剥がしたプリクラは粘着力がなくなりペリペリと剥がれてしまう。
「つか、なんでロッカーなんかに貼りたがるんだよ」
「だって、いつでも私の事思い出して欲しいじゃないですか。どーせ三井さんに渡したやつもうどっかいったんでしょ?」
少しだけ頬を膨らまし、むくれているまなみ。
「おい、まだあんのか?そのプリクラ」
「え?ありますよ?」
「1枚よこせ」
不思議そうな顔をしてまなみは自分のカバンから手帳を取り出し、例のプリクラを1枚俺に渡した。
「ここのロッカー鍵ねぇんだし、誰に見られるかわかんねぇんだろ…」
そう言いながら俺は自分の携帯を制服のポケットから取り出し、電池パックが入ってある裏の蓋をあけた。
そしてペタリ。
電池パックにそのプリクラを張った。
「…これで文句ねぇだろ?うぉっ!!」
勢いよく俺に抱きつくまなみ。
「好きです。三井さん、大好き」
『俺も好きだ』なんて言葉すんなり言えたらコイツは喜ぶんだろうか。
なんて出来もしないことを思いながら、ぎゅっとまなみを抱きしめ返す。
「ねぇ、三井さん」
「あんだよ」
「もっかいチューしてください」
「……仕方ねぇな」
少しだけまなみから体を離し、まなみの両肩をつかみ、俺は顔を近づけたーー。
「おい」
その時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
俺らは反射的に体を離し、声のした方へと視線を向ける。
「何をしている」
「あ、赤木……」
部室の入口にはバカでかい男が仁王立ちで立っている。
怖すぎんだろ。
立っているのはバスケ部キャプテンの赤木だった。
「三井、何をしている?」
「い、いや!!き、着替えて部活行くんだよ!!」
「そうか…なら」
ズイっと赤木の顔が近づいてくる。
嬉しくもなんともねぇ。
迫力しかねぇ。
「早く着替えて行け」
「おう……」
そしてまなみは部室から追い出されたのは言うまでもねぇな。
俺は着替えながらさっきのまなみの言葉を思い出していた。
『いつでも私の事思い出して欲しい』
バカじゃねぇの?
いつでもお前の事ばっか考えてんだよ、俺は。
ふとした時に思い出すのはまなみの顔なんだよ。
悔しいからぜってぇ言わねぇけど。
あともうひとつ。
プリクラ、なくしてる訳ねぇだろ。
俺は自分の財布をあけ、中身を確認する。
小銭とは別のスペースに入っている1枚のプリクラを。
必死でロッカーに貼ってあるプリクラを剥がそうとしている俺の後ろで、クスクスと笑い声が聞こえる。
振り返らなくたってわかる。
一人しかいねぇ。
「おい、まなみ」
「なんですか?」
「お前爪長ぇだろ?剥がせよ」
「……そんなに嫌なんですか?」
俺の隣に並び、しょんぼりとするまなみに少し心が傷んだ。
けど譲れねぇ!!!
「…嫌なんだよ、他の奴らにお前のこんな顔見せるの」
……くそ!!!
だから言いたくなかったんだよ!!!
こんな事言ったらまたコイツはチョーシこくに決まってんだよ。
わかってるから言いたくなかったんだ。
俺はそぉっとまなみの顔を見る。
するとでかい目を更にでかくし、真っ赤な顔で俺を見ているまなみ。
ーーーは?!
なんだよその反応。
いつもみたいにニヤニヤして俺をからかうんじゃねぇのかよ。
「そ、そんなに私の事好きなんですか?」
俺から視線をそらし、気まずそうに言うまなみ。
気付いたら俺はまなみにキスをしていた。
するとまなみは俺のロッカーへと近寄り、カリカリと貼られているプリクラを剥がし始めた。
「お、おい」
「開けた時に、見えなければいいんですよね?」
まなみは器用にプリクラを剥がし、ロッカーの奥へと貼り直そうとした。
ーが、1度剥がしたプリクラは粘着力がなくなりペリペリと剥がれてしまう。
「つか、なんでロッカーなんかに貼りたがるんだよ」
「だって、いつでも私の事思い出して欲しいじゃないですか。どーせ三井さんに渡したやつもうどっかいったんでしょ?」
少しだけ頬を膨らまし、むくれているまなみ。
「おい、まだあんのか?そのプリクラ」
「え?ありますよ?」
「1枚よこせ」
不思議そうな顔をしてまなみは自分のカバンから手帳を取り出し、例のプリクラを1枚俺に渡した。
「ここのロッカー鍵ねぇんだし、誰に見られるかわかんねぇんだろ…」
そう言いながら俺は自分の携帯を制服のポケットから取り出し、電池パックが入ってある裏の蓋をあけた。
そしてペタリ。
電池パックにそのプリクラを張った。
「…これで文句ねぇだろ?うぉっ!!」
勢いよく俺に抱きつくまなみ。
「好きです。三井さん、大好き」
『俺も好きだ』なんて言葉すんなり言えたらコイツは喜ぶんだろうか。
なんて出来もしないことを思いながら、ぎゅっとまなみを抱きしめ返す。
「ねぇ、三井さん」
「あんだよ」
「もっかいチューしてください」
「……仕方ねぇな」
少しだけまなみから体を離し、まなみの両肩をつかみ、俺は顔を近づけたーー。
「おい」
その時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
俺らは反射的に体を離し、声のした方へと視線を向ける。
「何をしている」
「あ、赤木……」
部室の入口にはバカでかい男が仁王立ちで立っている。
怖すぎんだろ。
立っているのはバスケ部キャプテンの赤木だった。
「三井、何をしている?」
「い、いや!!き、着替えて部活行くんだよ!!」
「そうか…なら」
ズイっと赤木の顔が近づいてくる。
嬉しくもなんともねぇ。
迫力しかねぇ。
「早く着替えて行け」
「おう……」
そしてまなみは部室から追い出されたのは言うまでもねぇな。
俺は着替えながらさっきのまなみの言葉を思い出していた。
『いつでも私の事思い出して欲しい』
バカじゃねぇの?
いつでもお前の事ばっか考えてんだよ、俺は。
ふとした時に思い出すのはまなみの顔なんだよ。
悔しいからぜってぇ言わねぇけど。
あともうひとつ。
プリクラ、なくしてる訳ねぇだろ。
俺は自分の財布をあけ、中身を確認する。
小銭とは別のスペースに入っている1枚のプリクラを。
2/2ページ