渇望
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な、流された…。
何やってんの私…。
完璧流された。
シャワーを浴びながら私はガックリとうなだれる。
「俺には見せてくれないんですか?」
あの顔でそんな事言われたら流されるでしょ…。
しかも弱ってる時に。
まさか仙道と関係を持つ日が来ようとは思ってもみなかった。
仙道はうちの会社のスーパースターで、むしろ実業団バスケ界のスーパースター。
整った顔立ちに、観るものをみんな虜にするようなバスケプレイ。
いくら職場の後輩だと言っても別世界の人間だと思っていた。
なのにこんな事になるなんてーー。
シャワーを浴び、浴室から出ると仙道はベッドに寝転んでいた。
「そんな勿体ない事しませんよ」
そう言いながら私の腰へと腕を回す仙道に少しだけ愛おしさを感じた。
こんな長身の男の人に可愛いなんて言ったら怒るかな?
そんなことを思っているといつの間にか私は仙道に組み敷きられている。
「俺が欲しいのはまなみさんだけですよ」
いつものヘラヘラした顔とは打って変わって、真っ直ぐな瞳で私を見つめるその真剣な表情に私は軽く目眩がした。
ーこんな顔見たことない。
そして再び仙道は私を求めてきた。
このまま溺れてしまいたかった、仙道に。
けれど怖いんだ。
また男の人に溺れて傷つくのが。
もう這い上がってこれる自信が無い。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「まなみさん、おはようございます」
「おはよ」
それから私達は度々身体を重ねるようになった。
「ねぇ、まなみさん?」
「ん?…ってちょっと!離れてよ!」
ここは職場の給湯室。
いつ誰が来てもおかしくない場所だ。
なのにコイツと来たら後ろから抱きつき、私の肩に顎を乗せる。
私はやかんからお湯をポットに入れていて、身動きが取れない。
「たまには俺まなみさんの家とか行きてぇなぁ」
「ダメです」
「はは、即答」
「はい、離れて」
「んー?まなみさんの家に入れてくれるならいいですよ」
仙道の私を抱きしめる力はますます強くなる。
「~っ、わかった!わかったって!」
「やった!!」
仙道は子供のように喜び、ようやく私を解放した。
「ちょうど、美味いワイン貰ったんだよね」
「え?!まさかと思うけど…泊まる気?」
「え?!だって明日仕事休みじゃないですか。練習は午後からだし」
仙道は、何かおかしい事言ってますか?という顔だ。
私は「はぁ」と大きなため息をつく。
「うちベッド狭いし、布団ないからやめといた方がいいよ」
私なりの断りのつもりだったのに……
この男と来たら。
「くっついて寝れますね」
ニコニコと笑い「楽しみにしてます」と言って仙道は給湯室を出ていった。
私の頬に小さなキスをして。
しばらくその場から私が動けなかったのは言うまでもない。
…………私何やってんだろ。
めちゃくちゃ気合い入れて料理してんじゃん。
人のために作るなんていつぶりだろう。
誰かのことを思いながら作るなんてーーー
と、その時『ピンポン』とインターホンの音が聞こえてきた。
ドアホンの画面を見ると万面の笑みでワインを画面に差し出している仙道。
思わず私はプッと吹き出した。
「お疲れ様」
私はそう言いながら玄関ドアをあけ、仙道を招き入れる。
「うわ、超いい匂いしてる!」
クンクンと犬のように匂いを嗅ぎながら仙道は部屋の中へと入ってきた。
「仙道、お風呂入る?」
「えっ?!いいんですか?」
「はい、どーぞ」
私はバスタオルを仙道へ手渡す。
バスタオルを受け取った仙道は、その場から動こうとしない。
不思議に思った私は仙道へ声をかける。
「仙道?どうしたの?」
「一緒にーー」
「はいりません」
仙道は「だと思った」と言いながら風呂場へと歩いて行った。
そんな仙道に自然と私の顔はほころぶ。
そこで私はハッとする。
ーダメだ、ダメだ。
本気になっちゃいけない。
仙道が私になんて本気になるわけない。
『俺にはまなみだけだよ』
頭によぎるのは5年間愛した男の人。
嘘つき。
それならどうして私のモノになってくれなかったの?
どうしてずっと他の人のモノなの?
私は5年間、ずっとあなただけのモノだったのにーー。
「まなみさん?」
突然の呼びかけに私は身体をビクつかせ、驚いた。
横を向くと、バスタオルを肩にかけ、きょとんとした顔で私を見ている仙道がいる。
「それ…大丈夫?」
「え?」
仙道が指さした方向にはグツグツと軽く煮詰まっているビーフシチューの鍋。
「うわ!」
私は慌ててガスの火を止める。
よかった、焦げてはないみたい。
ホッと胸を撫で下ろすと、目の前が急に暗くなった。
仙道に抱きしめられたのだ。
それも、キツく、強く。
「仙道?」
私は仙道の腕の中で身動きが取れない。
「まなみさんさ、俺が本気だと思ってないでしょ?」
ゆっくりと身体を離し、私を見つめる仙道の真剣な眼差しから逃れられない。
縛り付けられたかのように、身体も、視線も、動かすことができない。
ーーー私はなんて失礼だったんだろう。
仙道の優しさに甘えてたんだ。
彼の気持ちを真剣に受け止めようとはしなかった。
「俺は本気でまなみさんが欲しいんですよ」
そう言って私の耳元へと手を寄せ、激しくキスをする仙道。
キッチンには2人の荒い息遣いが響く。
そのまま私を求める仙道を拒むことなんて出来なかった。
何やってんの私…。
完璧流された。
シャワーを浴びながら私はガックリとうなだれる。
「俺には見せてくれないんですか?」
あの顔でそんな事言われたら流されるでしょ…。
しかも弱ってる時に。
まさか仙道と関係を持つ日が来ようとは思ってもみなかった。
仙道はうちの会社のスーパースターで、むしろ実業団バスケ界のスーパースター。
整った顔立ちに、観るものをみんな虜にするようなバスケプレイ。
いくら職場の後輩だと言っても別世界の人間だと思っていた。
なのにこんな事になるなんてーー。
シャワーを浴び、浴室から出ると仙道はベッドに寝転んでいた。
「そんな勿体ない事しませんよ」
そう言いながら私の腰へと腕を回す仙道に少しだけ愛おしさを感じた。
こんな長身の男の人に可愛いなんて言ったら怒るかな?
そんなことを思っているといつの間にか私は仙道に組み敷きられている。
「俺が欲しいのはまなみさんだけですよ」
いつものヘラヘラした顔とは打って変わって、真っ直ぐな瞳で私を見つめるその真剣な表情に私は軽く目眩がした。
ーこんな顔見たことない。
そして再び仙道は私を求めてきた。
このまま溺れてしまいたかった、仙道に。
けれど怖いんだ。
また男の人に溺れて傷つくのが。
もう這い上がってこれる自信が無い。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「まなみさん、おはようございます」
「おはよ」
それから私達は度々身体を重ねるようになった。
「ねぇ、まなみさん?」
「ん?…ってちょっと!離れてよ!」
ここは職場の給湯室。
いつ誰が来てもおかしくない場所だ。
なのにコイツと来たら後ろから抱きつき、私の肩に顎を乗せる。
私はやかんからお湯をポットに入れていて、身動きが取れない。
「たまには俺まなみさんの家とか行きてぇなぁ」
「ダメです」
「はは、即答」
「はい、離れて」
「んー?まなみさんの家に入れてくれるならいいですよ」
仙道の私を抱きしめる力はますます強くなる。
「~っ、わかった!わかったって!」
「やった!!」
仙道は子供のように喜び、ようやく私を解放した。
「ちょうど、美味いワイン貰ったんだよね」
「え?!まさかと思うけど…泊まる気?」
「え?!だって明日仕事休みじゃないですか。練習は午後からだし」
仙道は、何かおかしい事言ってますか?という顔だ。
私は「はぁ」と大きなため息をつく。
「うちベッド狭いし、布団ないからやめといた方がいいよ」
私なりの断りのつもりだったのに……
この男と来たら。
「くっついて寝れますね」
ニコニコと笑い「楽しみにしてます」と言って仙道は給湯室を出ていった。
私の頬に小さなキスをして。
しばらくその場から私が動けなかったのは言うまでもない。
…………私何やってんだろ。
めちゃくちゃ気合い入れて料理してんじゃん。
人のために作るなんていつぶりだろう。
誰かのことを思いながら作るなんてーーー
と、その時『ピンポン』とインターホンの音が聞こえてきた。
ドアホンの画面を見ると万面の笑みでワインを画面に差し出している仙道。
思わず私はプッと吹き出した。
「お疲れ様」
私はそう言いながら玄関ドアをあけ、仙道を招き入れる。
「うわ、超いい匂いしてる!」
クンクンと犬のように匂いを嗅ぎながら仙道は部屋の中へと入ってきた。
「仙道、お風呂入る?」
「えっ?!いいんですか?」
「はい、どーぞ」
私はバスタオルを仙道へ手渡す。
バスタオルを受け取った仙道は、その場から動こうとしない。
不思議に思った私は仙道へ声をかける。
「仙道?どうしたの?」
「一緒にーー」
「はいりません」
仙道は「だと思った」と言いながら風呂場へと歩いて行った。
そんな仙道に自然と私の顔はほころぶ。
そこで私はハッとする。
ーダメだ、ダメだ。
本気になっちゃいけない。
仙道が私になんて本気になるわけない。
『俺にはまなみだけだよ』
頭によぎるのは5年間愛した男の人。
嘘つき。
それならどうして私のモノになってくれなかったの?
どうしてずっと他の人のモノなの?
私は5年間、ずっとあなただけのモノだったのにーー。
「まなみさん?」
突然の呼びかけに私は身体をビクつかせ、驚いた。
横を向くと、バスタオルを肩にかけ、きょとんとした顔で私を見ている仙道がいる。
「それ…大丈夫?」
「え?」
仙道が指さした方向にはグツグツと軽く煮詰まっているビーフシチューの鍋。
「うわ!」
私は慌ててガスの火を止める。
よかった、焦げてはないみたい。
ホッと胸を撫で下ろすと、目の前が急に暗くなった。
仙道に抱きしめられたのだ。
それも、キツく、強く。
「仙道?」
私は仙道の腕の中で身動きが取れない。
「まなみさんさ、俺が本気だと思ってないでしょ?」
ゆっくりと身体を離し、私を見つめる仙道の真剣な眼差しから逃れられない。
縛り付けられたかのように、身体も、視線も、動かすことができない。
ーーー私はなんて失礼だったんだろう。
仙道の優しさに甘えてたんだ。
彼の気持ちを真剣に受け止めようとはしなかった。
「俺は本気でまなみさんが欲しいんですよ」
そう言って私の耳元へと手を寄せ、激しくキスをする仙道。
キッチンには2人の荒い息遣いが響く。
そのまま私を求める仙道を拒むことなんて出来なかった。