切望
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ピンポーン。
次の日私は学校へ行く前に隣の家のインターホンを押す。
そう、リョータの家の。
「はーい」
出てきたのはリョータのお母さん。
「おばさん、おはよう!リョータまだいるよね?」
「まなみちゃんおはよう、まだまだいるわよあの子は」
私は慣れた足取りで家の中へと入る。
リョータは洗面所で歯を磨いていた。
そんなリョータに私は「おはよう」と挨拶をして、昨日そのまま持ってきた三井さんのタオルが入った袋をリョータの頭の上に乗せる。
「あんあよ、ほれ」
歯磨きをしながら聞くリョータ。
「三井さんに渡しといて」
私はそう言ってスタスタと歩き、リョータの家から出て学校へ向かう。
後ろから「は?!」というリョータの驚きの声が聞こえていたけど、無視をした。
「はい、三井サン」
「あ?」
部活前に、リョータは朝にまなみから預かった袋を三井へと渡す。
最初は不思議そうな顔をしていた三井だったが、袋の中身を見て「あぁ」と言って納得をしていた。
そんな三井に反して納得がいかないリョータは質問をする。
「なに?どゆこと?」
「付き合おうと思ってな」
「は?」
「まなみと」
「誰が?」
「俺に決まってんだろ!」
「はぁ?!?!?!」
リョータの大きな声が体育館中に響き渡る。
もちろん周りの部員は「なにごとだ」とザワつく。
「ま、お前にゃカンケーねぇよな」
そう言って三井はスタスタと歩いて行った。
残されたリョータは口をあけたまま何も言えず、ポツンと佇んでいた。
「あっつー」
お風呂から上がった私は自分の部屋の窓を開けた。
外からはもう夜の10時過ぎだというのに生暖かい風が入ってくる。
明日から夏休みだし、この暑さはそれ相応だろう。
「おい」
窓の向こうの部屋から声が聞こえ、目をやると……
ムスッとした顔のリョータが向かいの部屋の窓から顔を出していた。
「どうしたの?変な顔して」
「三井サンと付き合うの?」
「え?!ど、どうしてそれを……」
「まじかよ」
リョータはため息をつきながら、がっくりと窓の冊子にうなだれた。
それはどういう反応なの?
付き合って欲しくないって思っていいの?
「三井サンだよー?もっと他にいないー??」
……そういう事か。
ただ単に三井さんっていうのが気に食わないだけね。
「……私が誰と付き合おうとリョータにはカンケーないじゃん」
私は絞り出すように言う。
とてもじゃないけど、リョータの顔は見れない。
窓の冊子をグッと力強く握る。
「……まなみ?」
「もう寝るね、おやすみ」
「あっ、おい!まなみっ!どうしたんだよ……!!」
私は戸惑うリョータの言葉を最後まで聞かず窓を閉め、カーテンも閉めた。
そしてそのまま窓の下へと崩れ落ちる。
もう…泣きたくないのに。
自分の意思とは反対にポロポロと涙は落ちる。
その時ふとカレンダーに目をやると、追い討ちをかけるかのように『リョータ誕生日』と7月31日に丸印がついていた。
「もう……いいや」
次の日私は学校へ行く前に隣の家のインターホンを押す。
そう、リョータの家の。
「はーい」
出てきたのはリョータのお母さん。
「おばさん、おはよう!リョータまだいるよね?」
「まなみちゃんおはよう、まだまだいるわよあの子は」
私は慣れた足取りで家の中へと入る。
リョータは洗面所で歯を磨いていた。
そんなリョータに私は「おはよう」と挨拶をして、昨日そのまま持ってきた三井さんのタオルが入った袋をリョータの頭の上に乗せる。
「あんあよ、ほれ」
歯磨きをしながら聞くリョータ。
「三井さんに渡しといて」
私はそう言ってスタスタと歩き、リョータの家から出て学校へ向かう。
後ろから「は?!」というリョータの驚きの声が聞こえていたけど、無視をした。
「はい、三井サン」
「あ?」
部活前に、リョータは朝にまなみから預かった袋を三井へと渡す。
最初は不思議そうな顔をしていた三井だったが、袋の中身を見て「あぁ」と言って納得をしていた。
そんな三井に反して納得がいかないリョータは質問をする。
「なに?どゆこと?」
「付き合おうと思ってな」
「は?」
「まなみと」
「誰が?」
「俺に決まってんだろ!」
「はぁ?!?!?!」
リョータの大きな声が体育館中に響き渡る。
もちろん周りの部員は「なにごとだ」とザワつく。
「ま、お前にゃカンケーねぇよな」
そう言って三井はスタスタと歩いて行った。
残されたリョータは口をあけたまま何も言えず、ポツンと佇んでいた。
「あっつー」
お風呂から上がった私は自分の部屋の窓を開けた。
外からはもう夜の10時過ぎだというのに生暖かい風が入ってくる。
明日から夏休みだし、この暑さはそれ相応だろう。
「おい」
窓の向こうの部屋から声が聞こえ、目をやると……
ムスッとした顔のリョータが向かいの部屋の窓から顔を出していた。
「どうしたの?変な顔して」
「三井サンと付き合うの?」
「え?!ど、どうしてそれを……」
「まじかよ」
リョータはため息をつきながら、がっくりと窓の冊子にうなだれた。
それはどういう反応なの?
付き合って欲しくないって思っていいの?
「三井サンだよー?もっと他にいないー??」
……そういう事か。
ただ単に三井さんっていうのが気に食わないだけね。
「……私が誰と付き合おうとリョータにはカンケーないじゃん」
私は絞り出すように言う。
とてもじゃないけど、リョータの顔は見れない。
窓の冊子をグッと力強く握る。
「……まなみ?」
「もう寝るね、おやすみ」
「あっ、おい!まなみっ!どうしたんだよ……!!」
私は戸惑うリョータの言葉を最後まで聞かず窓を閉め、カーテンも閉めた。
そしてそのまま窓の下へと崩れ落ちる。
もう…泣きたくないのに。
自分の意思とは反対にポロポロと涙は落ちる。
その時ふとカレンダーに目をやると、追い討ちをかけるかのように『リョータ誕生日』と7月31日に丸印がついていた。
「もう……いいや」