意地
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「あぁー!もう!どうしろってんだよ!!」
家に帰り、風呂上がりの俺は缶ビールをあけグビクビと喉へ流し込む。
見慣れた天井を見上げながら、俺は大学に入学した時のことを思い出していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「三井くんだよね?!三井寿くん!!」
出会った場所は大学の食堂だった。
「あ?」
大学に入って1週間たった頃昼飯を食っていると、頭の上から声が聞こえ俺は顔を上げる。
するとそこにはニッコリと笑って俺を上から見下ろす一人の女。
……可愛いじゃねぇか。これが第一印象。
「あの山王に勝った湘北の三井寿くんだよね?!」
俺が答える前に女は俺の隣に座った。
可愛いけど、図々しい女だな。
これが第二印象。
「あ、イキナリごめんね!私、三井くんと同じ歳で佐藤まなみって言います!」
一応常識はあるんだな。これが第三印象。
話を聞けばどうやら広島出身のバスケ好きで、高3の時夏のインターハイでの試合、俺ら湘北と山王との試合を見ていたらしい。
「それで、ファンになっちゃった!三井くんの!まさか同じ大学になるなんてすごい!」
……見る目あんじゃねぇか。
これが最終的な印象。
それから俺達はすぐに打ち解け、よく一緒にいるようになった。
言わずとも初めて会ったその日から俺はまなみに惚れていた。
気付けば名前で呼び合う仲になっていたし、周りからも付き合っていると噂されるようになっていた。
「ねえ寿」
「あんだよ」
「昨日2年の人に告られた」
「?!や、やるじゃねぇか」
ー数日後ー
「同じ学部の人に告られた」
「?!も、モテるなお前」
ーまたまた数日後ー
「バイト先の人に告られた」
「っだーーー!なんなんだよ!毎回毎回知らせんでいいっつの!!」
「察してよ、鈍感」
少しだけ下を見ながら顔を赤くしてるコイツを心の底から愛しく思い、俺は思わずまなみを抱きしめたんだ。
「あー……付き合う、か?」
「遅いよ、バカ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これが俺らの始まりだった。
思えば2年間付き合ってきて、俺はまなみに大したことしてやれてねぇなぁ。
部活で忙しいのもあるし、サプライズとか言うやつで、喜ばせたりとかもねぇし。
……最後にまなみに『好きだ』って言ったのいつだ?
てか、俺言ったことあったか?
「一緒に朝まで飲みてぇな…」
1人で飲むビールの味気さなに気づきながら、俺は最後の一口を喉に流し込んだ。
ー次の日ー
ーーだから、なんでこんな場面に遭遇すんだよ!!
食堂か?!食堂がダメなのか?!
昨日と同じシーンが俺の目の前で繰り広げられている。
違うのはまなみに声をかけている男が昨日と違うやつだという事。
昼時の食堂で男に声をかけられているまなみ。明らからに俺に気づいている。
今日先に目を逸らしたのは俺ではなく、まなみだった。
「ねえ、奢るからさ!お昼一緒しようよ!」
「…………」
なんで黙ってんだよ。
そーゆータイプじゃねぇだろ。
ナンパにビクつくような奴じゃねぇだろお前は。
いつもは明るくあっけらかんと断るだろ。
「三井とは別れたんだろ?」
「!!別れてな……」
「別れてねぇよ」
俺はいてもたってもいられず、まなみの前に行き男の前に立ちはだかった。
男は少し後退りをしている。
俺はまなみの腕をつかみ、歩き出す。
俺達は無言で歩く。
着いた先はバスケ部の部室。
俺は黙ってポケットから鍵を取り出し、鍵を開けた。
鍵が空いたドアをあけ、部室の中へと2人で入る。
そして後ろからまなみをきつく抱きしめた。
「……悪かった」
「……いいの?私が他の人と付き合っても」
「……悪かったよ」
まなみは俺の腕をギュッと掴む。
俺はまなみの体をこちらへ向け、ゆっくりとキスをした。
「いいか、1回しか言わねぇからな」
「は?なにが??」
「まなみ…好きだ」
クリクリとしたまなみの大きな瞳は更に大きくなり、みるみるうちに顔は真っ赤になっていく。
……思ってた反応と違ったな。
コイツの事だ、絶対からかうと思ったんだけど。
こんなレアな顔見れるんならもっと早く言やぁよかったぜ……。
「お前は?」
「やだ、言わない」
プイっと俺から顔を背ける。
まだ顔を真っ赤にしたまま。
そんなまなみが可愛くて、愛しくて、俺は再び抱きしめた。
すると俺の胸の中で小さな声が聞こえてきた。
小さく「好き」ってな。
「なぁ、次の休みあけとけよ」
「え?」
「どっか遠出しようぜ?」
結局また俺はお前の思い通りになっちまうんだよな。
ま、それも悪かねぇか。
まなみとならーーー。
家に帰り、風呂上がりの俺は缶ビールをあけグビクビと喉へ流し込む。
見慣れた天井を見上げながら、俺は大学に入学した時のことを思い出していた。
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「三井くんだよね?!三井寿くん!!」
出会った場所は大学の食堂だった。
「あ?」
大学に入って1週間たった頃昼飯を食っていると、頭の上から声が聞こえ俺は顔を上げる。
するとそこにはニッコリと笑って俺を上から見下ろす一人の女。
……可愛いじゃねぇか。これが第一印象。
「あの山王に勝った湘北の三井寿くんだよね?!」
俺が答える前に女は俺の隣に座った。
可愛いけど、図々しい女だな。
これが第二印象。
「あ、イキナリごめんね!私、三井くんと同じ歳で佐藤まなみって言います!」
一応常識はあるんだな。これが第三印象。
話を聞けばどうやら広島出身のバスケ好きで、高3の時夏のインターハイでの試合、俺ら湘北と山王との試合を見ていたらしい。
「それで、ファンになっちゃった!三井くんの!まさか同じ大学になるなんてすごい!」
……見る目あんじゃねぇか。
これが最終的な印象。
それから俺達はすぐに打ち解け、よく一緒にいるようになった。
言わずとも初めて会ったその日から俺はまなみに惚れていた。
気付けば名前で呼び合う仲になっていたし、周りからも付き合っていると噂されるようになっていた。
「ねえ寿」
「あんだよ」
「昨日2年の人に告られた」
「?!や、やるじゃねぇか」
ー数日後ー
「同じ学部の人に告られた」
「?!も、モテるなお前」
ーまたまた数日後ー
「バイト先の人に告られた」
「っだーーー!なんなんだよ!毎回毎回知らせんでいいっつの!!」
「察してよ、鈍感」
少しだけ下を見ながら顔を赤くしてるコイツを心の底から愛しく思い、俺は思わずまなみを抱きしめたんだ。
「あー……付き合う、か?」
「遅いよ、バカ」
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これが俺らの始まりだった。
思えば2年間付き合ってきて、俺はまなみに大したことしてやれてねぇなぁ。
部活で忙しいのもあるし、サプライズとか言うやつで、喜ばせたりとかもねぇし。
……最後にまなみに『好きだ』って言ったのいつだ?
てか、俺言ったことあったか?
「一緒に朝まで飲みてぇな…」
1人で飲むビールの味気さなに気づきながら、俺は最後の一口を喉に流し込んだ。
ー次の日ー
ーーだから、なんでこんな場面に遭遇すんだよ!!
食堂か?!食堂がダメなのか?!
昨日と同じシーンが俺の目の前で繰り広げられている。
違うのはまなみに声をかけている男が昨日と違うやつだという事。
昼時の食堂で男に声をかけられているまなみ。明らからに俺に気づいている。
今日先に目を逸らしたのは俺ではなく、まなみだった。
「ねえ、奢るからさ!お昼一緒しようよ!」
「…………」
なんで黙ってんだよ。
そーゆータイプじゃねぇだろ。
ナンパにビクつくような奴じゃねぇだろお前は。
いつもは明るくあっけらかんと断るだろ。
「三井とは別れたんだろ?」
「!!別れてな……」
「別れてねぇよ」
俺はいてもたってもいられず、まなみの前に行き男の前に立ちはだかった。
男は少し後退りをしている。
俺はまなみの腕をつかみ、歩き出す。
俺達は無言で歩く。
着いた先はバスケ部の部室。
俺は黙ってポケットから鍵を取り出し、鍵を開けた。
鍵が空いたドアをあけ、部室の中へと2人で入る。
そして後ろからまなみをきつく抱きしめた。
「……悪かった」
「……いいの?私が他の人と付き合っても」
「……悪かったよ」
まなみは俺の腕をギュッと掴む。
俺はまなみの体をこちらへ向け、ゆっくりとキスをした。
「いいか、1回しか言わねぇからな」
「は?なにが??」
「まなみ…好きだ」
クリクリとしたまなみの大きな瞳は更に大きくなり、みるみるうちに顔は真っ赤になっていく。
……思ってた反応と違ったな。
コイツの事だ、絶対からかうと思ったんだけど。
こんなレアな顔見れるんならもっと早く言やぁよかったぜ……。
「お前は?」
「やだ、言わない」
プイっと俺から顔を背ける。
まだ顔を真っ赤にしたまま。
そんなまなみが可愛くて、愛しくて、俺は再び抱きしめた。
すると俺の胸の中で小さな声が聞こえてきた。
小さく「好き」ってな。
「なぁ、次の休みあけとけよ」
「え?」
「どっか遠出しようぜ?」
結局また俺はお前の思い通りになっちまうんだよな。
ま、それも悪かねぇか。
まなみとならーーー。