胸中
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「えっ?!高校から?!」
「そうそう、コイツ高校の時に好きだった子の事まだ引きずってんだよー」
……それ合コンで言っちゃう?
今日は大学生との合コン。
私は社会人の為元々大学生には興味がなかったが、友人にどうしてもと誘われやってきた。
聞けば男性陣はみんな私より一つ年上で、大学3年生のバスケ部らしい。
その中でツーブロックパーマのオシャレボーイに私は目を奪われてしまった。
名前はリョータと言うらしい。
背は高くないが、好みのオシャレボーイ。
顔も割とタイプ。
(大学生興味無いとか言ってごめんなさい)
と思って、リョータくんの隣をキープしたのに!!!
冒頭の会話へと戻るのだ。
「どれぐらい付き合ったの?その人と」
「え?付き合ってないよ」
「え?!片想い?!」
「傷をえぐるな!!」
「ちょっと怖くない?それ」
「まなみちゃんハッキリ言うね!」
向かいに座っていた男性が大きな声で笑いながら言う。
「……アヤちゃんみたい」
「は?!」
「まなみちゃんちょっと似てるかも…アヤちゃんに」
じっと私を見るリョータくん。
「誰だよアヤちゃん」
どうせその片想いの相手なんだろうと、わかってはいたが、面白くないためリョータくんからプイと目を逸らしお酒を喉へと流し込む。
けれど、やっぱりリョータくんは私の好みだった。
「あぁ!その感じとか!!似てる!!」
「……まだ言うか」
そんなに似てるならーーー
スススとリョータくんへと近づき耳元で話をする。
「ねぇ、抜けない?」
そっとテーブルの下でリョータくんの手を握る。
「えっ?!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
我ながら大胆なことをしたなと思う。
確かに肉食系ではあるが、ここまでしたのは初めてだった。
今まで自分から男性にけしかけた事は何度かあったが、ここまで直接的に誘った事はない。
忘れられない女に似ているなら、断られる可能性は低いだろう、そう思っての強硬手段だった。
「えと…まなみちゃん、いいの?」
「ここまで来といて言う?」
ここまで、というのはもちろんホテルだ。
しかもなんなら私がリョータくんにまたがっている状態だ。
「あれ……もしかして童て…」
「じゃねぇよ!!!」
そう言うとリョータくんはくるりと私を組み敷きる。
「今更ムリとか言われても止まんねぇからね」
いきなり男の表情で言うリョータくんに私はクラクラした。
お、思った以上に色っぽい……。
先程の居酒屋では年下じゃないかと思うぐらい頼りなかったのに、今ではそんな表情どこ吹く風。
「いいよ、『アヤちゃん』だと思ってシてよ……」
(やば……ハマりそ……)
私はそう思った。
そしてその予感は見事に的中する。
指遣い、キスのタイミング、舌の絡め方。
全てが私のツボで、まんまとリョータくんにハマってしまった。
「タバコ吸っていい?」
「ん?いーよ」
行為が終わったあと私はベッドから身体を起こし、タバコに火をつける。
「スポーツマンはさすがに吸わないよね」
「まぁね」
「それともタバコ吸う人は嫌いってアヤちゃん言ってた?」
「うっ……」
「図星??」
「まなみちゃんわざと俺の心えぐってる?」
「あはは、そうかも」
「ドSかよ」
不貞腐れたかのように、リョータくんはベッドに寝そべりながら私に背を向けた。
私はクスクスと笑いながらタバコの火を消し、リョータくんの頬をそっと掴み自分の方へ顔を向けさせた。
そしてキスをする。
「…タバコくせぇ」
「私初めてなんだよね」
「え?えぇ?!?!」
リョータくんは驚いて起き上がり私を見おろす。
「や、そうじゃなくて」
「だ、だよね」
「こんなに叶わなさそうな恋」
じっとリョータくんを見つめながら話す。
リョータくんは何を言っているかわからない、という表情だ。
「でも、絶対リョータくんに言わせてみせるから」
「なんて?」
「『アヤちゃん』に似てるから、じゃなくて」
私はゆっくりと身体を起こし、リョータくんと向き合いしっかりと目を見る。
「私だから好きだって」
「え……えぇぇぇ?!?!」
「だから」
ガバッと私はリョータくんを押し倒す。
「覚悟してね?」
そしてそのままリョータくんに深い口付けをする。
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