恋草
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当時無名の湘北高校が、かの有名な山王工業に勝利してから早10年。
今日はその湘北高校バスケ部のOB会。
マネージャーだった私はみんなに会えるのが楽しみで仕方なかった。
「まなみちゃん久しぶりー!」
「わー!晴子ちゃん、久しぶり!!」
懐かしいメンツに自然に顔がほころぶ。
集まりもよくほぼ全員がそろった事もあり、全員と話がしたかった。
ーーーただ1人だけをのぞいて。
「よぉ」
頭の上から声が聞こえてくる。
聞き間違えるはずのない声。
ゆっくりと顔を上げる。
「三井さん…」
声をかけようか唯一迷っていた人物。
三井寿ーーー。
その人だった。
三井さんはゆっくりと私の隣に腰をかける。
「久々じゃねぇか。何年ぶりだ?」
「えーっと…わかんないですね」
「なんだよそれ」
ははは、と笑いながらビールを飲む三井さん。
私は三井さんと高校生の頃付き合っていた。
付き合っていたのは1年ほど。
2個年上の三井さんが卒業し、遠距離になってから別れてしまったのだ。
それからは、ほぼ会っていない。
「やっぱり三井さん相変わらず、顔はイケメンですね」
ぶっ!とビール吹き出す三井さん。
「うわ!最悪!!!!」
私は呆れながら、おしぼりで三井さんが吹き出したビールをふく。
「お前が変なこと言うからじゃねぇか!!」
「私は?」
「あぁ?!」
「相変わらず可愛いですか?」
両手人差し指を自分のほっぺたにくっつけ、ふざけてぶりっ子をする。
「……あぁ、可愛いよ」
そっぽを向きながら、雑に私の頭を撫でる三井さん。
「……なんですかその反応。ずるい」
予想外の反応に、なんだか切なくなり少しだけ泣きそうになる。
それから私達は何気ない世間話をした。
「は?!お前役所勤めなの?!」
「はい、公務員ですよ」
「まじかよ…」
「……三井さんの事たまにテレビで見ますよ。優勝惜しかったですね」
三井さんはプロのバスケット選手になっていた。
もちろん今でもバスケが大好きな私はスポーツニュース等でチェックしている。
「まっ、来シーズンはみてろよ」
グイッとビールを飲みながらこちらを向き、ニカッと笑う三井さんの顔に私の心臓は跳ね上がる。
「お前彼氏いんの?」
「……いません。今はね!」
「俺モテるからよ。いろんな女と付き合ったぜ」
いきなり得意げに話し出す三井さん。
頬は赤くなり、目はトロンとしている。
かなり酔っ払っているようだ。
お酒弱そうだもんな…。
「は?別に聞いてないんですけど」
「でもやっぱりお前以上の女はいなかったなぁ…」
「…え?」
「ずっと心の中にお前がいるんだよなぁ」
そう言うと、トンっ…と私の肩にもたれかかる。
「ちょっ、三井さん…」
そしてそのまま寝に入った三井さん。
「は?!」
私は驚いて自分の肩から三井さんをどかそうとした。
しかし、体格のいい三井さんを支えるのは大変で、そのまま三井さんの頭は私の太ももへズルズルと落ちてきてしまった。
「ちょ!!嘘でしょ!!」
三井さんの顔を見ると気持ちよさそうに眠っている。
「なんなのこの人…」
私はそのまま三井さんを動かすのを諦めた。
「うわ!!!三井サンずるい!!」
お開きの時間になり、この光景を見た宮城さんは怒って三井さんを私の太ももから抱えあげ、起こしにかかる。
「……ん?」
「ほら!三井サン帰るよ!!」
そのまま三井さんは宮城さんに連れられタクシーで帰って行った。
「もう…なんだったの」
別に三井さんに未練がある訳ではなかった。
ただーーーー
『心の中にお前がいる』
そんな事を言われ、心のざわめきは抑えられなかった。
ー次の日ー
「あったまいてぇ…」
二日酔いで目覚める三井。
どうやって帰ってきたかゆっくりと昨日の事を思い出す。
「…あー、宮城とタクシー乗ったのか」
どうやら記憶はあるようだ。
「…ん、まてよ」
何かを思い出した三井は急いでベッドからおり、昨日はいていたズボンのポケットの中に手を入れる。
「…やっぱり」
カサ…
ポケットの中からは小さな紙の切れ端。
そこに書かれているのは携帯の電話番号だった。
『連絡よこせ、顔だけイケメン』
自分の膝枕で眠っている三井の耳元でそう言って、紙切れを三井のズボンのポケットへと入れるまなみの姿を思い出す。
「はは、夢じゃなかったんだな」
そう言いながら携帯を操作する三井。
プルルルルル
何回かのコール音の後「もしもし」と眠そうな声が聞こえてきた。
今日はその湘北高校バスケ部のOB会。
マネージャーだった私はみんなに会えるのが楽しみで仕方なかった。
「まなみちゃん久しぶりー!」
「わー!晴子ちゃん、久しぶり!!」
懐かしいメンツに自然に顔がほころぶ。
集まりもよくほぼ全員がそろった事もあり、全員と話がしたかった。
ーーーただ1人だけをのぞいて。
「よぉ」
頭の上から声が聞こえてくる。
聞き間違えるはずのない声。
ゆっくりと顔を上げる。
「三井さん…」
声をかけようか唯一迷っていた人物。
三井寿ーーー。
その人だった。
三井さんはゆっくりと私の隣に腰をかける。
「久々じゃねぇか。何年ぶりだ?」
「えーっと…わかんないですね」
「なんだよそれ」
ははは、と笑いながらビールを飲む三井さん。
私は三井さんと高校生の頃付き合っていた。
付き合っていたのは1年ほど。
2個年上の三井さんが卒業し、遠距離になってから別れてしまったのだ。
それからは、ほぼ会っていない。
「やっぱり三井さん相変わらず、顔はイケメンですね」
ぶっ!とビール吹き出す三井さん。
「うわ!最悪!!!!」
私は呆れながら、おしぼりで三井さんが吹き出したビールをふく。
「お前が変なこと言うからじゃねぇか!!」
「私は?」
「あぁ?!」
「相変わらず可愛いですか?」
両手人差し指を自分のほっぺたにくっつけ、ふざけてぶりっ子をする。
「……あぁ、可愛いよ」
そっぽを向きながら、雑に私の頭を撫でる三井さん。
「……なんですかその反応。ずるい」
予想外の反応に、なんだか切なくなり少しだけ泣きそうになる。
それから私達は何気ない世間話をした。
「は?!お前役所勤めなの?!」
「はい、公務員ですよ」
「まじかよ…」
「……三井さんの事たまにテレビで見ますよ。優勝惜しかったですね」
三井さんはプロのバスケット選手になっていた。
もちろん今でもバスケが大好きな私はスポーツニュース等でチェックしている。
「まっ、来シーズンはみてろよ」
グイッとビールを飲みながらこちらを向き、ニカッと笑う三井さんの顔に私の心臓は跳ね上がる。
「お前彼氏いんの?」
「……いません。今はね!」
「俺モテるからよ。いろんな女と付き合ったぜ」
いきなり得意げに話し出す三井さん。
頬は赤くなり、目はトロンとしている。
かなり酔っ払っているようだ。
お酒弱そうだもんな…。
「は?別に聞いてないんですけど」
「でもやっぱりお前以上の女はいなかったなぁ…」
「…え?」
「ずっと心の中にお前がいるんだよなぁ」
そう言うと、トンっ…と私の肩にもたれかかる。
「ちょっ、三井さん…」
そしてそのまま寝に入った三井さん。
「は?!」
私は驚いて自分の肩から三井さんをどかそうとした。
しかし、体格のいい三井さんを支えるのは大変で、そのまま三井さんの頭は私の太ももへズルズルと落ちてきてしまった。
「ちょ!!嘘でしょ!!」
三井さんの顔を見ると気持ちよさそうに眠っている。
「なんなのこの人…」
私はそのまま三井さんを動かすのを諦めた。
「うわ!!!三井サンずるい!!」
お開きの時間になり、この光景を見た宮城さんは怒って三井さんを私の太ももから抱えあげ、起こしにかかる。
「……ん?」
「ほら!三井サン帰るよ!!」
そのまま三井さんは宮城さんに連れられタクシーで帰って行った。
「もう…なんだったの」
別に三井さんに未練がある訳ではなかった。
ただーーーー
『心の中にお前がいる』
そんな事を言われ、心のざわめきは抑えられなかった。
ー次の日ー
「あったまいてぇ…」
二日酔いで目覚める三井。
どうやって帰ってきたかゆっくりと昨日の事を思い出す。
「…あー、宮城とタクシー乗ったのか」
どうやら記憶はあるようだ。
「…ん、まてよ」
何かを思い出した三井は急いでベッドからおり、昨日はいていたズボンのポケットの中に手を入れる。
「…やっぱり」
カサ…
ポケットの中からは小さな紙の切れ端。
そこに書かれているのは携帯の電話番号だった。
『連絡よこせ、顔だけイケメン』
自分の膝枕で眠っている三井の耳元でそう言って、紙切れを三井のズボンのポケットへと入れるまなみの姿を思い出す。
「はは、夢じゃなかったんだな」
そう言いながら携帯を操作する三井。
プルルルルル
何回かのコール音の後「もしもし」と眠そうな声が聞こえてきた。
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