決意
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夏のインターハイも終わり、バスケ部のキャプテンになり数ヶ月たった俺は今ーーーーー
屋上で見知らぬ女子に押し倒されている。
なんだよこの状況。
しかもちょっとかわいい……いやいやいや!
俺にはアヤちゃんが!!!!!
そもそも出会って3秒で好きとか言われても。
でも、まあ悪い気はしねぇよな。
「とりあえずちょっとどいてくんね」
正直惜しい気も…いやいやいや!
だから!!俺にはアヤちゃんが!!!!
これが俺にとって人生で初めてされた愛の告白だった。
それからというものーーーー
「リョータくーん!おはよーーーう!」
「きゃぁぁぁ!リョータくんかっこいい!」
「ねぇねぇ、そろそろ私と付き合う気になった?」
こんな女初めてだった。
そもそも言いたかないけど、告白なんてされた事ねぇし。
告白したことは…あっけど。
でも!アレはアヤちゃんを諦める為にした事だからノーカンだろ。
確かにパッと見まなみちゃんは可愛いと思うぜ?
それは認める。
だけど俺にはどうしてもアヤちゃんを超える女はいないんだ。
一目見たその時からアヤちゃんだけなんだ。
まなみちゃんも俺に対してこんな気持ちって事か?
チラッと今日も部活を見に来ているまなみちゃんに目を向ける。
……見てねぇじゃねえか!!!
体育館の入口で水戸たちと何かを話している。
するとそのまままなみちゃんは最後まで練習を見ずに帰っていった。
珍しいな。
いつもは最後の最後まで見ていくのに。
心なしか元気がないような気が…
「リョータ!ちょっと」
「アヤちゃんっ♡」
まあ、どーせ明日も朝一番で俺の教室来るだろ。
俺は特に気にもせず、大好きなアヤちゃんの元へ走った。
ーー次の日ーー
来ねぇし。
んだよ。せっかく大学決まったって自慢しようと思ってたのに。
朝のホームルームが終わったあとに隣のクラスをチラッと覗く。
「あれ?どーしたのリョータ。なんか貸してほしいものあるの?」
まなみちゃんと同じクラスのヤスが俺に気付き話しかけてくる。
「いや、別にそうじゃねぇんだけど…」
俺はヤスの背中越しに2組の教室の中をぐるりと見渡す。
いつも朝一で俺の所へ来るはずの姿を探すために。
「まなみちゃんなら今日まだ来てないよ?」
「えっ」
「先生は休みって言ってなかったから、遅刻…なのかな?」
「ふぅん…」
「気になる?」
「は?!」
ヤスは珍しくニヤニヤしながら俺を見る。
「別にぃ?」
俺はその場をそそくさと足早に去る。
後ろからクスクスとヤスの笑い声が聞こえたような気がするけど。
「別に気になってねぇし」
俺は1人屋上でゴロンと寝転ぶ。
こんな暑い日に屋上に来るやつなんていない。
サボるにしろ違う場所にするだろう。
なんで俺は暑い思いしてまでこんなトコにいるんだよ。
てゆーか
「暑くて寝れねぇよ!」
ガバッと起き上がりあぐらをかいて座る。
教室で寝ればいいじゃねぇか。
わざわざこんな所に来る必要ねぇんだよ。
それなのに俺の足は動こうとはしない。
なんの直感なのか…この場から動いたらダメな気がしたんだ。
数時間後その直感の意味を俺は知る。
今何時間目だ?
そんな事を思っているとガチャ…と屋上のドアが開いた。
入ってきたのは朝から俺が探していた人物。
俺の事が大好きなあの子。
この場に俺がいる事に対して、元々大きな目を更に大きくして驚いてる、まなみちゃんだ。
俺が大学が決まった事を言うと俺以上に喜ぶまなみちゃん。
更にファン感謝デーだってよ。
どんだけ俺の事好きなんだよ。
この子のことを好きになれば俺は幸せなのか?
そんな事が頭によぎる。
「なんで俺なの?」
ずっと思っていた疑問を投げかける。
どうしてなのか?
言いたかないけど、他にカッコイイやつなんてたくさんいる。
俺にはアヤちゃんっていう好きな子がいるのもわかっているのに、どうしてなのか。
結局「電光石火」なんて言われたって俺にはサッパリだった。
そしてしまいにゃ、、、
「私はリョータくんの全部が欲しいんだよ」
とんでもない事を口にする女の子だ。
思わず俺は目をそらす。
とてもじゃないけど、そんな事を言われて目なんて合わせていられねぇ。
「惚れた?」
「……惚れねーよ」
惚れねーよ。
俺にはアヤちゃんがいるんだ。
ほかの女に惚れるわけねーよ。
そう思っていたんだ、この時までは。
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