欲心
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「えっ?!10時?!?!嘘でしょ!」
次の日私はお約束のような寝坊をした。
普段使わない頭を使ったせいだ。
大慌てで着替えてリビングに行くとテーブルの上にお弁当箱、その横に
〝起こしたからね〟のメモ。
お母さぁぁぁぁぁん!!!
もうこんな時間になったら、何時に行っても同じかと私は急ぐ事をやめた。
学校に着いたのはもう11時過ぎで、授業中の真っ只中。
私の足は教室ではなく、屋上へ続く階段を登っていた。
初めてリョータくんと出会った場所へ。
ガチャーー
初めて扉を開けた日とは違い、生暖かい空気を感じる。むしろ
「あっつ…」
そんな言葉が自然にでるぐらいだった。
あと数日で夏休み、暑くて当然だ。
「おそい」
太陽とは別に光る何かに私は目を細めたが、以前にも感じた事のある光、聞き間違えるはずのない人の声に驚く。
「リョータくん…?」
「この不良娘め」
光るピアスに目が慣れてきて、あぐらをかいてこちらを向いている大好きな人の姿がハッキリと見える。
「おそいって…?」
「今日朝まなみちゃんの教室行ったのにいねぇんだもん」
え?
リョータくんが私の教室に??
そんな事今まで1度もなかった。
「ど、どうして?」
不安から来るのか、期待から来るのかわからない私のドキドキ。
ゆっくりとリョータくんの前に座る。
「俺大学決まった!!」
「えっ?!」
「正確に言えば決まり、そう?」
「すごい!!!やったね!!」
「まあ、当たり前だけどな」
得意げなリョータくんにおかしくなって私はクスクスと笑う。
そして自分のことのように嬉しくなって少し泣きそうになる。
今まで頑張ってきたのも見てるし…。
そして何よりリョータくん自らが私に報告してくれた事が嬉しい。
「ホントによかったね。また大好きなバスケできるね!」
「まじな!やっぱり俺バスケが好きだなって改めて思った。」
太陽の下で笑うリョータくんはとても眩しかった。
ピアスの光なんかじゃない。
バスケが好きだと言うリョータくんが眩しかった。
私は思わず大声で笑った。
もちろんリョータくんは驚いた顔をしている。
そうだよね、好きなものは好きだよね。
諦められないんだから、好きなんだよね。
「ねえ、リョータくん!」
「ん?」
「インターハイ終わってから、ファン感謝デーやってくんない?!」
「は?」
「そうだなぁ、あっ!お祭り!夏休み最後にさ、神社でお祭りあるじゃん!?それ!私と一緒に行ってくれない?」
いきなりの事でリョータくんは戸惑っている。
でも、あとひと押しかな?
「いいじゃん!ファン感謝デー!!ねっ?」
私はパンっ!っと自分の両手を目の前で合わせお願いする。
するとリョータくんはプッと笑いながら
「いいぜ」と言った。
「いやったぁぁぁぁぁ!!!」
私は両手を高く挙げ、飛び跳ねて身体全体で喜ぶ。
昨日の落ち込みは一体なんだったのだろうと、自分でも軽く呆れてしまう。
ホントに単純…。
そんな事を思っていると
「なぁ」
少し低めのトーンのリョータくんの声。
思わずドキッとしてしまう。
「えっ、な、なに?」
「なんで俺なの?」
唐突なリョータくんの私への質問だった。
おふざけなんかじゃない、真面目なやつ。
珍しく真面目な顔で真っ直ぐ見てくるリョータくんに私の心臓はバカみたいにうるさい。
なんでーーーーー
私は少しだけ考えてこう答えた。
「電光石火ってやつ?」
リョータくんは全然納得のいかない顔をしている。
「稲妻の光みたいだったの。」
ますます訳が分からないといった顔をしているリョータくんに私はそのまま話を続ける。
「一瞬で心持ってかれたんだよ。〝この人が欲しい〟って」
私は目の前にいるリョータくんを指さす。
「私はリョータくんの全部が欲しいんだよ」
するとリョータくんはプイッと後ろを向き
「お、女のセリフかよそれ」
と言った。
「かっこいいでしょ、惚れた?」
私はリョータくんの前に回り込み顔をのぞく。
「……惚れねーよ」
「はいはい、わかってますよー」
心なしかリョータくんの顔が赤くなっていたのは暑さのせい…だよね?
次の日私はお約束のような寝坊をした。
普段使わない頭を使ったせいだ。
大慌てで着替えてリビングに行くとテーブルの上にお弁当箱、その横に
〝起こしたからね〟のメモ。
お母さぁぁぁぁぁん!!!
もうこんな時間になったら、何時に行っても同じかと私は急ぐ事をやめた。
学校に着いたのはもう11時過ぎで、授業中の真っ只中。
私の足は教室ではなく、屋上へ続く階段を登っていた。
初めてリョータくんと出会った場所へ。
ガチャーー
初めて扉を開けた日とは違い、生暖かい空気を感じる。むしろ
「あっつ…」
そんな言葉が自然にでるぐらいだった。
あと数日で夏休み、暑くて当然だ。
「おそい」
太陽とは別に光る何かに私は目を細めたが、以前にも感じた事のある光、聞き間違えるはずのない人の声に驚く。
「リョータくん…?」
「この不良娘め」
光るピアスに目が慣れてきて、あぐらをかいてこちらを向いている大好きな人の姿がハッキリと見える。
「おそいって…?」
「今日朝まなみちゃんの教室行ったのにいねぇんだもん」
え?
リョータくんが私の教室に??
そんな事今まで1度もなかった。
「ど、どうして?」
不安から来るのか、期待から来るのかわからない私のドキドキ。
ゆっくりとリョータくんの前に座る。
「俺大学決まった!!」
「えっ?!」
「正確に言えば決まり、そう?」
「すごい!!!やったね!!」
「まあ、当たり前だけどな」
得意げなリョータくんにおかしくなって私はクスクスと笑う。
そして自分のことのように嬉しくなって少し泣きそうになる。
今まで頑張ってきたのも見てるし…。
そして何よりリョータくん自らが私に報告してくれた事が嬉しい。
「ホントによかったね。また大好きなバスケできるね!」
「まじな!やっぱり俺バスケが好きだなって改めて思った。」
太陽の下で笑うリョータくんはとても眩しかった。
ピアスの光なんかじゃない。
バスケが好きだと言うリョータくんが眩しかった。
私は思わず大声で笑った。
もちろんリョータくんは驚いた顔をしている。
そうだよね、好きなものは好きだよね。
諦められないんだから、好きなんだよね。
「ねえ、リョータくん!」
「ん?」
「インターハイ終わってから、ファン感謝デーやってくんない?!」
「は?」
「そうだなぁ、あっ!お祭り!夏休み最後にさ、神社でお祭りあるじゃん!?それ!私と一緒に行ってくれない?」
いきなりの事でリョータくんは戸惑っている。
でも、あとひと押しかな?
「いいじゃん!ファン感謝デー!!ねっ?」
私はパンっ!っと自分の両手を目の前で合わせお願いする。
するとリョータくんはプッと笑いながら
「いいぜ」と言った。
「いやったぁぁぁぁぁ!!!」
私は両手を高く挙げ、飛び跳ねて身体全体で喜ぶ。
昨日の落ち込みは一体なんだったのだろうと、自分でも軽く呆れてしまう。
ホントに単純…。
そんな事を思っていると
「なぁ」
少し低めのトーンのリョータくんの声。
思わずドキッとしてしまう。
「えっ、な、なに?」
「なんで俺なの?」
唐突なリョータくんの私への質問だった。
おふざけなんかじゃない、真面目なやつ。
珍しく真面目な顔で真っ直ぐ見てくるリョータくんに私の心臓はバカみたいにうるさい。
なんでーーーーー
私は少しだけ考えてこう答えた。
「電光石火ってやつ?」
リョータくんは全然納得のいかない顔をしている。
「稲妻の光みたいだったの。」
ますます訳が分からないといった顔をしているリョータくんに私はそのまま話を続ける。
「一瞬で心持ってかれたんだよ。〝この人が欲しい〟って」
私は目の前にいるリョータくんを指さす。
「私はリョータくんの全部が欲しいんだよ」
するとリョータくんはプイッと後ろを向き
「お、女のセリフかよそれ」
と言った。
「かっこいいでしょ、惚れた?」
私はリョータくんの前に回り込み顔をのぞく。
「……惚れねーよ」
「はいはい、わかってますよー」
心なしかリョータくんの顔が赤くなっていたのは暑さのせい…だよね?