余裕
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「あ、牧くん!」
1人部屋でテレビを見ていた私は、スポーツニュースに愛しの恋人が出てきて思わず声を出した。
愛しの恋人、牧紳一とは高校生の頃から付き合っていた。
もう10年近く一緒にいることになる。
そんな彼は今ではプロのバスケット選手、
しかも日本代表。
だけど、私はこんな未来はゆうに想像出来た事だった。
それだけ彼の活躍を目の前で応援していたから。
大学を卒業してすぐにプロ選手になり、運良く地元のチームに入団できたものの…
いつも地元で試合がある訳ではないので、しばらく会えない事も多々ある。
まさに今がその状態。
「うーん…久々に会うのがテレビの画面越しか」
そんな残念な独り言を言っていると、家のインターホンがなった。
インターホンの画面を見るとまさに今テレビの画面でインタビューを受けている、大好きな人の姿が映った。
「え?!牧くん?!」
私は慌てて鍵を解除する。
そしてそわそわしながら玄関のドアを開けて顔を出し、キョロキョロする。
まだ部屋に来るまでに時間があるのに。
こんなに長く付き合っているのにドキドキするなんて、いよいよ私ヤバいかな?
なんて思っているとこちらへ向かってくる牧くんの姿が見えてきた。
私は思わず駆け出し牧くんに抱きつく。
「お、待っていたのか」
牧くんは勢いよく抱きつく私に、慌てもせずポンポンと私の頭をなでた。
「熱烈な歓迎は嬉しいんだが、家にいれてもらってもいいだろうか?」
私は慌てて離れ牧くんの顔を見ると、まゆをさげ苦笑いをしていた。
「ごっ、ごめん!」
ドアを開け、先に私が部屋に入りドアが閉まると同時に玄関で後ろから牧くんに抱きしめられる。
「まなみ…会いたかった」
絞り出すような牧くんの声に思わず泣きそうになる。
会いたいと願っていたのは私だけじゃない。
そう思うと嬉しい気持ちと、切ない気持ちで胸がギュッと締め付けられた。
私はゆっくりと牧くんの方を向く。
「牧く…」
愛しい人の名前を全て言う前に私の唇は、その愛しい人の唇によってふさがれた。
何度も何度も深く重なり合う唇。
向こうの部屋から聞こえるテレビの音よりも、2人の息遣いがハッキリと玄関にひびく。
「ま、牧くん…ちょっと…」
ようやく解放された唇から出た私の言葉は戸惑いの言葉だった。
しかし牧くんは私の言葉を聞いてなのか、聞こえてなかったのか…
先程までの余裕の顔ではなかった。
眉間に軽いシワをよせ、目を細める牧くんに心臓が破裂しそう。
牧くんは私のTシャツの中に手をいれ、直に背中を触る。
「ちょっと!!牧くん?!ここじゃ…」
「どこならいいんだ?もう待てんぞ」
そう言いながら私の首筋に舌を這わせる。
「んっ…」
思わず声が漏れる。
ここではダメだと頭ではわかっているのに、もっと欲しいと要求する自分がいる。
「言わないなら俺の好きにさせてもらう。」
そう言って牧くんは私を抱える。
お姫様抱っこをされ、向かったのは寝室。
ゆっくりとベッドにおろされる私はどんな顔をしているのだろう。
そんな私の思いを悟ったかのように牧くんは
「いい顔をしているな。」
なんて言うのだった。
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