クリスマスイヴ前夜
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明日はクリスマスイヴ、しかも土曜日。世の中が浮き足立つのもわかる。どこへ行っても軽快なクリスマスソングとキラキラ輝くイルミネーション。オレだって超浮き足立ってた。むしろ大好きなこの子が彼女になった瞬間からね!……けど、まあ神様は意地悪だよなぁ。
「まなみちゃん明日ごめんね」
「明日?なにが?」
「せっかくのクリスマスイヴなのに試合なんて…」
ベンチに座り繋いだ手からはまなみちゃんの温もりがヌクヌクと伝わるのに、心はさめざめと12月の夜風のように冷たくて痛い。
そりゃそーだろ!一緒に過ごす初めてのクリスマスなんだぜ?!それなのによー…
せめてもと今日はいつもの帰り道を公園に寄って寄り道をしたものの、やっぱり申し訳なさが勝ってしまう。クリスマスプレゼントだって必死に選んだんだ。
グチグチ考えているオレを横目に彼女はサラッと言った。
「え?カッコよくない?クリスマスイブに彼氏の試合観戦なんて」
きっと寒いのだろう…息は白く、公園の灯りの下で照らされた彼女の鼻は少しだけ赤い。そして眩しいぐらいの笑顔を向けてくれる。オレが惚れた笑顔だ。
「それにリョータくんのカッコイイところたくさん見れちゃう。最高のクリスマスじゃん」
「あーもう!なんでそんなに可愛いの?!」
思わず座ったままぎゅっと彼女をきつく強く抱きしめる。ここが公園だろうと関係ねぇ、今抱きしめねぇでいつ抱きしめんだよ。マジで可愛すぎ。
「なんでって…そんなのひとつしかないに決まってんじゃん」
オレの腕の中でクスクスと笑い出すまなみちゃん。ひとつ?生まれつき…とか?うーん…
考えていると「はい時間切れでーす」という言葉が聞こえた。そしてチュッとオレのほっぺたに柔らかな唇が触れる。
「リョータくんの事が大好きだからです。恋する女の子は最高に可愛いんだよ」
神様……オレの彼女は間違いなく世界で一可愛いです。目に見えるものが全て真実とは限らねぇって聞いた事あるけど、今、目の前で嬉しそうに笑う彼女のこの笑顔がオレにとっては揺るぎない真実なんだ。
おでこをくっつけ合い、2人してへにゃへにゃに緩んだ顔を見せあったあと何度か口付けを交わした。
「あのさ、これ」
オレはカバンの中からラッピングされた小さな箱を取り出す。悩みに悩んだ大好きなまなみちゃんへのクリスマスプレゼントだ。「え?!」と目を丸くした彼女に向かってそれを差し出すと、その目はドンドン大きくなっていった。コホン…とひとつ咳払いをしてオレは言う。
「一足早いリョータサンタの登場だよ」
「え、待って…待ってよ!早いって!」
「あわてんぼうのサンタクロースってやつかな」
「いや、そーいうんじゃなくて」
冷静にツッコミを入れられると無性に恥ずかしくなってしまう。むしろ慌てているのは隣にいる彼女の方だ。
サプライズ成功ってやつかな。
……って思ってたんだけど、ちょっと気持ちが落ち着いたであろうまなみちゃんは不満そうに唇を尖らせた。
え、オレなんかやっちまったか?
「ずるい。サプライズなんてずるいです」
「サプライズが不満だってことぉ?!」
そりゃないぜと肩を落とすオレの両頬が、小さな手に包まれた。むにっと唇が前に出るぐらいに頬が潰される。どーゆーこと?!そんなにサプライズ嫌いなの?!
女の子ってサプライズ好きなんじゃねーのかよ?!
「いつも私ばっかり幸せもらってる」
「へ?」
「どんどん好きになってっちゃう…私ばっかり」
まだ唇を尖らせたままなみちゃんはオレから目を逸らして言った。
その顔は鼻だけではなく、全体が赤くなっているように見えて、思わず顔がニヤケてしまう。こんなに幸せでいいのかよ。まだオレの頬を包んでいるその手の上に自分の手を重ねる。すると、彼女の手の力は緩み、潰されていたオレの頬も元通りになった。
「オレの方が大好きだよ」
ニッと笑うと、尖っていたまなみちゃんの唇は元に戻り「やっぱりずるい」と小さく呟いた。
そして今日何度目かわからないキスをする。
「でもさぁー!やっぱクリスマス当日にまなみちゃんと2人っきりで、ゆっくり過ごしたかったよなぁ…」
「まだ言ってる。てゆーかさ、クリスマスなんてまた来年もくるじゃん。あ、明日サンタコスして応援行こうか?」
「ダメダメダメダメ!試合どころじゃなくなっちまう!!」
それに…想像だけでクソ可愛すぎるその姿を他のヤロー共になんて見せてたまるかってんだ。しかもあのバスケ部の問題児どもになんてぜってぇ見せらんねぇ!!
ダメだダメだとまなみちゃんの両肩をつかみ軽く揺すると、その手の甲に何かが落ちてきた。彼女もそれに気付いたらしく、二人で空を見上げる。
ーーー雪だ。
雪ってこんなにキレイだったか?
そりゃ滅多に見ねぇから降った時にはテンションは上がるけど、キレイだなんて初めて思ったな…。
そう思える理由は1つしかねぇってわかってっけど。
「キレイだね」
そう言って空を見上げるまなみちゃんの横顔に見とれて、オレは雪どころじゃなくなっちまうんだ。
来年も、再来年もこの先ずっと一緒にクリスマスを過ごせることを願い、オレは空を見上げた。
明日の試合後、ニコニコしながらオレにプレゼントを渡す可愛いサンタに会える事を、まだ知らずにーーー。
「まなみちゃん明日ごめんね」
「明日?なにが?」
「せっかくのクリスマスイヴなのに試合なんて…」
ベンチに座り繋いだ手からはまなみちゃんの温もりがヌクヌクと伝わるのに、心はさめざめと12月の夜風のように冷たくて痛い。
そりゃそーだろ!一緒に過ごす初めてのクリスマスなんだぜ?!それなのによー…
せめてもと今日はいつもの帰り道を公園に寄って寄り道をしたものの、やっぱり申し訳なさが勝ってしまう。クリスマスプレゼントだって必死に選んだんだ。
グチグチ考えているオレを横目に彼女はサラッと言った。
「え?カッコよくない?クリスマスイブに彼氏の試合観戦なんて」
きっと寒いのだろう…息は白く、公園の灯りの下で照らされた彼女の鼻は少しだけ赤い。そして眩しいぐらいの笑顔を向けてくれる。オレが惚れた笑顔だ。
「それにリョータくんのカッコイイところたくさん見れちゃう。最高のクリスマスじゃん」
「あーもう!なんでそんなに可愛いの?!」
思わず座ったままぎゅっと彼女をきつく強く抱きしめる。ここが公園だろうと関係ねぇ、今抱きしめねぇでいつ抱きしめんだよ。マジで可愛すぎ。
「なんでって…そんなのひとつしかないに決まってんじゃん」
オレの腕の中でクスクスと笑い出すまなみちゃん。ひとつ?生まれつき…とか?うーん…
考えていると「はい時間切れでーす」という言葉が聞こえた。そしてチュッとオレのほっぺたに柔らかな唇が触れる。
「リョータくんの事が大好きだからです。恋する女の子は最高に可愛いんだよ」
神様……オレの彼女は間違いなく世界で一可愛いです。目に見えるものが全て真実とは限らねぇって聞いた事あるけど、今、目の前で嬉しそうに笑う彼女のこの笑顔がオレにとっては揺るぎない真実なんだ。
おでこをくっつけ合い、2人してへにゃへにゃに緩んだ顔を見せあったあと何度か口付けを交わした。
「あのさ、これ」
オレはカバンの中からラッピングされた小さな箱を取り出す。悩みに悩んだ大好きなまなみちゃんへのクリスマスプレゼントだ。「え?!」と目を丸くした彼女に向かってそれを差し出すと、その目はドンドン大きくなっていった。コホン…とひとつ咳払いをしてオレは言う。
「一足早いリョータサンタの登場だよ」
「え、待って…待ってよ!早いって!」
「あわてんぼうのサンタクロースってやつかな」
「いや、そーいうんじゃなくて」
冷静にツッコミを入れられると無性に恥ずかしくなってしまう。むしろ慌てているのは隣にいる彼女の方だ。
サプライズ成功ってやつかな。
……って思ってたんだけど、ちょっと気持ちが落ち着いたであろうまなみちゃんは不満そうに唇を尖らせた。
え、オレなんかやっちまったか?
「ずるい。サプライズなんてずるいです」
「サプライズが不満だってことぉ?!」
そりゃないぜと肩を落とすオレの両頬が、小さな手に包まれた。むにっと唇が前に出るぐらいに頬が潰される。どーゆーこと?!そんなにサプライズ嫌いなの?!
女の子ってサプライズ好きなんじゃねーのかよ?!
「いつも私ばっかり幸せもらってる」
「へ?」
「どんどん好きになってっちゃう…私ばっかり」
まだ唇を尖らせたままなみちゃんはオレから目を逸らして言った。
その顔は鼻だけではなく、全体が赤くなっているように見えて、思わず顔がニヤケてしまう。こんなに幸せでいいのかよ。まだオレの頬を包んでいるその手の上に自分の手を重ねる。すると、彼女の手の力は緩み、潰されていたオレの頬も元通りになった。
「オレの方が大好きだよ」
ニッと笑うと、尖っていたまなみちゃんの唇は元に戻り「やっぱりずるい」と小さく呟いた。
そして今日何度目かわからないキスをする。
「でもさぁー!やっぱクリスマス当日にまなみちゃんと2人っきりで、ゆっくり過ごしたかったよなぁ…」
「まだ言ってる。てゆーかさ、クリスマスなんてまた来年もくるじゃん。あ、明日サンタコスして応援行こうか?」
「ダメダメダメダメ!試合どころじゃなくなっちまう!!」
それに…想像だけでクソ可愛すぎるその姿を他のヤロー共になんて見せてたまるかってんだ。しかもあのバスケ部の問題児どもになんてぜってぇ見せらんねぇ!!
ダメだダメだとまなみちゃんの両肩をつかみ軽く揺すると、その手の甲に何かが落ちてきた。彼女もそれに気付いたらしく、二人で空を見上げる。
ーーー雪だ。
雪ってこんなにキレイだったか?
そりゃ滅多に見ねぇから降った時にはテンションは上がるけど、キレイだなんて初めて思ったな…。
そう思える理由は1つしかねぇってわかってっけど。
「キレイだね」
そう言って空を見上げるまなみちゃんの横顔に見とれて、オレは雪どころじゃなくなっちまうんだ。
来年も、再来年もこの先ずっと一緒にクリスマスを過ごせることを願い、オレは空を見上げた。
明日の試合後、ニコニコしながらオレにプレゼントを渡す可愛いサンタに会える事を、まだ知らずにーーー。
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