偏見
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あれから数週間……
完全にオレは大好きなあの子に避けられている。ホントはあのまま連れ去りたいぐらいだったんだけどなぁ。我慢したんだから褒めて欲しいぐらいだ。
もちろん仕事の事で話をする事はあるが、それ以外のプライベートの話になると、シャッターがガラガラと音を立てて閉まるのと同じだ。
ピシャリと、これ以上入ってこないで!と言わんばかりにシャットアウトされてしまっている。
うーん……どうしたもんか……あれっ?!
目の前には偶然、両手でたくさんの書類を持ったまなみちゃんが会議室に入っていく姿。こんな千載一遇のチャンス、見逃すわけはねぇよな。
オレはパタン、と閉まったドアを開けてゆっくりと会議室の中へ足を踏み入れた。
「仙道くん?!」
おそらくドアが開いた音で振り返ったであろうまなみちゃんは驚いた顔でオレを見た。
まなみちゃんは長テーブルに資料を置いて、ホチキス止めをしようとしていたようだ。
「手伝うよ」
オレはそう言ってまなみちゃんが座っている隣に座った。
「いや、大丈…」
大丈夫、そう言おうとしたまなみちゃんだが、チラッと会議室の壁にかかっている時計を見たあと「……お願いします」と言って、書類の束をズイっとオレの前に押し出した。
「これ三つ折りにしてもらえる?」
「了解。つか、この量ひとりでやろうとしたの?」
「まぁ…今みんな忙しいし」
ホントにこの子はこーゆーとこだよな。
自分ひとりで抱えちまうんだよ。
「チームプレイ、しようよ」
オレはカチカチとホチキス止めをしているまなみちゃんの頭の上にポンポンと手の平を乗せた。
……嫌がるかな?
すると彼女は少しだけオレの顔を見た後、すぐに視線を手に持っている書類にうつし、小さく「うん…」と言った。ほんのわずかに瞳の奥を光らせながら。
「よし!後は1部ずつ並べて終わり!」
まなみちゃんはそう言って椅子から立ち上がり、口の字になったテーブルの上に、一定の間隔で書類の束を置きながら歩く。オレは反対方向から同じ行動をする。
「よっし!終わったぁぁ!仙道くん、ありがとう!助かっ」
最後の1部を置き、くるりとオレへ方向転換したまなみちゃんを、オレは抱きしめる。
「ちょっ、仙道くん!!」
「最近めちゃくちゃ避けてるよね?オレの事」
「……っ」
「別に怒ってないよ。……意識してるんでしょ?オレの事」
「し、してません!」
なんてわかりやすい嘘をつくんだ、この子は。
あぁ、もう本当に好きだなぁ。
「いい傾向じゃん?ありがとう」
オレはまなみちゃんから離れ、ニコリと笑う。そして更に言葉を続けた。
「だいぶ寒くなってきたし、ラーメンでも食いに行かない?」
完全にオレは大好きなあの子に避けられている。ホントはあのまま連れ去りたいぐらいだったんだけどなぁ。我慢したんだから褒めて欲しいぐらいだ。
もちろん仕事の事で話をする事はあるが、それ以外のプライベートの話になると、シャッターがガラガラと音を立てて閉まるのと同じだ。
ピシャリと、これ以上入ってこないで!と言わんばかりにシャットアウトされてしまっている。
うーん……どうしたもんか……あれっ?!
目の前には偶然、両手でたくさんの書類を持ったまなみちゃんが会議室に入っていく姿。こんな千載一遇のチャンス、見逃すわけはねぇよな。
オレはパタン、と閉まったドアを開けてゆっくりと会議室の中へ足を踏み入れた。
「仙道くん?!」
おそらくドアが開いた音で振り返ったであろうまなみちゃんは驚いた顔でオレを見た。
まなみちゃんは長テーブルに資料を置いて、ホチキス止めをしようとしていたようだ。
「手伝うよ」
オレはそう言ってまなみちゃんが座っている隣に座った。
「いや、大丈…」
大丈夫、そう言おうとしたまなみちゃんだが、チラッと会議室の壁にかかっている時計を見たあと「……お願いします」と言って、書類の束をズイっとオレの前に押し出した。
「これ三つ折りにしてもらえる?」
「了解。つか、この量ひとりでやろうとしたの?」
「まぁ…今みんな忙しいし」
ホントにこの子はこーゆーとこだよな。
自分ひとりで抱えちまうんだよ。
「チームプレイ、しようよ」
オレはカチカチとホチキス止めをしているまなみちゃんの頭の上にポンポンと手の平を乗せた。
……嫌がるかな?
すると彼女は少しだけオレの顔を見た後、すぐに視線を手に持っている書類にうつし、小さく「うん…」と言った。ほんのわずかに瞳の奥を光らせながら。
「よし!後は1部ずつ並べて終わり!」
まなみちゃんはそう言って椅子から立ち上がり、口の字になったテーブルの上に、一定の間隔で書類の束を置きながら歩く。オレは反対方向から同じ行動をする。
「よっし!終わったぁぁ!仙道くん、ありがとう!助かっ」
最後の1部を置き、くるりとオレへ方向転換したまなみちゃんを、オレは抱きしめる。
「ちょっ、仙道くん!!」
「最近めちゃくちゃ避けてるよね?オレの事」
「……っ」
「別に怒ってないよ。……意識してるんでしょ?オレの事」
「し、してません!」
なんてわかりやすい嘘をつくんだ、この子は。
あぁ、もう本当に好きだなぁ。
「いい傾向じゃん?ありがとう」
オレはまなみちゃんから離れ、ニコリと笑う。そして更に言葉を続けた。
「だいぶ寒くなってきたし、ラーメンでも食いに行かない?」
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