レンアイ受難曲!
そして、それらの一部始終を見ていた、結局最後まで何の役にも立たなかった守護者達はというと。
「……あああ十代目のファーストキスがぁぁぁぁっ!」
二人の唇が重なった辺りで、ショックと剣介への殺気は最高潮に達したのだが、
『先輩を危険な目に遭わせる人間は、燃やして消し炭にする』
……という恐ろしい台詞に、何よりも恐怖したのだった。
マフィアよりも何よりも、彼らにとってはツナが最強であり、とてもかなう相手ではないのだ。
「っ、俺は……俺は諦めませんからね十代目ぇぇっ!」
「そうだよな、先輩よりも俺のことを好きになってもらえば良いんだからな!」
「うむ、極限に燃えてきたぞ!」
「沢田を奪うまで、咬み殺すのは置いといてあげるよ」
「クフフ…その時は地獄を見せてあげましょう……」
だが、ツナへの愛と立ち直りの早さなら誰にも負けない守護者達は、さらに己の意思を強くしたのだった。
一方、
「……くくっ、やっぱり思った通りの展開になったか。全く、あいつらといると全然退屈しねーな」
守護者達が空回りをすることも、ツナがちゃんと刺客を追っ払うことも想定していたらしいリボーンは、陰でその様子を眺め心底楽しそうに笑ったのだった。
やはり、彼が守護者達を呼んだのは、ただ単にその方が面白いと思ったからかもしれない。
***
すっかり夜になって、光のショーを最後まで見たツナと剣介は、予定通り帰ることにした。
その際、ゲートの近くにあるお店で、お揃いのストラップを買って。剣介からそれを受け取ったツナが本当に嬉しそうだったので、剣介も満足だった。
そして、ツナも誰かにお土産を買っていて。
「……ずいぶんたくさん買うんだなぁ」
手に持った籠には大きめのお菓子の缶と、キーホルダーがいくつか入っていた。剣介が尋ねれば、ツナは少し照れたように、
「はい、家のチビ達と友達に」
玩具入りのお菓子は、家にいる小さな家族に。そして、キーホルダーは……
それが誰なのかは、剣介には聞かなくても分かった。
「すごく、仲が良いんだな」
「はい……いつも一緒にいてくれる、大切な仲間ですから」
そう話すツナの表情は、本当に仲間を大切に想っているようで。
その仲間には大変な目に遭わされているが、それだけ彼らにとってツナは大切で、かけがえのない存在なのだ。
(……よし)
今までは逃げてばかりいたが、これからはもっと強くなろう、と剣介は思う。ツナの大切な存在に、認めてもらえるように。
(そ、それまでに俺の命がもつか分からねぇけど……!)
剣介は知らない。これからさらなる受難が待ち受けていることを。
だが、隣で微笑むツナを見て、この大切な存在の側にいたいという気持ちだけは、誰にも負けないと思った。
*END*
「……あああ十代目のファーストキスがぁぁぁぁっ!」
二人の唇が重なった辺りで、ショックと剣介への殺気は最高潮に達したのだが、
『先輩を危険な目に遭わせる人間は、燃やして消し炭にする』
……という恐ろしい台詞に、何よりも恐怖したのだった。
マフィアよりも何よりも、彼らにとってはツナが最強であり、とてもかなう相手ではないのだ。
「っ、俺は……俺は諦めませんからね十代目ぇぇっ!」
「そうだよな、先輩よりも俺のことを好きになってもらえば良いんだからな!」
「うむ、極限に燃えてきたぞ!」
「沢田を奪うまで、咬み殺すのは置いといてあげるよ」
「クフフ…その時は地獄を見せてあげましょう……」
だが、ツナへの愛と立ち直りの早さなら誰にも負けない守護者達は、さらに己の意思を強くしたのだった。
一方、
「……くくっ、やっぱり思った通りの展開になったか。全く、あいつらといると全然退屈しねーな」
守護者達が空回りをすることも、ツナがちゃんと刺客を追っ払うことも想定していたらしいリボーンは、陰でその様子を眺め心底楽しそうに笑ったのだった。
やはり、彼が守護者達を呼んだのは、ただ単にその方が面白いと思ったからかもしれない。
***
すっかり夜になって、光のショーを最後まで見たツナと剣介は、予定通り帰ることにした。
その際、ゲートの近くにあるお店で、お揃いのストラップを買って。剣介からそれを受け取ったツナが本当に嬉しそうだったので、剣介も満足だった。
そして、ツナも誰かにお土産を買っていて。
「……ずいぶんたくさん買うんだなぁ」
手に持った籠には大きめのお菓子の缶と、キーホルダーがいくつか入っていた。剣介が尋ねれば、ツナは少し照れたように、
「はい、家のチビ達と友達に」
玩具入りのお菓子は、家にいる小さな家族に。そして、キーホルダーは……
それが誰なのかは、剣介には聞かなくても分かった。
「すごく、仲が良いんだな」
「はい……いつも一緒にいてくれる、大切な仲間ですから」
そう話すツナの表情は、本当に仲間を大切に想っているようで。
その仲間には大変な目に遭わされているが、それだけ彼らにとってツナは大切で、かけがえのない存在なのだ。
(……よし)
今までは逃げてばかりいたが、これからはもっと強くなろう、と剣介は思う。ツナの大切な存在に、認めてもらえるように。
(そ、それまでに俺の命がもつか分からねぇけど……!)
剣介は知らない。これからさらなる受難が待ち受けていることを。
だが、隣で微笑むツナを見て、この大切な存在の側にいたいという気持ちだけは、誰にも負けないと思った。
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