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Qが初めて仕事をする話

おまけ

「君、堅苦しい敬語よりもそっちの方が可愛いぞ!」
「は、はぁ? んなわけ…可愛いとか……」
クシャッと笑うアルフレッドに、思わず吃ってしまう。
可愛いなんて言われたことねぇし、俺はかっこいいって言われた方が嬉しいんだが…。でも…まぁ……悪くはねぇかな…。
なんて、柄にもなく照れてしまった俺をよそに、アルフレッドはつらつらと続ける。

「それに、俺と初めて会った時の君はめちゃくちゃ口が悪かったし、汚い言葉ばっかり吐いてたしすごーく暴力的だったんだから、今更隠したって無駄なんだぞ」

「あ"?」

にこやかにそういうアルフレッドを見上げて睨むが、こいつには全く効果がないどころか逆効果らしく嬉しそうに抱きしめてきた。
「えへへ、そんな君を好きになったんだってことさ」
何がおかしいのか、笑って俺の頭を撫でる。

「…物好きが」

俺はどう答えれば正解なのかわからなくて、そんな言葉を吐いて、拘束から逃れようともぞもぞと動く。

「君は?俺のこと好き?」

真剣そうな声でそんなことを聞いてくるから、俺の体温は一気に上がってしまう。
よくそんな恥ずかしい質問できるよな。どれだけの女を口説いてきたんだよ、と皮肉でも言ってやろうと思い、アルフレッドを見上げると、意外なことに真っ赤になって目が泳いでいた。

「……嫌い…じゃねぇな」

あいつのがうつった熱い頬を隠すように俯きながらそう答えた。
アルフレッドは小さく「やった」と洩らして、俺の額にぐりぐりと顔を擦り寄せた。

そんなキングが、午後の仕事が手に付かずジャックに怒られ、残りの仕事を全て俺が処理したのは未だに笑い話となっている。
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つスコーン