Qが初めて仕事をする話
完全に拍子抜けしてしまって、体から力が抜ける。
「それは……どうも…」
俺の口から出た言葉は、さぞ覇気のない声だっただろう。そんなことはお構い無しに、ジャックは興奮気味に俺の仕事ぶりを褒め続けていた。
「まだもう少し出来るあるか?」
驚きつつも、はいと答えると、
「キング!お前んとこにあるのの右側の上からさっきの倍くらいを、クイーンの机に運んで欲しいある」
まだ俺の方を見ていたキングにジャックがそう言った。
「わかったんだぞー…。ねぇ、それが終わったら俺の隣にってのはどうだい?」
運びながらキングがそんなことを提案するが、
「ダメに決まってるある。クイーンはもしかしたら…いや、もしかしなくてもお前より正確に早く仕事がこなせるあるよ」
と一蹴されていた。そして、キングはまた不貞腐れた。
どうしてキングがそんなにも俺を隣に置いておきたいのかはわからない。だが、なんだか凄く和んだので、視線を感じる時は顔を上げて見ることにしようと思った。
仕事が3分の1終わった頃、視線を感じて顔を上げると、キングが優しい顔でこちらを見ていた。
が、俺が顔を上げたことに驚いて、肘のほうに置いてあった書類を落として床にばらまいた。
3分の2終わった頃、また視線を感じて今度はゆっくり顔を上げると、笑顔でこちらを見つめていた。俺は、何となく恥ずかしくなって、すぐに仕事に戻った。
全ての仕事が終わりそうな頃、またまた視線を感じて顔を上げると、ジャックからは書類の山で見えないようになっている位置で、手を振るキング。少し迷ってから、遠慮がちに手を振ってみた。何故か耳が熱い。そんな俺を見てキングは、とても嬉しそうに笑い、席を立ってこちらへと走ってきた。
俺も思わず椅子を引いて、立ち上がろうとしたところでキングが抱きしめてきた。
「も〜!!君はなんでそんなに可愛いんだい!!?」
「あ、え、キング……?」
キングの腕にすっぽりとおさまりながら、必死に何が起こったのかを考える…ダメだ。頭がぼーっとする。顔から火がでそうだ。
「キング…仕事してるクイーンを邪魔しちゃダメある」
恥ずかしさやらなんやらで、いっぱいいっぱいだった俺を救ってくれたのは、ジャックの呆れたようなその言葉だった。
キングは抱きしめる力を緩め、いい所だったのにと言わんばかりの顔をしながらジャックの方を向く。
「邪魔はしてないぞ!そんなことよりやっぱりこれが終わったら俺の隣にいてくれよ!何しててもいいから!」
最後の方は俺に言われた言葉だったのだが、俺の一存ではどうにも出来ないだろう。困ってジャックを見ると、
「あーもう!二人揃って我の方見るのやめろある!!それでいいからキングはクイーンを離して早く机に戻るよろし!」
と疲れたように言った。
「それは……どうも…」
俺の口から出た言葉は、さぞ覇気のない声だっただろう。そんなことはお構い無しに、ジャックは興奮気味に俺の仕事ぶりを褒め続けていた。
「まだもう少し出来るあるか?」
驚きつつも、はいと答えると、
「キング!お前んとこにあるのの右側の上からさっきの倍くらいを、クイーンの机に運んで欲しいある」
まだ俺の方を見ていたキングにジャックがそう言った。
「わかったんだぞー…。ねぇ、それが終わったら俺の隣にってのはどうだい?」
運びながらキングがそんなことを提案するが、
「ダメに決まってるある。クイーンはもしかしたら…いや、もしかしなくてもお前より正確に早く仕事がこなせるあるよ」
と一蹴されていた。そして、キングはまた不貞腐れた。
どうしてキングがそんなにも俺を隣に置いておきたいのかはわからない。だが、なんだか凄く和んだので、視線を感じる時は顔を上げて見ることにしようと思った。
仕事が3分の1終わった頃、視線を感じて顔を上げると、キングが優しい顔でこちらを見ていた。
が、俺が顔を上げたことに驚いて、肘のほうに置いてあった書類を落として床にばらまいた。
3分の2終わった頃、また視線を感じて今度はゆっくり顔を上げると、笑顔でこちらを見つめていた。俺は、何となく恥ずかしくなって、すぐに仕事に戻った。
全ての仕事が終わりそうな頃、またまた視線を感じて顔を上げると、ジャックからは書類の山で見えないようになっている位置で、手を振るキング。少し迷ってから、遠慮がちに手を振ってみた。何故か耳が熱い。そんな俺を見てキングは、とても嬉しそうに笑い、席を立ってこちらへと走ってきた。
俺も思わず椅子を引いて、立ち上がろうとしたところでキングが抱きしめてきた。
「も〜!!君はなんでそんなに可愛いんだい!!?」
「あ、え、キング……?」
キングの腕にすっぽりとおさまりながら、必死に何が起こったのかを考える…ダメだ。頭がぼーっとする。顔から火がでそうだ。
「キング…仕事してるクイーンを邪魔しちゃダメある」
恥ずかしさやらなんやらで、いっぱいいっぱいだった俺を救ってくれたのは、ジャックの呆れたようなその言葉だった。
キングは抱きしめる力を緩め、いい所だったのにと言わんばかりの顔をしながらジャックの方を向く。
「邪魔はしてないぞ!そんなことよりやっぱりこれが終わったら俺の隣にいてくれよ!何しててもいいから!」
最後の方は俺に言われた言葉だったのだが、俺の一存ではどうにも出来ないだろう。困ってジャックを見ると、
「あーもう!二人揃って我の方見るのやめろある!!それでいいからキングはクイーンを離して早く机に戻るよろし!」
と疲れたように言った。