第2章 ~蔵馬side~
気が付くとオレは、自室のベッドで横になっていた。
目が痛い。腫れている。重い身体を起こし、洗面台で顔を洗う。冷たい水が気持ちいい。
顔を拭いて鏡を見ると、何とも言えない自分の顔が写る。
酷い顔だ。こんな顔では飛影に会えない。
――あぁ、そうだ……飛影はもう――
――いや、待て待て。オレは何を考えている?飛影が何だって?そんな訳無い。飛影は死んでなんかいない。ちゃんと生きてる筈。今日も魔界で、軀の部下達と一緒にパトロールをしている筈だ。
会いに来ないのは、オレが無理矢理に犯してしまったからだ。そうに違いない。
そう自分に言い聞かせたその時、ギィッと音を立てて、幽助が部屋の中に入ってきた。表情は暗く、どこか寂しそうだった。
「蔵馬……その、なんて言っていいか……オレも桑原も、まさかこんな形で飛影と別れることになっちまうなんて……」
「飛影と……っ……」
わかっていた。でも認めたくなかった。オレがその言葉を口にしたら、もう飛影は帰って来てくれない気がして、口に出すのが怖かった。
認めたくない。そんな話聞きたくない。
何?幽助、何言ってるの?飛影と別れる?別れるって、何?
だって、ついこの前までは凄く元気で、オレの部屋に来てくれてたんだよ?
無理矢理になってしまったけど、愛し合った。何度も何度も唇を重ね、何度も何度も肌を重ねた。
飛影は怒って出ていってしまったけど…でも、飛影が簡単に死ぬ訳が無いんだ。
そうでしょう?飛影……。
「幽助……一体何の冗談ですか? 縁起でもない事言わないでくださいよ」
オレは、少しにこやかに言った。一瞬だけ寂しそうにした顔を、見られたくなかったから。
幽助は、そんなオレを見て、目を丸くしていた。一体何に驚いているのだろう。オレは何か変な事言っただろうか。
そうだ、オレは何も変な事は言ってない。飛影は生きてる。生きてる筈なんだ……だから頼む。
何も言わないでくれないか……。
信じられない。
信じたくないんだ……。
「蔵馬……オレだって信じたくなかった。飛影が死んじまったなんて、仲間として、ダチとして、堪えらんねぇ。でも仲間だから、ダチだからこそ、受け止めてやらなきゃ……いけねぇんじゃねぇか……?」
「やめてください……聞きたくないっ……。飛影は、生きてる……生きてる筈なんだっ!!」
オレはもう何が何だか分からなくなって、幽助に向かってひたすら否定の言葉を叫んでいた。
“飛影の死”を認めたくなくて、信じたくなくて。
目が痛い。腫れている。重い身体を起こし、洗面台で顔を洗う。冷たい水が気持ちいい。
顔を拭いて鏡を見ると、何とも言えない自分の顔が写る。
酷い顔だ。こんな顔では飛影に会えない。
――あぁ、そうだ……飛影はもう――
――いや、待て待て。オレは何を考えている?飛影が何だって?そんな訳無い。飛影は死んでなんかいない。ちゃんと生きてる筈。今日も魔界で、軀の部下達と一緒にパトロールをしている筈だ。
会いに来ないのは、オレが無理矢理に犯してしまったからだ。そうに違いない。
そう自分に言い聞かせたその時、ギィッと音を立てて、幽助が部屋の中に入ってきた。表情は暗く、どこか寂しそうだった。
「蔵馬……その、なんて言っていいか……オレも桑原も、まさかこんな形で飛影と別れることになっちまうなんて……」
「飛影と……っ……」
わかっていた。でも認めたくなかった。オレがその言葉を口にしたら、もう飛影は帰って来てくれない気がして、口に出すのが怖かった。
認めたくない。そんな話聞きたくない。
何?幽助、何言ってるの?飛影と別れる?別れるって、何?
だって、ついこの前までは凄く元気で、オレの部屋に来てくれてたんだよ?
無理矢理になってしまったけど、愛し合った。何度も何度も唇を重ね、何度も何度も肌を重ねた。
飛影は怒って出ていってしまったけど…でも、飛影が簡単に死ぬ訳が無いんだ。
そうでしょう?飛影……。
「幽助……一体何の冗談ですか? 縁起でもない事言わないでくださいよ」
オレは、少しにこやかに言った。一瞬だけ寂しそうにした顔を、見られたくなかったから。
幽助は、そんなオレを見て、目を丸くしていた。一体何に驚いているのだろう。オレは何か変な事言っただろうか。
そうだ、オレは何も変な事は言ってない。飛影は生きてる。生きてる筈なんだ……だから頼む。
何も言わないでくれないか……。
信じられない。
信じたくないんだ……。
「蔵馬……オレだって信じたくなかった。飛影が死んじまったなんて、仲間として、ダチとして、堪えらんねぇ。でも仲間だから、ダチだからこそ、受け止めてやらなきゃ……いけねぇんじゃねぇか……?」
「やめてください……聞きたくないっ……。飛影は、生きてる……生きてる筈なんだっ!!」
オレはもう何が何だか分からなくなって、幽助に向かってひたすら否定の言葉を叫んでいた。
“飛影の死”を認めたくなくて、信じたくなくて。