その日の夜、サスケは昼間シカマルに言われた事について1人で考えていた。

『お前のせいでヒノカに迷惑がかかる』

「…………………」

サスケは自分が女子に好かれているとう自覚は嫌というほどある。

しかし、その自分が彼女に接する事により、彼女自身に何か迷惑がかかるという事まで考える事ができなかった。

（ただ、何かしらアイツとの、ヒノカとの接点が欲しかった、こじつけでもいい、アイツと関わりたかった）

だが、それはヒノカ傷つける事になってしまったようだ。

「………ヒノカ」

そっと呟くとなぜだが幸せが込み上げてくる様な感覚におちいる。

思い浮かぶのは教室の端でバカ騒ぎする連中に混じって楽しそうに笑うアイツの顔と声。
いつからだ、アイツを目で追うようになったのは。オレはいつからこんなにも執着している。

何故と問われれば明確な理由は言えないかもしれない、だが、この想いは嘘偽りないものである事は確かだ。

「ヒノカ…………」






「ぶぇっくしょい!!!!」
「おいおい、大丈夫かよ」
「ん"ー、きっとカカシ先生が寂しがってるんだな」

その頃、ヒノカは奈良家を後にシカマルと一緒に自分の家へ帰宅していた。

「ごめんね、シカマル、送ってもらって」
「別に、めんどくせぇけど、なんかあるより良いだろ、んじゃ、風邪ひくなよ」

そう言うと、来た道を戻るシカマル。

「シカマルも気をつけてね!!!また明日!!」

とシカマル背中に叫べば、こちらを振り向きはしないものの片手をひらひらとさせて返事をした。

「ふふっ、猫みたい」

シカマルが見えなくなるのを確認すると、自分も家の中へと入る。

「さ、明日も頑張ろー」