「あ、シカマルお皿ってどれ使っていい？」
「どれでも、どんなの使うんだ？」

所変わって、ここは奈良家。
ヒノカは今シカマルの家のキッチンに立っている。

「悪ぃなヒノカちゃん」
「へ？」
「晩飯、作ってもらう事になってよ」
「あぁ！全然いいんですよ！逆に私の方こそお家にお邪魔する事になってすいません…」
「それこそ気にすんなよ、な、シカマル」
「何でオレに降るんだよ…まあ、オヤジの言う通り、別に気にするこたぁねぇよ、それに、お前も帰ったらまた1人だろ？」
「ありがとう、先生も忙しいよねぇ…」

はあ、とこぼれるため息。

実は、カカシは先程暗部の者に呼ばれ火影邸へと言ってしまった。
夜には帰ってくるらし事は言っていたが、たぶん明日だな、とヒノカは内心ため息をついた。

そして、なんとも奇跡的なタイミングでシカマルの母が今日は友人と出掛けていないので、家に来てはどうか、とシカクに誘われたのだ。

「手際いいな」
「まあ、毎日やってるから、かな？」
「ふーん…大変だな」

ただ待ってるだけはなんだか居心地が悪いという事で、ヒノカの手伝いをしていたシカマルは彼女の手際の良さに少しばかり驚いた。

「まあね！さて、出来た！ごめんね、シカクさんに出来たって言ってくれる？」
「おう、おいオヤジ！出来たぞー！早く上がってこいよ」

庭先でいつの間にか鹿の世話をしていたシカクに声をかける。

「お、カレーか、シカマル、ビール出してくれ」
「たく…程々にしとけよ、母ちゃんに怒れるから」
「わーってるよ」
「あ、シカクさん、お台所お借りしました！」

キッチンから戻ってきたヒノカが、ありがとうございますと言った。

「おう、いいって事よ！」
「ん、オヤジ、持ってきぞ」
「お、サンキュー、さて、いただきますか」
「はい！冷めない内にどーぞ！」
「「「いただきます」」」

皆テーブルに揃い、食事の挨拶をして、食事を始める。
ヒノカは2人が食べる様子を見守った。
2人の口に合うかが心配だったのだ。

「！美味いな！カカシの野郎いつもこんな美味いの食ってるのか」
「美味い、お前料理うめぇな」
「良かった」

どうやら2人の口に合ったようで、一安心。
余程気に入ってくれたらしく、2人ともおかわりをしてくれた。

「ごちそうさん……久しぶりに超食った………」
「はー…美味かった、ありがとなヒノカちゃん」
「いえいえ、美味しかったなら良かったです！」
「後片付けは俺とシカマルがやるから、のんびりしててくれ」

そう言って、皿を持ってシカマルとキッチンへと行ってしまった。

「おう、シカマル」
「なんだよ」
「さっさと捕まえとかないと、あんないい子、誰かさんに取られちまうぞ」
「……は？」
「1番の難関はカカシだろうなぁ……ま、頑張れ」

それだけ言うと、シカクは冷蔵庫からビールをもう一本取り出して、居間へと戻っていった。

「確かに、カカシ先生は手強いな………つか、オッサンはすぐそういう話に持っていくよな
、って片付けねぇのかよ………あのやろう」