その日の帰り道、ヒノカはかなり浮かれていた。
理由は久しぶりにサスケに膝をつかせて組手を終わらせたから。最近はサスケの方が優勢で少しばかり悔しいと感じていたので、正直に嬉しかったらしい。

鼻歌交じりに機嫌良く歩いていた。
すると、目の前のぬうっ、と影が現れた。

「よぉ、随分と機嫌良さそうじゃねぇの」
「うわぁ！！わぁっわっ！！！」
「ちょっと、シカクさん、ヒノカはそうゆうの弱いんですから…」
「先生？！」

影の正体は逆さまの奈良シカクだった。その後ろからはカカシが現れた。

「な、何で、どしたの??」
「火影様の所に報告しに行った帰りなのよ」
「あぁ…成程」
「それで、お前らを見つけたってわけ」
「お前ら？」
「おら、何してんだ、さっさと降りてこい」
「めんどくせえな……つか、オヤジいい歳してやる事がガキだな」
「シカマル！！」

お前"ら"とは、シカクはいったい何を言っているのだろうと、ハテナを浮かべていると、シカクと同じ木からシカマルが降りてきた。

「よお、悪かったなうちのオヤジが」
「何でシカマルもいるの？」
「校門の所で一緒にいるの見つけてね、別れた時を見計らってシカクさんがシカマルを連れてきたってわけ」

いつの間にやら横に立っているカカシが説明をしてくれた。
シカマルがその時の事を思い出してか、眉間にシワを寄せ、シカクを睨んだ。

「たく、コイツ変化の術なんかで知らねえ奴になってるから人攫いかと思ったぜ……」
「ん、その方が面白いだろ？」
「めんどくせえ……」