アカデミーは昼休みを終え、午後の授業に入った。

「午後は男女合同で組手を行う！各自で自由に組んでよし！始めっ！」

イルカ先生の合図で各々動き出す。
だいたい仲の良いもの同士で組んで、組手を始める。
ヒノカはアカデミーの授業の中でもこの授業が別段好きだった。

何故過去形なのかはこの後わかるであろう。

ヒノカは急いでいつものメンバーを探す。
すると、向こうも探していたらしく、まずキバが気づいて手を振り、それに気づいたシカマル、ナルト、チョウジもこちらへと歩きだした。

「良かった…」とヒノカも皆と合流しようとする。すると、誰かに手を掴まれた。

「ﾋｨｯ！！」

誰かはすぐに予想がついた。
振り向けばひどく整った顔が1つ。

そう、手を掴んでいるのは、あのうちはの生き残りである、うちはサスケだった。
以前、先生が対戦相手を決める組手の授業の際に1度だけ彼と当たった事がある。
その時はお互いに互角で、時間内に勝負が着かず、結果は引き分けとなった。
その後からだ、自由組手の授業の際は必ずヒノカを相手に選ぶのだ。

「俺と組め」
「あ…あ、え、えと…えと……」

最初は嬉しかった。あのうちはと互角に戦えた事が、そして何よりサスケが自分から、戦いたい、と言ってくれる事が、まるで私ライバルと言ってくれている様な感じがして。

だが、女子からの評価は酷くなっていった。
最近はヒノカへのあからさまな嫌味や嫌がらせ、今まで言われなかった、いけてねーズとの関係も言われるようになり、八方美人やら男好きやら、言われる始末。

そんなこんなでヒノカは組手の授業があまり好きじゃなくなった。

「おいおいおい、サスケ君よぉ、コイツはオレと組むんだけどぉ？？」
「お前ばっかいっつもヒノカちゃんと組やがてズリぃぞ！！オレとも組みやがれ！！」
「知るか、オレの相手が出来るのはコイツだ、お前らみたいなドベが相手になるわけ無いだろ」

キバとナルトが突っかかるが特に相手にせずヒノカの手を引き歩き出すサスケ。

「あんのやろーっ！！！」
「ムッカー！！！！ぜってえぶん殴ってやるってばよ！！！」
「おいおい、お前ら一旦落ち着け、めんどくせえな……たく、おいサスケ！」

シカマルが2人をなだめ、サスケを呼び止める。が、まあ止まる訳も無かった。
そのため、ヒノカが歩みを止め、強制的にサスケを止める。

「あ、サ、サスケ君、シカマル、シカマルが呼んでるよ……」
「…………」

止まった事を確認すると「ほんとにめんどくせえ奴だな……」と、早足でサスケの元へ向かった。

「お前がコイツに執着するのはいいけどよ、その性でヒノカに迷惑掛かってるのも忘れんなよ…んじゃな」

それだけ言うと帰って行くシカマル。