（相変わらずのスルースキル…そして女子の熱量）


そんな様子を自分の席から眺めていたヒノカは周りの女の子熱量に圧倒される。
すると、サスケがふいにこちらを見た。

（やばい、見すぎたかな…）

気まづくなり、ぎこちなく笑うとサスケは、ふい、と顔を逸らしてしまった。

「あらま……まいっか」

相手がサスケなのでさほど気にすることも無く、いつものクールなサスケ君、と考える事にした。

教室にはいつものメンツが集まり、賑わった。

そして、ついに試験が始まった。
皆順調なようで、木の葉マークの額当てを手に嬉しそうに試験の教室から出てくる。

（皆順調だな………）

緊張していると順番は早いもので、もう次はヒノカの番だった。

「ヒノカ、大丈夫だよ、ヒノカならできるって」
「チョウジ…ありがとね」
「そうだぜぇ、なんたって、イケテネーズ1の秀才だからな!!」
「おいキバ、ヒノカまでイケネーズに入れてんなよ……ま、あれだ、緊張し過ぎるなってところだな、いつも通りやってこい」
「そうだってばよ！ヒノカができねぇはずがねぇってばよ!!」

「キバ、シカマルにナルトも、ありがとう、頑張るよ!」

皆の声援を背をに隣の教室へと向かう。

「おいヒノカ」
「サスケくん、帰ってなかった？」
「あぁ………」

廊下に出ると既に合格したサスケがいた。

「………待ってるぞ」
「!!…うん待ってて、私も必ず合格してくるから」

サスケは少し顔を赤らめながら、ボソっと呟いた。
その姿がなんだかいじらしくて、先程までの緊張が少し和らいだヒノカだった。

「お、ヒノカ、もう準備できたか？」
「イルカ先生!!はい、大丈夫です!!」
「よし!じゃあ、教室の中に」
「はいっ!!」

中に入る前にチラリと見たサスケは優しい眼差しをしていた。

(へえぇ、サスケ君あんな顔できるんだ……)