「そういえば、ヒノカのアカデミーでの話もイルカからよく聞くぞ、あの子は勉学に忍術、両方のバランスが良い器用な子だそうじゃな」
「えぇ、それに、仲間思いのとてもいい子です」
「あぁ、その通りじゃ…」

カカシの表情からは、本当にヒノカの事を大切に思っているのだろうと伺えた。

（こやつに預けて正解だったようじゃな）
「そろそろアカデミーの卒業試験じゃが、準備はできているのか？」
「？ヒノカならなんの問題もありませんヨ？」
「違うわっ!!!お主じゃカカシ!!!」
「え？俺ですか？」

話を聞いとらんな…、と頭を抱える3代目。
そんな様子を見ても尚頭に？浮かべるカカシにため息を1つ着いて話し始める3代目。

「この前話したじゃろう、今年は厄介な班を持ってもらうと」
「あぁ…」
「まったくお主は……ﾊｧ」
「ま、まあまあ！大丈夫ですよ！どんな奴らでも、俺はいつも通りやるだけですヨ」

いつも通りやるだけ、そう言ったカカシの目はどこか悲しげだった。

「……任せたぞ」
「はっ」





それから日は過ぎていき、ついにアカデミー卒業試験の日になった。


（いろいろあったけど、ついにこの日がきた…!!）


試験までの１ヶ月間ヒノカ本当にいろいろな事があった。
特にサスケ関連である。挨拶をされた日からちょくちょく話しかけてくるようになったり、ヒノカが登校してからすぐ後にサスケが来たり、何かにつけて修行を共にしたりしていた。1番大きい変化は女子のあからさまな嫌がらせが減ったという所だ。サスケと共にいる時間が長い分、自分たちのやっている事がサスケにバレかねないと、大人しくなったようだ。

まあ、この話はまた今度にするとしよう。

「よお」
「?!サスケくん!!おはよう、今日も早いね」
「お前もな」

いつものように挨拶を済ませ、ナチュラルに隣に座るサスケ。

「緊張するね」
「しねぇよ」
「ふふっ、サスケくんらしいね」

サスケとヒノカは結構仲良くなったようで、今までサスケに対し少しビクビクしていたヒノカは普通に接する様になり、サスケの雰囲気もどこか柔らかくなった。

「…お前なら楽勝だろ、気負うな…」
「うん、ありがとう」

それから2人きりの教室で暫くすごし、生徒がまばらに登校すると、サスケが自然と自分の席へと向かう。
すると秒で女の子達がサスケを取り囲む。

「サスケくーん!!おはよー!!」
「試験ドキドキだねぇー!!」
「でもサスケ君なら楽勝だよね!!!」
「………………」