いつの間にやらライブも終盤、楽しい時間はあっという間だ。

『もうすぐ終わっちゃうんだけどさ』

えええええぇぇぇぇぇーーーー!!!!
会場全体からのブーイングに至極楽しそうに笑うGACKT

『今日は皆で写真、撮ろう』

袖からスッタフが出てきて準備をし、メンバーや会場の人(特に女性陣)も準備を始める。

「はい！撮りますよー!!!」

『準備はよろしいかぁー!!!!』

かしこまりぃーーー!!!!!

いつの間にか性徒会長の掛け声に。

集合写真を撮り、アンコールを終え、これにてゲリラライブはお開き。

「はぁあああ……楽しかったぁ………」

余韻に浸りながら、とりあえず初ドセンの記念に自分の足元と柵を写真に撮り、会場を後にする。
会場から少し離れた場所でスマホの電源をつければ仲のいいloversからの凄まじい数のリプ。
リプライの内容はだいたい「はぁ?!今から行くわ!!!!」「最前空いてる?!」「電源切りやがったな!!!!」などなど。


『ドセンでGACKT様拝んできた、みんなサヨナラグッバイ、』

と先程撮った写真と一緒に呟き、動こうとしたら人とぶつかってしまった。

「っと、ごめんなさい」
「すいません、ってななしじゃん！」
「うそ、やっだ!!ひろ君!?」

ぶつかった人はどうやらななの知り合いで、中学の同級生の寺戸宏紀(てらどひろき)だ。

「うわぁ、久しぶりー、なんか喋り方おばさんぽい」
「失礼なやっちゃねー…まぁいいや、久しぶりだねぇ、成人式以来かな?」
「そうだな、2年ぶりか、てかお前さっきのゲリラいた?!」
「いたいたいた!!!!!しかもドセンだよっもう、うおあっーーーーーーー!!!!」
「はぁお前ふざけたァ、どうせゲリラ告知入る前からここいたんだろ」
「ごもっとも」
「GACKTだって気づいたらLINE入れろしっ」
「いやぁ、こっちいるとは思わないからさぁ、間に合わないのも可哀想だし?」
「このやろーっ」

傍から見るとケンカしている様にも見えるが、本人達にとってはただのじゃれ合い、コミュニケーションだった。二人とも出身が語気が強い所なので、テンションが上がると余計にケンカしているように見えるのだとか。

「どっか寄ってかね?」
「いいねー、語らおうではないか!!」

昔馴染みに会って話したい気持ちとライブについて思いを共有したい気持ちとで、二人は仲良く近くのファーストフード店へと入っていった。

そんな二人を遠巻きに見つめる誰かいるとも知らず。





オマケ→