「何かあったかいななちゃん?」
「うわぁっマスター!?」
「ん?あれ、GACKTさん早いね、開店前だけど、中入るかい?」
「ん、うん、入る…」
「「あ」」

突然のマスター登場により、意識をそちらに持っていかれ、Mr.アルマーニから目を離してしまった二人は彼がいた場所をもう1度振り返った。が、

「逃げやがった」

案の定逃げられていたようだ。

「?逃げた?何が?」

1人状況を把握していないマスターは頭に??を浮かべる。

「店の中で話そうか」
「は、はい、え、え?」

あの、話すって!?なんて言ってるななを後ろにスタスタと店に入っていってしまう、GACKTとマスター。









「「「「ストーカー!?!?」」」」
「た、たぶん………」

皆が一斉におどろき、その迫力に気圧されるなな。

今の状況を説明すると、ななが店のスッタフ達に囲まれていて、その隣ではGACKTが既に飲んでいた。

そして何故こうなったかというと、店に入って開口一番GACKTが「なながアルマーニの男にストーカーされてる」と言って、スタッフ達に取り囲まれていたのだ。

「何で早く言わないの!!」
「お前一人暮らしで余計危ねぇだろうが!!!」
「何かされてない?」
「誰にも相談しなかったの?!」
「ま、まって!!まって!!!1回落ち着こ、ね!」

一気に話しかけられ、頭が混乱する前になんとか皆を止める。
そして、今の自分の状況を説明する。

「とりあえず、家には隠しカメラとか盗聴器があると、思う、てかあった……たぶんまだ幾つかある、かな…で、手紙がよく来る、Mr.アルマーニの中では私達はもう結婚するらしい……」
「「「「はぁ?!!?!!」」」」

何それ怖っ、何でそこまでほっといたし、気持ち悪いな、など、スタッフはそれぞれ反応した。

「いつからストーカーされてたわかるかい?あとは何か身に覚えとか」
「わからないです……あ、でも、最近は店に行けていないって、手紙に書いてあったから、もしかしたら、お客様かも……」

と言って、自分で青ざめた。

「え、ちょ、顔真っ青だけど大丈夫?」

スッタフの1人に顔を覗き込まれる。相当青い顔をしているようだった。

「て、手紙…」
「手紙?」
「あの手紙、いつもCANDYの匂いしてた…」
「お、おう?」
「よく、私に注文してたお客様も、いつも、アルマーニ着てて…CANDYの、匂い、してた……」

その場にいた何人かが、ﾋｯ 、と声をもらした。

「完全そいつじゃん!!」
「いやでもまだわかんないよ?!!」
「たぶんあれだよね、カウンターの一番端によく座る人」
「う、うん」
「その人よくななちゃんの事見てたよ」
「うそ、やだ」

皆であーだこーだと話していると

「よし!」

と、今まで黙っていたGACKTが手を叩き口を開いた。

「どうしました、GACKTさん?」
「今からななの家行こ」
「はい?」
「僕のものに手ぇ出すなんていい度胸してるよ」

GACKTはロックグラスの中身を一気に飲み干し

「ぜってぇぶっ潰す」

と一言。












おまけ

ズバズバ言う系のスッタフとの会話。

「あんたほんとになんか身に覚えないの?」
「え?ごめん、何に?」
「ストーカーよ!!!ストーカー!!!」
「あぁ!!Mr.アルマーニね」

(((Mr.アルマーニ……)))

「あんたそのネーミングどうよ……」

(((あいつツッコミやがった!!)))

「え、どう、と言われても…わかりやすいでしょ?」
「あんたって子は……」