「ところでさ」
「?」
「ここ来る途中で君の家の前に変な男いたよ、なんか箱持ってた」
「へ?あ、あ、えと、ゆ、郵便屋さんとか配達の方じゃなくて?」
「たぶんあれ、アルマーニのスーツだと思うよ」
「ア、ｱﾙｯ、アルマーニ?！」

うん、全身アルマーニで固めてた。としれっと言うGACKT。
自分でも分かるほどに顔がさぁっと青ざめた。
アルマーニのスーツなんてそこら辺の安月給が買える代物ではない。

「誰か知り合い?」
「私の知り合いでアルマーニが買えるのはGACKTさん位かと」
「ふぅん、じゃあ、なんでここいんの?」

君の家の前にいた奴、と、GACKTの指差す方を見ると

「ﾋｨ!?!!Mr.アルマーニ!?!!」


だてにセレブ御用達の店で働いてるわけじゃない、ななもある程度目が利く。
ネーミングセンスは微妙だが…

ザッと見たところ、あの人の身ぐるみはいで売ったら、結構な額にはなりそうな全身ブランド男だ。しかし趣味は決して悪くなくセンスは良かった。
が、手に持っている物が些か不釣り合いであった。
彼が手に持っているものは、高性能な一眼だった。

(ど、どどどどどどうするよ?!ケーサツか?!サツ呼べばいいのか?!!いや、まてここで呼んで大騒ぎになったらどうするよ、店に迷惑かかるよ!!!頼むから帰ってくれよMr.アルマーニ!!!)

1人脳内でパニックを起こしていると、GACKT先に行動を起こした

「ねぇ、アンタ何してるの」
「」(絶句)

あんたが何してんだ!!!!!!

流石というか、なんというか怖いもの知らずの超一流芸能人だ。