出会い
先程までいた廊下から移動し案内された先の応接間に着くと、途端に二人の雰囲気が変わりあのヘラヘラとした顔が引き締まった…のも一瞬だった。
「改めてはじめまして、私はホルティス。一応この街の、いや世界の王というとこになっている。」
「………ロラン・メルクートです。」
「いやぁ、外から来た人間なんてとても久しぶりだなぁ!あの街を見てどう思った?とても驚いたろう。なんせこの僕が仲間たちと200年かけて……ああいや、この話は長くなるからチェインにでも聞いてくれ。本題に入ろう。」
ロランが名を言い終わった途端、怒涛の勢いで喋り始めたホルティス。しばらくどうでもよさそうな愚痴を吐いていたかリンメルの目がまるでそんなことはどうでもいい、早く本題に入れとでも言うように冷たく鋭くなったところを見てしまい途端に真面目な顔に戻る。同様のものを横から見てしまったロランはこれからは絶対に迷惑をかけないようにしようと心の中で誓った。
「さて、チェインの報告だとロランは外の人間に囚われていた住民と一緒に保護したということだが間違いないね?」
「ああ」
「ついでに厄介そうな体質だから連れてきたと…」
「そうだよ、何か問題でも?」
「いやぁ、問題は無いよ?」
ホルティスの何か言いたげな表情につい力んでしまう。ゴクリと唾を飲み込み言葉を待つ。
「………でも君、この子の事ちゃんとお世話できるの?あんなに生活力ないのに?」
(………え?なんだそれ?)
まるで捨て猫を拾ってきた子供にいうようなセリフだった。
この男にとってロランは知り合いの拾ってきた猫と同じなのだろうか。ホルティスの表情は本当に心配している顔で、冗談でもなんでもなく心の底から思っている事だとわかる。
「嫌だな、そんなことを気にしているのかい?心配いらないよ、世話をしてもらうのは私の方だからね」
(え、ぇぇえええ!そんなこと初耳だ!)
驚いた。とても驚きすぎて口がカパっと開いてしまった。今の自分は絶対に間抜けズラだ。
「む、無理ですよ!僕ここのことまだ何も知りません!あなたの事もです!」
「だからだろう?」
慌てて拒否する。何を言っているのかさっぱりだった。
「君はこの世界の事を早く知る必要がある。生きるために。それには手っ取り早く何かをすることがいい。」
君はこの世界の事を学び、私は世話を焼かれる。一石二鳥で素晴らしいじゃないか。そう言って笑ったリンメルの顔はまさに名案だというように輝いでいて本気で言ってることがわかる顔で、自分ではどうにもできないであろうと悟り反論する気持ちがしぼんでしまった。
「………分かりました。これからは僕があなたのお世話係になります。よろしくお願いします」
(こうなったらとことん流されてやる。どうせ今の僕にわかることなんてないんだ)
一つため息をこぼし、了承した。完全に押し切られてしまった。
「じゃあロランくんがチェインの世話をするということで決定だね。ま、今回は顔合わせだけで特に用もないしもう帰っていいよ」
「らしいよ、ロラン。そうだ、街を案内すると言っただろう?おいで」
面談が終わった途端手を引かれて引っ張られる。グイグイと引かれるがせめてもの礼儀としてホルティスの方を振り返りお辞儀をする。彼はニコニコと手を振っていた。くるりと前を向くとリンメルははやくはやくと待ちきれない子供のような顔をしていて外見に似合わず少し子どもっぽいなと思う。
「改めてはじめまして、私はホルティス。一応この街の、いや世界の王というとこになっている。」
「………ロラン・メルクートです。」
「いやぁ、外から来た人間なんてとても久しぶりだなぁ!あの街を見てどう思った?とても驚いたろう。なんせこの僕が仲間たちと200年かけて……ああいや、この話は長くなるからチェインにでも聞いてくれ。本題に入ろう。」
ロランが名を言い終わった途端、怒涛の勢いで喋り始めたホルティス。しばらくどうでもよさそうな愚痴を吐いていたかリンメルの目がまるでそんなことはどうでもいい、早く本題に入れとでも言うように冷たく鋭くなったところを見てしまい途端に真面目な顔に戻る。同様のものを横から見てしまったロランはこれからは絶対に迷惑をかけないようにしようと心の中で誓った。
「さて、チェインの報告だとロランは外の人間に囚われていた住民と一緒に保護したということだが間違いないね?」
「ああ」
「ついでに厄介そうな体質だから連れてきたと…」
「そうだよ、何か問題でも?」
「いやぁ、問題は無いよ?」
ホルティスの何か言いたげな表情につい力んでしまう。ゴクリと唾を飲み込み言葉を待つ。
「………でも君、この子の事ちゃんとお世話できるの?あんなに生活力ないのに?」
(………え?なんだそれ?)
まるで捨て猫を拾ってきた子供にいうようなセリフだった。
この男にとってロランは知り合いの拾ってきた猫と同じなのだろうか。ホルティスの表情は本当に心配している顔で、冗談でもなんでもなく心の底から思っている事だとわかる。
「嫌だな、そんなことを気にしているのかい?心配いらないよ、世話をしてもらうのは私の方だからね」
(え、ぇぇえええ!そんなこと初耳だ!)
驚いた。とても驚きすぎて口がカパっと開いてしまった。今の自分は絶対に間抜けズラだ。
「む、無理ですよ!僕ここのことまだ何も知りません!あなたの事もです!」
「だからだろう?」
慌てて拒否する。何を言っているのかさっぱりだった。
「君はこの世界の事を早く知る必要がある。生きるために。それには手っ取り早く何かをすることがいい。」
君はこの世界の事を学び、私は世話を焼かれる。一石二鳥で素晴らしいじゃないか。そう言って笑ったリンメルの顔はまさに名案だというように輝いでいて本気で言ってることがわかる顔で、自分ではどうにもできないであろうと悟り反論する気持ちがしぼんでしまった。
「………分かりました。これからは僕があなたのお世話係になります。よろしくお願いします」
(こうなったらとことん流されてやる。どうせ今の僕にわかることなんてないんだ)
一つため息をこぼし、了承した。完全に押し切られてしまった。
「じゃあロランくんがチェインの世話をするということで決定だね。ま、今回は顔合わせだけで特に用もないしもう帰っていいよ」
「らしいよ、ロラン。そうだ、街を案内すると言っただろう?おいで」
面談が終わった途端手を引かれて引っ張られる。グイグイと引かれるがせめてもの礼儀としてホルティスの方を振り返りお辞儀をする。彼はニコニコと手を振っていた。くるりと前を向くとリンメルははやくはやくと待ちきれない子供のような顔をしていて外見に似合わず少し子どもっぽいなと思う。