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花簪―HANAKANZASHI―

「その二つ名は私がつけたんじゃないわ」
そう言うとキューティー・ブランシュは手に神楽鈴を持ち、鳴らした。
リン……リン……
涼やかな音が鳴る。
その音を聞いていると、なぜか安心出来た。

が、どうやらディグリーには不快な音だったらしく苦悶の表情を浮かべている。
「く……ぉぉ……」
輝く星ブリエ・エトワール!」
真っ白な光がその場を包み込み、そしてディグリーは断末魔の悲鳴をあげる。
「ぎゃああああ!」
そして光が消えた後には、何の姿もなかった。

「大丈夫かしら?」
キューティー・ブランシュが聞いてくる。
「は、はい……ありがとうございます」
お礼を言ったところで、ポットが割り込んできた。
「ブランシュ様!この子、マジカルラルムの持ち主ッスよ!」
「え?あら、そう……でも、この子はまだ……」
キューティー・ブランシュは少し考えた後に尋ねてきた。
「あなた、ここの生徒?」
「あ、はい。今年から編入で……今日から寮にお世話に……」
「ふうん。まぁいいわ。ついてきて」
そう言うとキューティー・ブランシュの体がパァッと光り、そこに現れたのは自分が編入する聖アストラエア女学園の制服を着た銀髪の姫カットのお姉さんだった。
「……はぁ、え?」
戸惑うえりなに対しお姉さんは、
「ほら、いらっしゃい」
とえりなの手を握り引いて歩く。

そして、スマートフォンとは似ているけどちょっと違う端末で、どこかにコールする。
「……あ、楓子ふうこ?悪いんだけど、緊急招集よ。え?レポート中?いいから来なさい。寮の私の部屋よ。それとみんなを呼んでおいて」
相手の返事を待たずに通話を打ち切った彼女は、えりなの手を引き寮へと向かっていった。
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