魔法少女とは、その魂にマジカルラルムという光の欠片を宿し、世のため人のためほんの少しだけ自分のため、その力を使うように創られた、いわゆる魔法使いの亜種である。

変身後は「美しい人間の少女」の姿になり、生物の限界を超える身体能力と1人1つの特殊な能力「魔法」を手に入れる。

優しく、可憐で美しく、強い心を持ち、けっして諦めず人間を守る。

しかしその魔法少女は人前に姿を現すこともなければ、活躍が表に出ることも滅多にない。

しかし事故で出てしまった場合は魔法の国が処分する。

まあ事故以外では、テレビアニメやマンガといった形で宣伝して発表されることもあるが。

私も小さい頃は魔法少女というものが好きだった。
キラキラと輝き、誰かのために願いを叶える。
敵がいれば美しく戦う。
素直に言えば憧れていた。
でも私ももう中学3年生だ。
現実を見なければ。

父は生まれた時からいなかった。
そして母を事故で亡くし、ひとりぼっちになってしまった私は、全寮制の超お嬢様学校に編入した。
学費は免除。
それだけの成績はあった。
そして、初めてその学校に向かう春休み、それは突然に起こった。
私の日常はこの日を境にまるっきり変わってしまったのだ。