1.緋き桜の咲く頃に
「百合軍第1ドール、緋桜。ボクのことだ。第2ドール蛍菊 、第3ドール葵 、第4ドール桐 、第5ドール繻子蘭 、第6ドール鞘茜 、第7ドール月晶石 。この7体が百合軍さ。さっきも言った通りボクは離反して今ここにいるわけだけど」
「お前達も、その……不思議な力を使えるのか?それには、人間との契約が必要なのか?」
「ああ、そうだよ。何しろ至高の少女を目指す者達を壊そうとしていたんだよ。それに、契約だったね。たしかに人間と契約していないとほとんど力を使えない。」
とは言っても、と緋桜は肩をすくめる。
「妹達は昔のボクがそうだったようにリーリエと契約しているけどね」
「そうなのか……」
「ねえ」
ずっと黙っていた蒼星石が、警戒心を露わにして話に入ってきた。
「なんだい?」
緋桜はその攻撃的な視線を軽く受け流して訊く。
「君は……離反してきたと言ったけど、それは本当なの?そう言って油断させて僕達を一網打尽にしようとは考えていないの?」
「そ、そうですぅ!お前が翠星石達の敵じゃないっていう証拠はあるですか!」
緋桜はやれやれ、という風に首を振ると答えた。
「ひどいなぁ……無理もないけど。でもついさっき助けただろう?」
「ついさっき?」
「そう。ノーナンバーの爆発するのを防いだだろう」
あっと真紅が息を飲む。
「じゃあさっきの布のようなものは……貴女だったの?」
「そうだよ」
「ちょっと待った。ノーナンバーって何だ?」
「リーリエの作品で名を貰えなかった哀れな人形達。迷彩効果がある以外は大して力も強くなく、命令にただ従うだけの無個性な連中さ。自分達を創ったリーリエとリーリエと契約している百合軍の命令だけを聞く。現にさっきも誰かの遠隔命令で動いてたんだろう」
「……君がわざとやったっていうことは?」
「ないよ、蒼星石。キミ達はえらく攻撃的だね」
翠星石と蒼星石は警戒心でいっぱいという顔をしている。
それに対し雪華綺晶は緋桜を信じたようだった。
「でも……貴女の妹様達が来るのでしょう?私達を壊しに。私達はそれに対抗出来るのでしょうか?」
緋桜は視線を下に落とすと低い声で言った。
「難しいと思う。ボク達は壊す為に生まれた。究極の少女であるキミ達には到底防ぎきれるものではない。だから守る為にボクが来たんだ」
「そう、なのですか……」
この会話に翠星石がブチ切れた。
「ちょっと待つですよ!たしかに翠星石達は戦うように創られた人形ではないかもしれませんが、みんなで戦えば負けないはずです!ね、蒼星石!?」
突然話を振られた蒼星石はちょっとビックリしながらも言った。
「僕もそう思う。緋桜、僕達を守ると言うなら、君の実力を見せてほしい」
緋桜は目をぱちくりとさせると、
「腕試しってわけかい?いいよ、やろう。翠星石、蒼星石、2人でかかっておいで」
なめられている。庭師の双子はそろって怒った。
「お前達も、その……不思議な力を使えるのか?それには、人間との契約が必要なのか?」
「ああ、そうだよ。何しろ至高の少女を目指す者達を壊そうとしていたんだよ。それに、契約だったね。たしかに人間と契約していないとほとんど力を使えない。」
とは言っても、と緋桜は肩をすくめる。
「妹達は昔のボクがそうだったようにリーリエと契約しているけどね」
「そうなのか……」
「ねえ」
ずっと黙っていた蒼星石が、警戒心を露わにして話に入ってきた。
「なんだい?」
緋桜はその攻撃的な視線を軽く受け流して訊く。
「君は……離反してきたと言ったけど、それは本当なの?そう言って油断させて僕達を一網打尽にしようとは考えていないの?」
「そ、そうですぅ!お前が翠星石達の敵じゃないっていう証拠はあるですか!」
緋桜はやれやれ、という風に首を振ると答えた。
「ひどいなぁ……無理もないけど。でもついさっき助けただろう?」
「ついさっき?」
「そう。ノーナンバーの爆発するのを防いだだろう」
あっと真紅が息を飲む。
「じゃあさっきの布のようなものは……貴女だったの?」
「そうだよ」
「ちょっと待った。ノーナンバーって何だ?」
「リーリエの作品で名を貰えなかった哀れな人形達。迷彩効果がある以外は大して力も強くなく、命令にただ従うだけの無個性な連中さ。自分達を創ったリーリエとリーリエと契約している百合軍の命令だけを聞く。現にさっきも誰かの遠隔命令で動いてたんだろう」
「……君がわざとやったっていうことは?」
「ないよ、蒼星石。キミ達はえらく攻撃的だね」
翠星石と蒼星石は警戒心でいっぱいという顔をしている。
それに対し雪華綺晶は緋桜を信じたようだった。
「でも……貴女の妹様達が来るのでしょう?私達を壊しに。私達はそれに対抗出来るのでしょうか?」
緋桜は視線を下に落とすと低い声で言った。
「難しいと思う。ボク達は壊す為に生まれた。究極の少女であるキミ達には到底防ぎきれるものではない。だから守る為にボクが来たんだ」
「そう、なのですか……」
この会話に翠星石がブチ切れた。
「ちょっと待つですよ!たしかに翠星石達は戦うように創られた人形ではないかもしれませんが、みんなで戦えば負けないはずです!ね、蒼星石!?」
突然話を振られた蒼星石はちょっとビックリしながらも言った。
「僕もそう思う。緋桜、僕達を守ると言うなら、君の実力を見せてほしい」
緋桜は目をぱちくりとさせると、
「腕試しってわけかい?いいよ、やろう。翠星石、蒼星石、2人でかかっておいで」
なめられている。庭師の双子はそろって怒った。