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海賊と剣豪の戯れ


「うーん……たまには誰かに付き合ってもらうのも悪くないよな…」
ファリスはそう言いながら自分がこの世界で持ち込んでいる『オリハルコン』という武器の手入れをしている。最近魔物相手に戦うのがつまらなくなってきたのか、バッツ辺りにでも稽古をつけてもらおうか悩んでいるようだ。
「んでもバッツ達じゃいつもと変わんないしな…。いっそのことティファやライトニング辺りと手合わせしてスピードを掴むのもありだな。」
ファリスはそう言いながらオリハルコンをしまう。するといきなり次元のひずみが開き、誰かが現れたのだった。
「ーー!誰だ!」
ファリスは勢いに任せてひずみに向かって叫ぶ。ひずみから出てきた相手はニヤリと笑みを浮かべ、ファリスに話しかけてきた。

「久しぶりだなー!ちったぁ女らしくなったか?ファリス!」

「…!?///」
ファリスはいきなりエドガーに口説かれでもしたような雰囲気の言葉を言われ、顔を真っ赤にする。ひずみから出てきた相手はそれを言いながらファリスに近づいていき頭をぽんぽんと軽く叩くと、ファリスは顔を赤くしながらオリハルコンを彼に向けて反論した。
「ーーッ!俺を子供扱いすんじゃねぇ!ギルガメッシュ!///」
「…おっ?さてはお前、俺様とやりあいたいんだなー?」
いきなり妙な返しをするギルガメッシュにファリスは思わず「はぁ?」と言葉を漏らす。その緊張感が止まらないまま、ギルガメッシュはいきなり虎徹を出してきて勝負を挑んできた。
「ならば!俺様と勝負して勝ったらお前をもらうぜ!ファリス!」
「ふざけんな!誰が…!」
ファリスは勢いに任せて怒号をあげるが、実の所は満更でもなかったのか、顔を赤くしている。そしてオリハルコンを構え直すと、手招きしてギルガメッシュを挑発した。
「………そことは関係ないが、丁度手合わせ相手を探していたとこなんだ。付き合ってもらうぜ、ギルガメッシュ。」
「望むところだ!更なる闘いを求めて俺は来たんだからな!」
ファリスの言葉に乗るかのようにギルガメッシュが虎徹を中段に薙ぐ。だがファリスはすんでのところで下にかわし、懐に入って源氏の小手を盗んでは間合いを開いたのだった。
「まずは小手調べだ」
「…んなっ!?」
ファリスは盗んだ源氏の小手を返し、フェアで闘うことを望むかのようにオリハルコンを構えると次々とくるギルガメッシュの連撃を受け止める、いなすといった感じにかわしていく。ファリスはこれがギルガメッシュなりの小手調べだとわかっているのか、まだ本気ではかわしに入っていないようで、大分余裕があった。ファリスも隙を見て反撃に入るが、ギルガメッシュに受け止められては弾かれるばかりで力的には不利であることがわかる。それでもファリスはスピードと他の人と手合わせして学んだ技術やジョブチェンして入手した知識を利用して手数でギルガメッシュを翻弄している状態だった。
「獲物は逃がさない!」
ファリスはこの大地で習得したアビリティ『流水のまい』で決めようと舞い踊るようにギルガメッシュを攻撃していく。だが、ギルガメッシュは全ていなしていき、辛うじて入ったのは最後の1発だけだった。
「ちっ!」
ファリスは舌打ちをしつつも間合いを開き、『砲撃』をギルガメッシュに御見舞する。ギルガメッシュはそれを間一髪でかわして『乱舞』を御見舞するのだった。
「疾風怒濤!」
ギルガメッシュの一撃はファリスの短剣を吹き飛ばし、彼女は思わず声を上げてしまう。その間にも乱舞は続き、ファリスの服をズタズタにしていく。そして最後の一発が入ろうとした時、ファリスは直前の隙に気づき彼が持っているアストラルソードをぶんどると、最後の一発を受け止めたのだった。
「ぐっ!」
「…!」
剛力なギルガメッシュの一撃を受け止めるファリスだったが、力では不利だとわかってかまた間合いを開く。すると彼女はまるで彼を悩殺させるかのような目を使い、ドキドキさせに入った。
「!?///」
「…へへ。かかったみてーだな。」
そう言いながらファリスはそばに落ちていたオリハルコンを手に取ると、つるぎのまいをギルガメッシュに御見舞したのだった。
「目ェ回すんじゃねぇぞ!」
「しまっ…!」
一撃は軽いながらも間髪入れずに続く連撃はギルガメッシュをどんどん追い込んでいき、ついには虎徹を弾き飛ばしたのだった。
「ぬわっ!?俺様の剣が!」
「これであいこだぜ。ギルガメッシュ。」
ファリスは軽い傷こそ負ってはいるが平然な顔をしており、ギルガメッシュもそれは同じだった。ギルガメッシュはすぐさまに虎徹を拾ってしまうと、ニッと笑ってファリスに言った。
「やはり武人として申し分ないな、ファリスは!それでいてもっと女らしくしてなれば最強の女にだって…」
「余計なお世話だっ!」
ギルガメッシュが言い切る前にファリスがその言葉を斬る。ファリスにとって恥ずかしいことなのか、彼女は顔を赤らめると、ギルガメッシュにこう言ったのだった。

「…今度、1人の状態で会った時は……遊んでやってもいいぞ…///」

「!」
ギルガメッシュはファリスの言葉が嬉しかったのか、後ろを向いて微笑むと、次元のひずみを開いてまた更なる闘いを求めに行ったのだった。
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