疑惑騒動
海賊のアジトの船長の私室。
テーブルを挟んで向かい合う様に座る一組の男女。
1人は男装をした海賊の女船長。
そして、もう1人は赤髪の大男。
大男は大粒の汗をダラダラと流しながら、目を見開き、口をパクパクさせていた。
それとは対象的に、相手の反応に面白そうに見ている女船長。
なんとか絞り出した震える声で、大男は言った。
「ふ、ファリス…今…なんて言った…?!」
その言葉に、女船長ファリスは意地の悪い笑みを浮かべ、サラリと答えた。
「腹にガキが出来たかもしれねぇって言った」
聞き間違いではなかったと、大男は両手で顔を覆い大きな溜め息を吐く。
「俺様は、お前とゆっくりと関係を築いて行きたかったのにぃ~……」
情けない声を上げ、頭を抱える彼にファリスは少し不満そうな表情をした。
「何の不満があるんだよ、ギルガメッシュ」
「不満も不満、大ありだっ!!」
ファリスの言葉に、ギルガメッシュは勢いよく顔を上げた。
「俺様は、お前との関係を大事に大事ぃ~~っに築いて、きちんと段階を踏んでから夫婦になって、子供が出来てって考えてたんだっ!!それをお前さんはっ!!」
一気に捲し立て、再び頭を抱えて「あ”~~っ」と唸るギルガメッシュ。
ファリスは悪びれる様子もなく言った。
「行き着く先が一緒なら、別に良いじゃねぇか。そんな時間かけてまどろっこしいことなくたってよ」
「良くないっ!!」
悲鳴に近い声を上げたギルガメッシュに、ファリスはニヤリと笑みを浮かべた。
「ガキが出来たかもしれねえのだって、お前が俺の中に出さなきゃこんな状況にはならなかったんだぜ??」
「それは、お前が俺を無理矢理襲うからだろっ!?」
「何言ってやがる!!お前はいつもイキそうになると、理性ぶっ飛ばして自分から腰振ってぶちまけてるんじゃねーかっ!!」
「~~~っ!!」
ファリスの反論に、言葉に詰まるギルガメッシュ。
無理もない、ファリスの言ってることは事実だからだ。
最初に仕掛けて来るのは確かにファリスなのだが、愛しい女性が自分の上であんあん喘ぎながら腰を振り、その行為によって与えられる快楽に我慢出来ず、最後は自然と自ら腰を突き上げ果てていた。
自分の理性の脆さを恨みながら、ギルガメッシュは三度頭を抱える。
そんな彼に、ファリスは笑った。
「ま、年貢の納め時ってヤツだな。観念して生涯俺だけの男になる覚悟を決めておけよ」
そう言うと、ファリスは鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。
―2週間後―
「おい!!そこ!!チンタラ作業してんじゃねーぞっ!!」
ファリスの怒声が、アジト内に響く。
子分たちは、ファリスの迫力ある怒気をはらんだ声に震え上がっていた。
「おい、今日のおかしら、いつにも増して不機嫌じゃねえか??」
「ギルの旦那と喧嘩でもしたのか??」
ヒソヒソと子分たちが話していると、ファリスの怒声の餌食になった。
今までにも不機嫌な事はあったが、今回は今まで以上の機嫌の悪さに、子分たちは気が気ではなかった。
そんな時、樽を運んでいるギルガメッシュを見つけたファリスは、つかつかとギルガメッシュに向かって行った。
「ギルガメッシュ!!」
「ヒッ!?な、なんだよ、俺はサボってないぞ!?」
いきなり不機嫌な声で名前を呼ばれ、慌てた様子の彼にファリスは「話がある」と一言だけ言い、部屋へと向かった。
ギルガメッシュは樽を他の子分に頼み、ビクビクしながらファリスの後を追う。
部屋に入ると、ファリスは椅子に腰掛け、空いてる席に座れと顎で示した。
逆らうことなく席に着いたギルガメッシュを真っ直ぐに見据えて、ファリスは口を開いた。
「この前の話だが…」
「この前って………、子供の話………か??」
恐る恐る確認すると、首を縦に振るファリス。
ギルガメッシュは息を飲んで、話の続きを待った。
すると、ファリスは大きな溜め息を吐いて言った。
「あれな……遅れてるだけだった……」
「ひゃい?!」
思わぬ言葉に声がひっくり返るギルガメッシュ。
ファリスは面白くなさそうな表情で頬杖を付いた。
「今日、3週間遅れで来たんだよ。生理が…」
「そ、そうか、良かったじゃねえか」
この妊娠疑惑で今まで頭を抱えていたギルガメッシュは、内心ホッとした。
だが、当のファリスは苦虫を噛み潰したような表情になる。
「全然良くねえよ!!あーぁ、やっとお前を俺だけのモンに出来ると思ったのによ」
ブツブツと不機嫌に言うファリスに苦笑いをしながら、これからの自分の態度を改めようと、少しだけ思いなおしたギルガメッシュであった。
テーブルを挟んで向かい合う様に座る一組の男女。
1人は男装をした海賊の女船長。
そして、もう1人は赤髪の大男。
大男は大粒の汗をダラダラと流しながら、目を見開き、口をパクパクさせていた。
それとは対象的に、相手の反応に面白そうに見ている女船長。
なんとか絞り出した震える声で、大男は言った。
「ふ、ファリス…今…なんて言った…?!」
その言葉に、女船長ファリスは意地の悪い笑みを浮かべ、サラリと答えた。
「腹にガキが出来たかもしれねぇって言った」
聞き間違いではなかったと、大男は両手で顔を覆い大きな溜め息を吐く。
「俺様は、お前とゆっくりと関係を築いて行きたかったのにぃ~……」
情けない声を上げ、頭を抱える彼にファリスは少し不満そうな表情をした。
「何の不満があるんだよ、ギルガメッシュ」
「不満も不満、大ありだっ!!」
ファリスの言葉に、ギルガメッシュは勢いよく顔を上げた。
「俺様は、お前との関係を大事に大事ぃ~~っに築いて、きちんと段階を踏んでから夫婦になって、子供が出来てって考えてたんだっ!!それをお前さんはっ!!」
一気に捲し立て、再び頭を抱えて「あ”~~っ」と唸るギルガメッシュ。
ファリスは悪びれる様子もなく言った。
「行き着く先が一緒なら、別に良いじゃねぇか。そんな時間かけてまどろっこしいことなくたってよ」
「良くないっ!!」
悲鳴に近い声を上げたギルガメッシュに、ファリスはニヤリと笑みを浮かべた。
「ガキが出来たかもしれねえのだって、お前が俺の中に出さなきゃこんな状況にはならなかったんだぜ??」
「それは、お前が俺を無理矢理襲うからだろっ!?」
「何言ってやがる!!お前はいつもイキそうになると、理性ぶっ飛ばして自分から腰振ってぶちまけてるんじゃねーかっ!!」
「~~~っ!!」
ファリスの反論に、言葉に詰まるギルガメッシュ。
無理もない、ファリスの言ってることは事実だからだ。
最初に仕掛けて来るのは確かにファリスなのだが、愛しい女性が自分の上であんあん喘ぎながら腰を振り、その行為によって与えられる快楽に我慢出来ず、最後は自然と自ら腰を突き上げ果てていた。
自分の理性の脆さを恨みながら、ギルガメッシュは三度頭を抱える。
そんな彼に、ファリスは笑った。
「ま、年貢の納め時ってヤツだな。観念して生涯俺だけの男になる覚悟を決めておけよ」
そう言うと、ファリスは鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。
―2週間後―
「おい!!そこ!!チンタラ作業してんじゃねーぞっ!!」
ファリスの怒声が、アジト内に響く。
子分たちは、ファリスの迫力ある怒気をはらんだ声に震え上がっていた。
「おい、今日のおかしら、いつにも増して不機嫌じゃねえか??」
「ギルの旦那と喧嘩でもしたのか??」
ヒソヒソと子分たちが話していると、ファリスの怒声の餌食になった。
今までにも不機嫌な事はあったが、今回は今まで以上の機嫌の悪さに、子分たちは気が気ではなかった。
そんな時、樽を運んでいるギルガメッシュを見つけたファリスは、つかつかとギルガメッシュに向かって行った。
「ギルガメッシュ!!」
「ヒッ!?な、なんだよ、俺はサボってないぞ!?」
いきなり不機嫌な声で名前を呼ばれ、慌てた様子の彼にファリスは「話がある」と一言だけ言い、部屋へと向かった。
ギルガメッシュは樽を他の子分に頼み、ビクビクしながらファリスの後を追う。
部屋に入ると、ファリスは椅子に腰掛け、空いてる席に座れと顎で示した。
逆らうことなく席に着いたギルガメッシュを真っ直ぐに見据えて、ファリスは口を開いた。
「この前の話だが…」
「この前って………、子供の話………か??」
恐る恐る確認すると、首を縦に振るファリス。
ギルガメッシュは息を飲んで、話の続きを待った。
すると、ファリスは大きな溜め息を吐いて言った。
「あれな……遅れてるだけだった……」
「ひゃい?!」
思わぬ言葉に声がひっくり返るギルガメッシュ。
ファリスは面白くなさそうな表情で頬杖を付いた。
「今日、3週間遅れで来たんだよ。生理が…」
「そ、そうか、良かったじゃねえか」
この妊娠疑惑で今まで頭を抱えていたギルガメッシュは、内心ホッとした。
だが、当のファリスは苦虫を噛み潰したような表情になる。
「全然良くねえよ!!あーぁ、やっとお前を俺だけのモンに出来ると思ったのによ」
ブツブツと不機嫌に言うファリスに苦笑いをしながら、これからの自分の態度を改めようと、少しだけ思いなおしたギルガメッシュであった。
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