第2話
「敵襲!!敵襲ーっ!!!!」
その言葉にファリスはベッドから飛び起きた。
ここは船内。
ガラフの仲間、ゼザが率いる船団の母船の客室。
昨日、サ-ゲイト城でゼザがエクスデス城に作戦を仕掛けているという情報を得て、ここにやって来たのだが·······
部屋を見渡すとバッツ達も「敵襲」の言葉に飛び起きた所のようだった。
素早く武器を手に取り、部屋を飛び出し、いっきに甲板まで駆け上がる。
甲板に出ると、あちらこちらでサーゲイト兵が魔物と応戦していた。
王であるゼザは別の船で緑色の魔物と戦っていた。
加戦すべく、バッツ達は思い思いに駆け出していく。
ファリスもそれに続こうとした時、視界の端に一際目立つ色が映った。
ファリスは進行方向を変え、そちらの方向に向かって駆け出した。
ギルガメッシュは船の船首で思いにふけっていた。
敵の船に襲撃をかけている最中だと言うのに戦いに参加せず、海を見つめているのは「自分が居なくても大丈夫だろう」と言う余裕からなのだろうか。
そんな時、ギルガメッシュは自分に近づく殺気を察知した。
「あおーい空、ひろーい海……こんないい気分に浸っている私を邪魔するのは……」
ギルガメッシュは薙刀を構えながら勢いよく振り向く。
「誰だーーーーーーっ!!!!」
「俺だーーーーーーっ!!!!」
キィィィイイインッ!!
武器と武器がぶつかる音が響いた。
ギルガメッシュは自分にかかってきた相手を見て驚いた。
「ふぁっ!!ファリスッ!?」
そこに居たのは、自分の愛おしい男装をした女性ファリスだった。
「この前、俺にふざけたこと抜かした落とし前、きっちり払わせてやるっ!!」
「へぇ~、そいつは楽しみだな。でもよ………」
ファリスの言葉にニヤッと笑みを向けた。
「そう簡単にいくかな??」
その瞬間、背中に悪寒が走ったファリスは反射的に後ろへ飛び退いた。
「ちっ、ふざけた野郎だ!!ビッグブリッヂじゃあケツ捲ってトンズラしたくせにっ!!」
ファリスは苦々しく言い放つ。
「流石、良い感してるぜ♪それでこそ俺様の惚れた女だ!!」
「最後の一言は余計だっ!!」
ファリスは再びギルガメッシュに向かって甲板の床を蹴る。
持ち前の素早さを生かし、連続で攻撃を仕掛ける。が、すべての攻撃を薙刀で交わされる。
それを気にもせず、追撃を繰り返すファリスにギルガメッシュは言った。
「そんな攻撃じゃあ、俺様には当たらな………うわっとっとっとっ!!」
急にバランスを崩すギルガメッシュ。
体制を立て直して足元を見ると、船首の端まで追いやられていた。
「さて、形勢逆転だな??ギルガメッシュ」
今度はファリスがニヤリと笑みを浮かべる。
だが、ギルガメッシュは動じなかった。
「さあ、それはどうかな??」
その言葉と同時に、翼を持つ緑色の魔物が空から現れ、ギルガメッシュを掴んで甲板に降ろした。
ギルガメッシュは緑色の魔物に言った。
「遅かったなあ?」
「あのじいさん、えらく手こずらせやがって…」
そんな会話をしていると、2人(?)の間に攻撃が降ってきた。
「「どわあっ!!!!」」
「呑気に会話なんかしてる暇なんか与えるかよっ!!」
船首の端付近にいたはずのファリスが、甲板まで戻ってきていたのに驚く。
「お、お前さん!!どうやったら軽く揺れる船首の端から、こんなに早く移動出来るんだっ?!」
ギルガメッシュの問いかけに、ファリスは武器を構え直して答えた。
「船の上は、俺のホームグラウンドなんだよっ!!」
言い放つと同時にギルガメッシュに攻撃を再開する。
長い攻防戦が続き、流石に疲労を感じてきたギルガメッシュは先程合流した相棒に声をかけた。
「エンキドゥ!あとはお前に任せたぜ!!」
返事がないのを不思議に思い相棒がいた方を向くと、そこに相棒の姿はなく、ほかの所で戦っていたはずのバッツ達の姿があった。
「ありゃ…エンキドゥ…置いてけぼりはなしだぜー!」
ギルガメッシュは情けない声を上げながら、先程まで居た船首に向かって走り出した。
その時、船首付近にガラフの姿が見えた。
「ぐゥ!貴様も道連れだ!海に落ちろ!」
「うわァ!!」
ギルガメッシュはガラフの腕を引っ掴み、船首から海へダイブした。
だが、海に落ちたのはギルガメッシュだけであった。
ガラフは落ちる寸前、なんとか船首にしがみつき、ぶら下がっていた。
「こらァ!お前だけ汚いぞ!!」
その言葉にファリスは心の中で「どの口が言うんだよ…」と思わずツッコミを入れた。
その後、ギルガメッシュが何か捨て台詞を吐いていた気がするが、呆れ返っていて耳に入ってこなかった。
ガラフも何とか飛竜のおかげで船の上に戻ることが出来、みんなホッと胸を撫で下ろした。
だが、ファリスだけは遠くの海を険しい表情で見つめ、呟いた。
「嵐が……来そうだな……」
その言葉にファリスはベッドから飛び起きた。
ここは船内。
ガラフの仲間、ゼザが率いる船団の母船の客室。
昨日、サ-ゲイト城でゼザがエクスデス城に作戦を仕掛けているという情報を得て、ここにやって来たのだが·······
部屋を見渡すとバッツ達も「敵襲」の言葉に飛び起きた所のようだった。
素早く武器を手に取り、部屋を飛び出し、いっきに甲板まで駆け上がる。
甲板に出ると、あちらこちらでサーゲイト兵が魔物と応戦していた。
王であるゼザは別の船で緑色の魔物と戦っていた。
加戦すべく、バッツ達は思い思いに駆け出していく。
ファリスもそれに続こうとした時、視界の端に一際目立つ色が映った。
ファリスは進行方向を変え、そちらの方向に向かって駆け出した。
ギルガメッシュは船の船首で思いにふけっていた。
敵の船に襲撃をかけている最中だと言うのに戦いに参加せず、海を見つめているのは「自分が居なくても大丈夫だろう」と言う余裕からなのだろうか。
そんな時、ギルガメッシュは自分に近づく殺気を察知した。
「あおーい空、ひろーい海……こんないい気分に浸っている私を邪魔するのは……」
ギルガメッシュは薙刀を構えながら勢いよく振り向く。
「誰だーーーーーーっ!!!!」
「俺だーーーーーーっ!!!!」
キィィィイイインッ!!
武器と武器がぶつかる音が響いた。
ギルガメッシュは自分にかかってきた相手を見て驚いた。
「ふぁっ!!ファリスッ!?」
そこに居たのは、自分の愛おしい男装をした女性ファリスだった。
「この前、俺にふざけたこと抜かした落とし前、きっちり払わせてやるっ!!」
「へぇ~、そいつは楽しみだな。でもよ………」
ファリスの言葉にニヤッと笑みを向けた。
「そう簡単にいくかな??」
その瞬間、背中に悪寒が走ったファリスは反射的に後ろへ飛び退いた。
「ちっ、ふざけた野郎だ!!ビッグブリッヂじゃあケツ捲ってトンズラしたくせにっ!!」
ファリスは苦々しく言い放つ。
「流石、良い感してるぜ♪それでこそ俺様の惚れた女だ!!」
「最後の一言は余計だっ!!」
ファリスは再びギルガメッシュに向かって甲板の床を蹴る。
持ち前の素早さを生かし、連続で攻撃を仕掛ける。が、すべての攻撃を薙刀で交わされる。
それを気にもせず、追撃を繰り返すファリスにギルガメッシュは言った。
「そんな攻撃じゃあ、俺様には当たらな………うわっとっとっとっ!!」
急にバランスを崩すギルガメッシュ。
体制を立て直して足元を見ると、船首の端まで追いやられていた。
「さて、形勢逆転だな??ギルガメッシュ」
今度はファリスがニヤリと笑みを浮かべる。
だが、ギルガメッシュは動じなかった。
「さあ、それはどうかな??」
その言葉と同時に、翼を持つ緑色の魔物が空から現れ、ギルガメッシュを掴んで甲板に降ろした。
ギルガメッシュは緑色の魔物に言った。
「遅かったなあ?」
「あのじいさん、えらく手こずらせやがって…」
そんな会話をしていると、2人(?)の間に攻撃が降ってきた。
「「どわあっ!!!!」」
「呑気に会話なんかしてる暇なんか与えるかよっ!!」
船首の端付近にいたはずのファリスが、甲板まで戻ってきていたのに驚く。
「お、お前さん!!どうやったら軽く揺れる船首の端から、こんなに早く移動出来るんだっ?!」
ギルガメッシュの問いかけに、ファリスは武器を構え直して答えた。
「船の上は、俺のホームグラウンドなんだよっ!!」
言い放つと同時にギルガメッシュに攻撃を再開する。
長い攻防戦が続き、流石に疲労を感じてきたギルガメッシュは先程合流した相棒に声をかけた。
「エンキドゥ!あとはお前に任せたぜ!!」
返事がないのを不思議に思い相棒がいた方を向くと、そこに相棒の姿はなく、ほかの所で戦っていたはずのバッツ達の姿があった。
「ありゃ…エンキドゥ…置いてけぼりはなしだぜー!」
ギルガメッシュは情けない声を上げながら、先程まで居た船首に向かって走り出した。
その時、船首付近にガラフの姿が見えた。
「ぐゥ!貴様も道連れだ!海に落ちろ!」
「うわァ!!」
ギルガメッシュはガラフの腕を引っ掴み、船首から海へダイブした。
だが、海に落ちたのはギルガメッシュだけであった。
ガラフは落ちる寸前、なんとか船首にしがみつき、ぶら下がっていた。
「こらァ!お前だけ汚いぞ!!」
その言葉にファリスは心の中で「どの口が言うんだよ…」と思わずツッコミを入れた。
その後、ギルガメッシュが何か捨て台詞を吐いていた気がするが、呆れ返っていて耳に入ってこなかった。
ガラフも何とか飛竜のおかげで船の上に戻ることが出来、みんなホッと胸を撫で下ろした。
だが、ファリスだけは遠くの海を険しい表情で見つめ、呟いた。
「嵐が……来そうだな……」
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