一章
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「あらら〜、どういう訳か別の所から入ってきちゃったみたいだねぇ。確か、黒べぇはもうお出迎えの準備に行ってたよね?呼び戻してもらってもいいかな?」
モニタールームで監視カメラを見ていた齋藤が、入江達と共に歩く猫宮を見つけて、頭を搔く。
齋藤に指示された職員は電話で黒部へと連絡を取っている。
「私が下に迎えに行って、そのまま規則の説明を始めますので、柘植コーチ、高校生ズの午前の練習は頼みました。」
「あぁ」
齋藤はそう言うと入口に額をぶつけるノック音を残して部屋を去る。
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「猫宮さん!こっちです!」
建物の近くまで歩くと身長の高い男性が猫宮達に向かって手を振り、呼んでいることに気付く。
「あ、齋藤コーチだね。乱華ちゃんの出迎えかな?」
「あの方がコーチなのね。私の名前を呼んでいるようだからそうみたいだわ。ここまでの案内ありがとう。奏多。また会えるのを楽しみにしてるわ」
「どういたしまして。僕も次に会えるのを楽しみにしてるよ。またね。」
「………………」
猫宮と入江がにこやかに挨拶をして別れるを徳川は終始、無言無表情で見ている。
猫宮は徳川には目もくれず、抱いていたジェリーを地面に下ろすと、未だに手を振り『こっちで〜す!』と呼びかけている齋藤の元へ歩いていく。
「徳川君、大丈夫?流石に女の子がこの合宿に参加するのはびっくりだね〜。」
猫宮の姿が小さくなると徳川の顔を覗きながら入江が言う。
「入江さんも驚いていたんですね。自然に対応しているので、てっきり俺だけが知らなかったのかと思いました。」
「僕も知らなかったよ!でも、呼ばれるにしても凄い人だよね。優勝は確かにそうだけど、あの後色々悪い記事が出回ってるみたいだし、どこまでが本当のことか。本当だとしたら、ここには参加出来ないはずだけどなぁ」
入江が肩を竦めて見せると、徳川は無言で頷く。
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「ようこそU-17へ!猫宮乱華さん。僕はメンタルコーチをしている齋藤至です。先に、ここでの規則の説明をするから一緒に着いてきてもらえるかな?」
「えぇ。よろしくお願いしますね。齋藤コーチ。」
にこやかに挨拶をする齋藤に猫宮も綺麗で人当たりの良い笑みを浮かべて応じる。
「じゃあ、こっちだよ。着いてきて。……そう言えば、黒べぇから午後に到着するって聞いてたけど、かなり早かったね?」
「元々はその予定でしたが、早く到着して練習に参加させて貰えるのならその方がより早くこちらの環境に馴染めるかと思いまして。事前に連絡をすべきでしたね。申し訳ありません。」
「いやいや!問題ないので大丈夫です。はい!早く環境に馴染めるようにとは関心だね。君を指導できるのが楽しみだよ」
「恐縮です。お手柔らかにお願いしますね。齋藤コーチ。」
他愛もない会話をしながら歩いていると部屋に着く。齋藤に入るように促され部屋に入ると、中はホワイトボードと机、椅子が並べられたシンプルな部屋だった。