一章
小説内でのあなたのお名前となります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「本日、ここ(U-17)に新しく入る選手が来ます。説明するよりも、資料を見てもらった方が良いでしょうから、こちらを」
いくつものモニターが光る部屋で焦げ茶色の髪を持つ男性-黒部 由紀夫-が2人の男性に対して資料を手渡す。
「おや、これは凄い試みだね〜」
「……うむ」
白衣を着た長身の男性-齋藤 至-と筋肉質な肉体が目を引く、オールバックの男性-柘植 竜二-が、資料に目を通したあと、二様の反応を返す。
「本日の午後からこちらに来ることになっています。出迎えは私がしますので、施設案内と規則の説明などはお任せしてよろしいでしょうか?」
「もちろん任せてもらって大丈夫だよ黒べぇ。そしたら、僕が規則の説明かな?」
「施設案内で構わない」
「では、そのようにお願いします」
互いに目配せしながら役割分担をすると、齋藤はニコニコと柘植は複雑そうな表情を見せた。
-------
-------------
----------------------
------------------------------
「やぁ、今日の調子はどうだい?徳川君?」
練習の合間に水分補給をしていると、ふわふわのくせっ毛に丸眼鏡をかけた青年-入江 奏多-が話しかける。
「問題ないです。今日は早いですね?自主練ですか?」
ストレートな黒髪に鋭い目付きの青年-徳川 カズヤ-が応える。
「まぁ、そんな所かな。いつもより早く目が覚めちゃってね。良かったら練習に付き合おうか?」
「いえ、今日はもう切り上げようかと思ってましたので」
「そっか!じゃあ、一緒に朝ご飯、食べに行こ
う!」
入江は嬉しそうにニコッと微笑んだ。
『なぁぁぁぁあ』
猫の鳴き声が聞こえると同時に入江の脚元に何かが擦り寄る感触があった。
「……猫?」
「猫ですね。」
入江が驚きつつ持ち上げるために手を伸ばすと、逃げる素振りもなくその両手に抱き上げられる。
「とても人に慣れていますね」
「みたいだね。誰かの飼い猫かな?首輪も着いてるみたいだし…」
ふわふわの毛に隠れていたが、毛とは異なる硬い感触があった。
「………ジェリー?」
『なぁお』
2人が猫を見つめていると、女性の声が遠くから近付くように聞こえてくる。
すると、猫はピクピクっと耳を動かし、一声鳴く。
「ジェリー。勝手にどこかに行くなんてダメじゃない」
猫の鳴き声に反応したのか、女性は入江達の元に走ってくると、流れるように入江から猫を抱き取る。
「えっと、君は?」
女性が猫の顎を撫でて鼻先を合わせているのを見ながら入江が尋ねる。
「ジェリー、……あ、この猫ちゃんね。保護してくれて感謝するわ。私は、猫宮乱華。……知ってるでしょ?」