逢
お名前は?
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…そんなことある?
鬼の方から丁寧に「血をわけていただけませんか?」なんて聞かれることある?俺、初めてだよ。
人間を食べない鬼は禰豆子ちゃんがいるから知ってるけど、血をわけてくれるかどうか人間に問いかけてくる鬼は初めて会ったよ?
動揺が隠せなかったけれど、大人しくしている方がどうなるかわからないから、大汗をかいたまま、俺は勇気を振り絞って後ろを向いた。
俺は声が出なかった。息をのんだ。
あまりにも美しい姿だったから。
しのぶさんに似た紫がかった黒髪に、藤の花の色のような瞳。瞳孔が縦になっているかどうかまでは暗くて確認できなかった。
彼女を視界に捉えた時、俺の心臓がどくんと脈を打ったのが分かった。しのぶさんを見た時に感じるのとは違う。初めて禰豆子ちゃんを見た時と同じ感覚だった。これが恋だと気づくのに、時間はかからなかった。
「血をわけていただけませんか?」
もし今、彼女に血をわけるのを断ったら、俺は彼女に喰われるんだろうか。もう彼女には会えないんじゃないか。
血をわけたら、俺は喰われずに済むんだろうか。また彼女に会えるんだろうか。
どっちにしても正解も不正解もないと思った。ひょっとしたら、何をしても喰われる運命なのかもしれない。でも、絶対に喰われるとも限らない。
答えのない問いを繰り返しているうちに、俺はただただ目の前の彼女に近づきたいと思ってしまった。
鬼殺隊なのに、鬼に血をわけるってダメじゃないか?と、冷静な俺もいたけど、気がついたら俺は彼女に返事をしていた。
「あげるよ、俺の血でよければ。」
鬼の方から丁寧に「血をわけていただけませんか?」なんて聞かれることある?俺、初めてだよ。
人間を食べない鬼は禰豆子ちゃんがいるから知ってるけど、血をわけてくれるかどうか人間に問いかけてくる鬼は初めて会ったよ?
動揺が隠せなかったけれど、大人しくしている方がどうなるかわからないから、大汗をかいたまま、俺は勇気を振り絞って後ろを向いた。
俺は声が出なかった。息をのんだ。
あまりにも美しい姿だったから。
しのぶさんに似た紫がかった黒髪に、藤の花の色のような瞳。瞳孔が縦になっているかどうかまでは暗くて確認できなかった。
彼女を視界に捉えた時、俺の心臓がどくんと脈を打ったのが分かった。しのぶさんを見た時に感じるのとは違う。初めて禰豆子ちゃんを見た時と同じ感覚だった。これが恋だと気づくのに、時間はかからなかった。
「血をわけていただけませんか?」
もし今、彼女に血をわけるのを断ったら、俺は彼女に喰われるんだろうか。もう彼女には会えないんじゃないか。
血をわけたら、俺は喰われずに済むんだろうか。また彼女に会えるんだろうか。
どっちにしても正解も不正解もないと思った。ひょっとしたら、何をしても喰われる運命なのかもしれない。でも、絶対に喰われるとも限らない。
答えのない問いを繰り返しているうちに、俺はただただ目の前の彼女に近づきたいと思ってしまった。
鬼殺隊なのに、鬼に血をわけるってダメじゃないか?と、冷静な俺もいたけど、気がついたら俺は彼女に返事をしていた。
「あげるよ、俺の血でよければ。」