同じような日々を過ごしているうちに、遂に俺の機能回復訓練の開始日が翌日となった。炭治郎と伊之助から遅れての参加になるから、改めて今日、きちんと話を聞いてみようと決心する。

でも、部屋に戻ってきた2人はいつもと同じく、ひどくげっそりしている。

「ねえ、2人とも…どうしたの？どんな訓練なの？」
と、勇気を振り絞って聞いてみたが、炭治郎が今までにないぐらい小さな声で、「ごめん」とだけ言い放って布団に入った。情報が何もないまま、俺は翌日、怯えながら訓練に参加した。




これは一体何事か。
ここは都か、花園か。
なんという恵まれた環境にいて、なぜそんなげっそりするんだ、お前たちは！炭治郎、伊之助！

と思うと同時に、俺は無意識に2人を呼び出して、喚きながら文句を言った。気分がすっきりした後は、訓練に参加した。

夢のような時間だ。かわいい女の子たちに、体をしっかり揉みほぐしてもらったり、鬼ごっこしたり、薬湯の訓練では女の子の手まで握れる。
「俺は女の子に、お茶をぶっかけたりしないぜ」
とカッコつけて言ってみたが、なんだか女の子たちの反応が悪い。アオイちゃんに至っては、額に青筋を立ててまで怒っている。俺、何か悪いこと言ったかな…？ま、いっか。がんばれば、なんとかなるよね。

って思ってたけど、数日経ってもどうにもならないことがひとつあった。カナヲちゃんだ。彼女の髪の毛一本にさえ触れられない。薬湯をかぶるのは俺たちばかり。

なんか、心折れたわ。でも、俺にしてはよくがんばったよ、ここまで。かわいい女の子が居てくれたおかげだね、うん。よし、しばらく休憩しよう！というわけで、俺は訓練に行くのを休むことにした。

やめたわけじゃないよ、ちょっと休憩。