逢
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人生って、なんでこんなに残酷なんだろう。
人間って、なんでこんなに身勝手なんだろう。
正しいことってなんなんだろう。
考えてもわからないや。
【月下香】
那田蜘蛛山での戦いで俺は気持ちの悪い臭い蜘蛛の鬼に刺されて、手も足もあり得ないぐらい短くなっていた。
治療で飲む薬もあり得ないぐらいまずくて、毎日泣き喚いていた。
俺が薬と格闘している間に、炭治郎と伊之助は機能回復訓練を始めて、あり得ないぐらいげっそりして帰ってくる。毎日。
そんなの見てたら、機能回復訓練なんてしなくてもいいんじゃない?とか思ったりもするけど、それじゃあ禰豆子ちゃんを守れないから、やるしかない、とは思うけど、やっぱりやりたくない。でも俺は、機能回復訓練の前にこの薬に勝たなきゃいけないんだけど、全然勝てない。
「ねえ!!俺、お昼薬飲んだっけ!?誰かああああああ」
と毎日叫んでいる。多分、俺の叫び声は、蝶屋敷中に響いているんだと思う。最近、俺のところに来る女の子たちはみんな、ちょっと困った顔をしているからわかる。でも、しょうがないよ。あの薬、ほんとにまずいんだもん。
「あなたが一番重症なんですから、ちゃんとお飲みくださいって前からお伝えしていますでしょう?!」
と、蝶屋敷で一番しっかり者のアオイちゃんに言われるから、致し方なく、毎回涙を流しながら俺は全く美味しくもない薬を飲んでいる。でも、心なしか、手も足もちょっと伸びてきた気がする。余る裾の長さがちょっと変わった気がする。
「調子はどうですか?」
ふわっと現れたのは、胡蝶しのぶさん。あぁ、今日も綺麗だ。そしていつもと変わらない、不思議な音がする。那田蜘蛛山では本当の女神に見えたけど、今日は天女に見える。禰豆子ちゃんとはまた違う、胸のときめきを感じる。
「しのぶ様、この人、毎日毎日、薬を飲むのを嫌がるんです。しかも大声出して。みんなちょっと引いてます。」
「あら、そうなんですか?良薬口に苦しと言いますから、体が元に戻るまではがまんしてください。大丈夫、善逸くんならできますよ!私はそう信じています。」
しのぶさんにそんな風ににこやかに言われたら、やる気も出るし鼻血も出る。盛大に噴き出した俺の鼻血を見て、アオイちゃんが怒ったのは言うまでもなかった。入院着まで汚してしまい、散々怒られて、そしてまたまずい薬を飲む。どんな修行なんだろう、これ。でも禰豆子ちゃんのためにがんばろう、うん、そうしよう。
鼻血で汚れた入院着の換えを取りに行ったアオイちゃんとともに、しのぶさんは部屋を出て行った。
そして、そのすぐ後に今日も訓練を終えた炭治郎と伊之助が戻ってくる。相変わらず、2人ともげっそりしている。何をしているのか聞きたいけど、どうしてそんなにげっそりしているのか聞きたいけど、聞けない。2人から聞こえる音は完璧に疲弊している。怖いよ、そんなの。俺、どうなっちゃうわけ?
人間って、なんでこんなに身勝手なんだろう。
正しいことってなんなんだろう。
考えてもわからないや。
【月下香】
那田蜘蛛山での戦いで俺は気持ちの悪い臭い蜘蛛の鬼に刺されて、手も足もあり得ないぐらい短くなっていた。
治療で飲む薬もあり得ないぐらいまずくて、毎日泣き喚いていた。
俺が薬と格闘している間に、炭治郎と伊之助は機能回復訓練を始めて、あり得ないぐらいげっそりして帰ってくる。毎日。
そんなの見てたら、機能回復訓練なんてしなくてもいいんじゃない?とか思ったりもするけど、それじゃあ禰豆子ちゃんを守れないから、やるしかない、とは思うけど、やっぱりやりたくない。でも俺は、機能回復訓練の前にこの薬に勝たなきゃいけないんだけど、全然勝てない。
「ねえ!!俺、お昼薬飲んだっけ!?誰かああああああ」
と毎日叫んでいる。多分、俺の叫び声は、蝶屋敷中に響いているんだと思う。最近、俺のところに来る女の子たちはみんな、ちょっと困った顔をしているからわかる。でも、しょうがないよ。あの薬、ほんとにまずいんだもん。
「あなたが一番重症なんですから、ちゃんとお飲みくださいって前からお伝えしていますでしょう?!」
と、蝶屋敷で一番しっかり者のアオイちゃんに言われるから、致し方なく、毎回涙を流しながら俺は全く美味しくもない薬を飲んでいる。でも、心なしか、手も足もちょっと伸びてきた気がする。余る裾の長さがちょっと変わった気がする。
「調子はどうですか?」
ふわっと現れたのは、胡蝶しのぶさん。あぁ、今日も綺麗だ。そしていつもと変わらない、不思議な音がする。那田蜘蛛山では本当の女神に見えたけど、今日は天女に見える。禰豆子ちゃんとはまた違う、胸のときめきを感じる。
「しのぶ様、この人、毎日毎日、薬を飲むのを嫌がるんです。しかも大声出して。みんなちょっと引いてます。」
「あら、そうなんですか?良薬口に苦しと言いますから、体が元に戻るまではがまんしてください。大丈夫、善逸くんならできますよ!私はそう信じています。」
しのぶさんにそんな風ににこやかに言われたら、やる気も出るし鼻血も出る。盛大に噴き出した俺の鼻血を見て、アオイちゃんが怒ったのは言うまでもなかった。入院着まで汚してしまい、散々怒られて、そしてまたまずい薬を飲む。どんな修行なんだろう、これ。でも禰豆子ちゃんのためにがんばろう、うん、そうしよう。
鼻血で汚れた入院着の換えを取りに行ったアオイちゃんとともに、しのぶさんは部屋を出て行った。
そして、そのすぐ後に今日も訓練を終えた炭治郎と伊之助が戻ってくる。相変わらず、2人ともげっそりしている。何をしているのか聞きたいけど、どうしてそんなにげっそりしているのか聞きたいけど、聞けない。2人から聞こえる音は完璧に疲弊している。怖いよ、そんなの。俺、どうなっちゃうわけ?